危険物取扱者 甲種の独学(理系向け)‐勉強方法、合格率、勉強時間、難易度

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 危険物取扱者の甲種を、理系が独学受験する場合の勉強方法、難易度の最小限度のまとめ。試験の傾向と対策、合格率、独学向け教材、勉強量と勉強時間など、独学の受験生が知っておくべきことを説述。理系甲種は、一口で言うと、「時間があれば受かる」。

理系甲種ひとくち‐合格率と独学可否、難易度

 甲種の合格率は、ほぼ毎回『30%前半』を推移しており、「ちゃんと内容を消化すれば」受かる試験です。

 市販教材も充実しているので、独学でも支障はありません。ただ、後述するように、試験科目の「物化」は余裕ですが、残る「法令」と「性消」は、地味な暗記科目なので、ある程度の時間を見ておかないと落ちます。

 ざっくり言うと、「理系は、5対3対2」で、また、「理系は時間があれば受かる」です。

 さて、以下、勉強方法等を見ていきますが、本ページは『理系向け』の内容となっています。

 文系が理系の勉強をすると落ちます。文系の人は「甲種の独学(文系向け)」の方を、“必ず”参照ください。

独学向け教材

 理系の甲種教材については「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な人は…、

 テキストは「わかりやすい! 甲種危険物取扱者試験」を…、

 問題集は「本試験によく出る! 甲種危険物」を利用します。

 当該2冊は、「危険物取扱者試験」ではド定番のシリーズで、わたしが受けた試験会場では、半数以上の人が手にしており、あまりの利用率に驚いたくらいです。この2冊を使えば、大丈夫でしょう。

 なお、過去問には、「甲種危険物取扱者試験」がありますが、理系の人は、買わなくていいでしょう。

 後述しますが、理系の『難』は、「法令」と「性消」なのですが、この2科目は、先のテキストと問題集とで、間違いなく合格点を確保できます。ですから、過去問は要りません。

甲種の試験構成と合否基準

 甲種試験の問題数は、ぜんぶで「45問」です。

 「法令」は「20問」で、「物理及び化学(通称:物化)」は「10問」で、「危険物の性質及び消化の方法(通称:性消)は「25問」です。

 指し当たって、初めて危険物取扱者を受験るする理系の方は、まず「合否基準」を頭に入れてください。

 当該試験は、「試験科目ごとに足切り点」が設定されており、試験科目のそれぞれで「6割以上正解」でないと、その時点で、不合格と相なります。

 つまり、それぞれ「法令で12問以上」「物化で6問以上」「性消で15問以上」の正解がないと、落ちるという塩梅です。

 得意科目で点を稼いで苦手は捨てるやり方が効かないので、3科目全てを満遍なく勉強する必要があります。

甲種の勉強方法‐物化は余裕

 試験の割合を言うと、「法令5割、性消3割、物化2割」です。

 理系の方は、おおむね、理化学系の「学歴」か「単位」で、甲種の受験資格を得るかと思います。

 んなもんで、理系キャリアのある方なら、試験科目の「物化」は、余裕かと思われます。難易度は、高校化学のレベルなので、化学系なら「NO勉強」で、それ以外の理系でも「1週間」もあれば、ほぼ間違いなく合格点の6割(10問出題のうち6問正解)を確保できるはずです。

 本試験の問題を1つ挙げてみると…、

 「水素(H)、炭素(C)、プロパン(C3H8)の燃焼熱がそれぞれ286kJ/mol、394kJ/mol、2219kJ/mol、である場合、プロパンの生成熱のうち、正しいものはどれか?」といった感じの問題が出題されます。そのほかの問題も、おおむねのこのくらいの難易度です。

 ちなみに、わたしはガチ文系でしたが、それでも本試験は9割取れていたので、理系の人なら、大丈夫かと思われます。

 

 まあ、知識問題もあるので、「勉強ゼロ」は危険ですが、テキストと問題集をざっくり1回でもやっておけば、足を取られることはないでしょう。

 なお、わたしが受験した試験では、「間違っているものはどれ?」の問題の選択肢に「磁力は、同極同士だと引き合い、異極同士だと反発しあう」という小・中学生レベルのものがありました。

 この例は極端ですが、まあ「物化」については、大船は危険ですが、駆逐艦の「ゆきかぜ」に乗ったくらいの心持ちでよいでしょう。

 参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/雪風_(駆逐艦)

理系は、法令から

 「法令」は、地味に各論点を覚えるだけの「暗記科目」となっています。

 しかも、「法令」はボリュームがあるため、後手に回ると“間に合わなくなる公算が大”です。ですから、まず、「法令」から手を付けます。

 「性消」は、何だかんだ言っても、バックグラウンドに化学の知識があると、そこそこ手助けになるからです。

 たとえば、「性消」では、「臭い危険物はどれか?」的な出題があるのですが、「アンモニア由来のアミノ基だから、アニリンは臭いわな」といった感じで、暗記の手助けがたくさんあるのです。

 対して、法令は、そのほとんどが未学習であり、“まったくゼロ”からの勉強となります。

 しかも法令は、条文や用語の定義や数字を憶えるだけ、という単調な作業のため、ついつい後手後手となります。

 しかし、ほったらかしにすると、本試験に間に合わなくなる可能性があるので、ボリュームのある「法令」から消化する、ってな寸法です。

 勉強方法は、ホント地味に、テキストを読む→問題集で問題演習がほとんどです。

 難易度は「ふつう」で、テキストの内容に凝ったものはなく、また、本試験には、テキストの記述がそのまま出るのが常です。

 ぶっちゃけ言えば、法令は、「難しくはないが、面倒なだけ」です。

 法令は、「量」で決まります。テキストと問題集をそれぞれ「2~3回」繰り返しておけば、まず、合格点は確保できるでしょう。

 通勤や通学時間をフルに使って、ドンドコ、消化していってください。

 なお、「法令」の暗記が苦手な人は、語呂あわせで憶える「危険物・乙4‐法令の投稿記事」を参考にしてみてください。乙種の記事ですが、ぜんぜん、甲種でも使えます。

性消も、基本暗記

 「性消」も、一口で言うと、「暗記科目」です。

 各危険物の特徴を、ひたすら憶えるだけです。

 このため、「法令」同様に『量』で決まるという塩梅で、テキストと問題集をそれぞれ「2~3回」繰り返すことを念頭に、各論点を消化していきます。

 頻出ポイントは、まず、「火事・火災の危険性」です。危険物取扱者は「消防」の資格なので、火災・爆発・発火の性質がよく問われます。

 たとえば、皆さんお馴染みの、1類の「過塩素酸カリウム」は、硫黄・炭素・りんと混ざると、少しの衝撃・過熱で爆発するので、当該論点がよく出ます。

 また、皆さんには日常的な、5類の「過酸化ベンゾイル」は、可燃物と接すると爆発的に反応するところや、酸・アルコール・アミンと激しく反応するところが頻出です。

 このように、「火事・火災の懸念がある特徴」から、まずは、押さえていくとよいでしょう。

 そのほか、危険物の“取扱者”ですから、「形状(粉?or塊?)」「色」「臭い」「貯蔵方法(保護液の有無とか金属容器ダメとか)」、そして「危険なこと」が頻出です。言うまでもなく、「消化方法」もよくよく出ます。

 なお、「危険なこと」とは、たとえば、硫化りんのように、「水」をかけると有毒で可燃性の「硫化水素」が出るとか、クレオソート油は有毒で発がん性とか、アゾビスイソブチロニトリルはシアンガスが出るとか、配偶者は刺激臭があり有害とかが、試験ではよく問われます。

 これらの論点も、憶えていきましょう。

 なお、発火点や引火点は、ごく限られた危険物(ガソリン、灯油・軽油、アルコールなど)のみ問われるので、該当危険物以外は、憶える必要はないです。

 ま、ホント、先述したように、テキストと問題集で問題演習をすれば、ほぼ、大丈夫です。

 試験問題は、そう凝ったものはないので、通勤・通学の間で、ほとんどの論点を消化できます。

 「やることさえやれば」間違いなく合格点は取れますので、コツコツと取り組んでください。

勉強時間

 理系の人は、甲種の勉強に「4~6ヶ月」を見ておくとよいでしょう。

 内訳は…、

 物化は、「1週間~2週間」もあれば、十分すぎるくらいです。

 性消は、1つの類につき、「2週間」もあれば、マスターできます。

 つまり、「2週間かける6つの類」の「12週間」くらいは見ておくと、心に余裕が生まれます。

 まあ、2類と6類は、危険物の数が少ないので、先の数字は、もっと少なくなります。反対に、ボリュームのある1類、4類、5類は、時間を食います。

 そして、面倒な「法令」は、「1~2ヶ月」くらいを見ておけば、十分な時間です。

 勉強時間は、「4~6ヶ月」を踏まえておくとよいでしょう。

 なお、もし、時間に余裕がないのなら、直近の試験には申し込まず、先の先くらいの試験を申し込むのがベターです。

 2~3ヶ月で甲種合格を狙うのは、結構、タイトです。甲種の受験料は「5,000円」と、そこそこするので、落ちるともったいないです。「時間がかかる」を念頭に、学習計画を練るのが賢明かと思います。

 逆に言えば、「勉強時間さえあれば、甲種は受かる」です。

1ヶ月合格のからくり

 ところで、甲種に「1ヶ月で受かった」なんて人がいますが、その人は、おおむね文系であることが多いです。

 甲種の受験資格には「4種類」というものがあります。その名の通り、「乙種のうち4つの免状」を取得していると獲得できる受験資格で、文系は当該受験資格を以って甲種を受けるのが常です。

 この「4種類」の場合、法令は乙4でほぼ勉強済みであり、性消の6つの類のうち4つは学習済みと、多くの論点が「学習済み」といった次第で、ぶっちゃけ、「最初から4~5割」終わっている状態です。

 んなもんで、勉強期間が格段に短くなって「1ヶ月合格」となる寸法です。

 実はわたしも「この口」で、「4種類」で受験しましたが、「1.5ヶ月」が試験勉強の期間でした。

 全くのゼロからの「1ヶ月」合格も、できなくはないですが、かなりの強行軍となります。1ヶ月ぜんぶを勉強に費やすくらいの覚悟がないと、厳しいです。

 きついのが好きな人は「どうぞ、お好きに」ですが、いろいろなことで時間を取られる人、たとえば、戦車の本を読んだり指導教官の闇討ちを図ったり、パンツァーファウストを対配偶者に改造したりする人は、先の「4~6ヶ月」という時間が穏当です。どれもやりがいがあるものばかりです。

 

テキスト・問題集がきれいだと落ちる

 以下は、わたしの愚考ですが、甲種の試験会場では、「テキストと問題集のきれいな人」がとても目に付きました。

 まあ、一口で言うと、勉強していないと落ちる、という次第で、ピカピカのテキストや問題集なんて、使っていない証拠です。

 仕事や実験で忙しいとは思いますが、受験するのであれば、時間の余裕を持って、取り組んでください。

 先も言ったように、「法令」と「性消」は、ボリュームも多く、そのほとんどが暗記作業のため、合格ラインに到達するには、そこそこ時間がかかります。

 甲種は、やれば受かりますが、やらないとまず受かりません。無理から受けても落ちるだけなことを肝に銘じてください。

まとめ

 理系が甲種受験する際のまとめです。

 理系は、「法令」と「性消」に時間を割いて、先に始末します。「物化」は後回しで支障ありません。

 ボリュームが多く暗記作業ばかりの「法令」や「性消」が後手に回ると、黄色信号です。

 先にメンドクサイものから消化します。当該2科目が済めば、終わったも同然です。

 法令と性消は、「」で決まります。

 テキストと問題集は、それぞれ「2~3回」繰り返してください。これだけやっておれば、まず間違いなく、合格できるでしょう。

 テキストは、ド定番の「わかりやすい! 甲種危険物取扱者試験」を…、

 問題集は、これまたド定番の「本試験によく出る! 甲種危険物」を使います。

 過去問は要りません。

 勉強時間は「4~6ヶ月」を見ておくと、余裕があります。暗記作業が多いので、タイトな学習計画は避けるのが賢明です。

 「理系は時間があれば受かる」が結論です。

こまごましたもの

 甲種のこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 興味のある方は、「危険物・甲種の投稿記事 」で、ヒマな時間を潰してください。

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