40代男性向け独学資格ガイド

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 40代男性向けの、独学合格可能な資格リスト。安定して仕事があり、また、正社員採用が多いビルメン業に必須の2資格(2電工・乙4)と、定年後も踏まえると推奨できる1資格(管理業務主任者)、教養としての2資格(宅建、簿記3級)と、求人数はある登録販売者、士業系資格への挑戦の仕方をまとめています。

40代男性・資格取得リスト

 ハロワの求人数と求人動行が、評価のベースです。

 リストの後に、個々の理由を詳述しています。気になった資格のところからお目汚しください。士業系資格への警鐘は最後です。

 『次』のことを考えないといけない上に、公私共々忙しくなる40代ですが、これらの資格を取っておけば、若干、余裕が生まれます。また、「定年」を踏まえても、有用な資格群です。

 万が一の際も、『復元力』に優れた資格です。優先順位も、この順番なので、上から順繰りに取って行けばよいでしょう。

・第2種電気工事士(通称:2電工)

 独学取得可能な資格の中で、突出して求人のある資格。攻守強し。試験の難易度も高くない。ハズレのない資格なら2電工。

 参考:資格ガイド2電工の独学筆記教材レビュー実技教材レビュー

・危険物取扱者 乙種4類(通称:乙4)

 これまた、求人のある資格。賃金は安いが、年を取っても仕事がある。難化したが、独学合格可能。ハズレのない資格。

 参考:資格ガイド乙4の独学乙4教材レビュー

・電気主任技術者(通称:電験3種)

 理系キャリアなら、2電工ではなく電験。求人多数。簡単には取れないが、文系でも挑戦する価値はある。

・管理業務主任者

 就・転職用。管理職経験者や営業経験者向け。定年後の一手一石に。あとあと効く。

 参考:資格ガイド管理業務主任者の独学管理業務主任者の教材レビュー

・登録販売者

 必置資格で需要旺盛。宅建クラスの求人数。販売系・営業系の資格。誰でも受験できる。合格率は40~50%。

 参考:資格ガイド登録販売者の独学教材レビュー

・宅地建物取引士(通称:宅建)

 お勉強資格。法律的なことをコンパクトに勉強可能。やや負担。

 参考:資格ガイド宅建の独学宅建教材レビュー

・日商簿記3級

 お勉強資格。会社の数字に強くなる。負担は少ない。

 参考:資格ガイド簿記3級の独学簿記3級の教材レビュー

“ハズレのない”2電工と乙4

 結論から言うと、40代男性が取得して全く損のない資格は、「第2種電気工事士(通称:2電工)」と「危険物取扱者 乙種4類(通称:乙4)」です。

 資格取得を考えているなら、まずは、2電工と乙4から手をつけるのがベストです。

 当該2資格を推薦する切実な理由は、まず、「求人の数が多い」からで、他の資格と比べて、格段に「ハズレ」がないのです。

 資格について、絶対に知っておくべき実情は、「資格=必ず職にありつける」ではないことです。

 「求人数から見る資格-74%の資格には求人がない」でも述べていますが、ハロワに登録されている資格のうち、7割の資格には求人がない現状です。

 弁護士や公認会計士でも廃業する昨今、難関国家資格といえども、「仕事がなければ仕方がない」のです。

 この点、2電工と乙4は、全国満遍なくコンスタントに求人があり、しかも、それぞれ社会の根幹を担う電気とガソリンが対象の資格なので、廃れにくい長寿命の資格となっています。

 後述しますが、両資格は、中高年齢でも正社員採用の多い設備・メンテナンス業に強いので(両資格はほぼ必須)、万が一の際は、格段に生活が安定します。

 加えて、両資格は、パートタイマーの仕事も多く、“つなぎの仕事”も見つけやすい特徴があります。

 その上、両資格は、「激務ではない仕事も多い」ので、体力に自信がなくても何とか仕事をこなすことができます。

 このように、2電工と乙4さえあれば、今後、「仕事がなくてどうにもならない」とか「他に行くところがないだろう?的な、足元を見られた低待遇」や、「病気や怪我で生活保護一直線」というような、リスクと危機を避けることができる有用な資格となっています。

 安定という点で、2電工と乙4は、頭を1つ2つ飛び抜けたものがあります。

ビルメンテナンス資格の登竜門

 中高齢となると、正社員になるのは格段に難しくなります。

 しかし、それでも、比較的なりやすい業種が、ビルメンテナンスといった設備業です。

 ビルメンテナンス業では、「資格がないと、法的に作業ができない」ことが多く、資格の取得が推奨されており、2電工と乙4はその最たるものとなっています。

 反対に言うと、両資格がないと、ビルメンテナンス業では話にならない、という塩梅です。無資格者は、ほぼ書類で撥ねられます。

 ビルメンテナンス業に必要な資格は、2電工と乙4以外に、「二級ボイラー」や「第3種冷凍機械責任者」、「消防設備士」といった資格がありますが、まずは、鉄板資格の2つを取ってから、ボチボチ取っていけばいいでしょう。

 これらの資格は受験の機会も多く、難関資格でもないので、後回しでも大丈夫です。

 なお、本格的に、ビルメンテナンス業に向かおうと思っている方は、残りの資格も、積極的に取って行きましょう。持っている方が格段に評価は高いですし、仕事に就けたら、「資格手当」という形で即現金化(1資格あたり2千~5千円@月)するからです。

 参考:全くゼロからの設備・メンテナンス資格スケジュール

2電工と乙4のまとめ的なもの

 2電工と乙4の両資格は「守り」に強いので、資格の価値は高いです。今後、『困り果てる』事態は、大いに避けることができます。

 両資格に費やした金銭・時間・労力は、就職・転職の際に、それか、安心・安全という精神的な形で、必ず取り戻せます。

 人生の保険・保証として、2電工と乙4は、他の資格と比べて段違いで有用であるといわざるを得ません。

 最後に、両資格とも、独学で取得可能なのも、推薦する理由です。

 つまり、高額な費用のかかる専門学校に通わなくてもいいし、退屈な講座を受講しなくてもいいし、長時間の試験勉強が強いられるわけでもない、という塩梅です。

 さらに付け加えるなら、勉強の手軽さも魅力なのです。

 2電工の実技は、どうしても机の前の試験勉強となりますが、2電工・筆記と乙4は、通勤電車内で十分消化できます。

 わたしはほとんどを電車の中で済ませました。1本前の電車が人身に遭い、後続の電車内で2時間缶詰になった際に、筆記の過去問を総復習したのがいい思い出になっています。

 勉強の手間(取りやすさ)。取得コスト。有用さ。求人の多さ。

 2電工と乙4は、費用対効果からして、他の資格と比べて段違いで有用であるといわざるを得ません。

 中学生の言い方ですが、現状の「最強資格」は、2電工と乙4です。

 資格を取ろうと思うなら、まず、この2資格の取得から始めてください。地球を踏み外さないくらいに、カタイ資格です。

 反対に言うと、取っては見たが、どうにもならない「ザル資格」はたくさんあります。

 最後に、危険物の乙4の勉強方法は「乙4の独学」を参考に、使用教材は、「危険物:乙4の教材」をばご参考ください。

 第2種電気工事士の勉強方法は「第2種電気工事士の独学」を…、

 独学向けの教材については、「2電工・筆記教材レビュー」と「2電工・実技教材レビュー」をば、お目汚しください。

理系キャリアなら

 先ほど2電工を推奨しましたが、理系キャリアの方は、「第3種電気主任技術者(通称:電験3種)」を勧めます。

 電験3種は、ほぼ2電工の上位互換資格なので、電気的な素養がある人は、電験3種です。

 難易度は、電験3種の方がはるかに高いですが、資格の価値も、応じて高くなっています。まあ、待遇・賃金・職種に巨大な差はないのですが、業務や仕事の選択肢が大きいです。

 ちなみに、電験3種があると2電工の筆記は免除です。

推奨1資格-管理業務主任者

 諸手を挙げて推奨はできませんが、『資格で何とかしたい』と考えているなら、「管理業務主任者」という資格があります。

 管理業務主任者は必置資格で、マンション管理業を営むのに必要な資格です。

 求人数はそれほどないのですが、『法的需要』があるので、常に一定の求人があります。

 管理業務主任者の仕事は、マンション管理組合との折衝といった「粘り強さ」が求められる仕事なので、管理職に就いている方や、上下間の調整に腕を振るっている方は、適性のある業務となっています。

 また、未経験者採用も多いので、営業キャリアからの転職する人も多くなっています。

 管理業務主任者は、べらぼうに賃金が高いわけではありませんが、「資格」という壁があるので、有資格者となれば、求人の機会が増えるのは言うまでもありません。

 また、先の話となりますが、定年後の仕事として、マンションの管理人の仕事があります。

 管理業務主任者は、管理人の資格ではありませんが、有資格者にはそれなりの評価が与えられます。

 というのも、有資格者の欠員が出てしまうと、会社自体が営業できなくなるので、有資格者の確保は会社にとって大きな意味があるからです。

 まあ、もう既に充足しているので、「ないよりかは、あったほうがいい」程度の評価ですが、それでも、同じ評価なら、資格のある方を取るのは間違いありません。

 定年後の再就職を円滑にする意味でも、40代で管理業務主任者を取っておいて、損はないように思います。

 参考:資格ガイド管理業務主任者の独学管理業務主任者の教材レビュー

登録販売者は求人数が魅力

 求人のある資格を取りたいのなら、現在は、「登録販売者」が推薦できます。

 登録販売者は、一般用医薬品を販売するのに必要な資格で、年々、求人数は伸びて、直近では「1,600件超」の求人があり、販売系の資格としては、突出した需要があります。

 参考:最近の登録販売者求人数:ハロワ資格求人数データ

 参考:商品販売関連技能資格のハローワーク求人数

 わたしの調査では、登録販売者は、ハロワ登録の資格の中でも、有数の右肩上がりの資格で、高齢化社会で薬の需要も続きますから、応じて、寿命の長い資格になる公算が大です。

 「登録販売者」は、超絶に賃金は増えませんが、「法的需要」があるので、強い資格です。また、ドラッグストアは全国どこにでもあるので、求人の機会が多いのも、魅力です。「販売系」や「営業系」の履歴のある人は、狙う価値のある資格です。

 「店舗管理者」の要件となる実務経験を積めば、さらに、安定するはずです。一概に言えませんが、当該「店舗管理者」は、管理職を兼ねることが多いので、管理職のキャリアのある方なら、経歴も活きてくるように思います。

 勉強期間は「2~4ヶ月」で、合格率は「40~50%」です。試験勉強の負担は少ない方です。

 勉強方法等は「登録販売者の独学」を、使用教材は「教材レビュー」を参考にしてみてください。

お勉強資格-自己啓発

 40代は、知識・経験ともに高いレベルに到達しますが、だからといって「新しいこと」をしなくていいわけではありません。

 手っ取り早く“新しいこと”を勉強したいのなら、資格取得が多いにアリです。

 市販の教材は豊富で、『合格』という明確な目標があるので、中だるみしないからです。

 それに、40を超えると、ほぼ『過去の財産』は切れかけているので、このあたりで、自分の知らないことや興味のあることを、試験勉強を通じて『補給』しても、損はありません。

 40代で取っておくと『よい』、つまり、試験勉強を通じて学んでおくと『よい』資格は、「宅建」と「簿記3級」の2つで、このうちどれかを取っておけば、宅建は不動産関係のもろもろの知識が、簿記3級は会計・経理知識が手に入ります。

宅地建物取引士(通称:宅建)‐民法を学ぶ機会

 『資格』というと、猫も杓子も「宅建」ですが、そうなる相応の理由があります。

 宅建が就・転職に強いのはもとより、宅建の試験勉強が、法律の勉強、とりわけ、民法の入門に最適だからです。

 加えて、宅地建物取引業法という契約法の見本のような試験科目もあり、試験勉強を通じて、法律の素養がかなり磨かれることになります。

 ずっと法律的なことが気になっていた方は、宅建の試験勉強を通じて、仕入れておくといいでしょう。

 また、社会的な地位がそれなりに高くなると、法的な知識や素養が必要となってくる事態もママあります。

 最近の宅建は、法律実務に重きを置いているので、実践的な「法律的考え方」や「法律知識」を得るいい機会となります。

 万が一に備えて、今から、法律を勉強しておくのも一興です。

 ところで、宅建に受かれば、3流私大の法学部卒くらいにはなります。非法学部卒の人に、宅建の取得を、強く勧めたいです。

 なお、先に推薦した「管理業務主任者」と、当該宅建との優先順位ですが、比較的時間に余裕があるのなら、「宅建→管理業務主任者」と取っていけばいいでしょう。

 民法など被る試験科目があるので、一緒くたにやって済ませる方が合理的だからです。

 試験日程も、宅建は10月で、管理業務主任者は12月となっていて、日程に大きな無理はありません。

 反対に、時間がないとか、法律の勉強が苦手といった方は、簡単な方の「管理業務主任者」を受けて基礎的なことを押さえ、そして、翌年に宅建を受験すれば、負担が減ります。

 独学では無理は禁物なので、自分のペースを見極めてから、受験の仕方を決めてください。

 勉強方法等:宅建の独学

 なお、宅建の教材はかなり充実しているので、全くのゼロからでも勉強できます。

 独学向け教材:宅建教材レビュー

簿記3級‐会社の数字の第一歩

 40代ともなれば、経理や会計、帳簿、経営分析云々の『会社の数字』に接することも多くなります。

 会社の数字に手っ取り早く強くなるには、「簿記3級」を取ることを勧めます。

 会計学や簿記は、諸学問の中で最低レベルのつまらなさなので、市販の本を読んでも、挫折するだけです。2級取得者のわたしでも、読みません。

 資格取得という「エサ」をつるして臨む方が、圧倒的に知識や素養を得ることができます。

 1ヶ月か2ヶ月、簿記3級のテキストの前で計算機をいじっておれば、決算や帳簿、会計や財務や経理といった“会社の数字”に苦手意識は持たなくなりますし、本格的に必要になったら、市販本を数冊も読めばいいだけです。

 簿記で得られることは、何気に株式投資などにも効いてくるので、とりあえずは、簿記3級で「数字」のトレーニングをするのがベターです。

 なお、“舐められている感”のある簿記3級ですが、個人的には、会計・経理等々に必要な知識のすべては簿記3級にあり、普通の人なら、簿記3級で十分、と考えます。

 そして、簿記「2級」ですが、経理や会計の仕事に就きたいなら「2級」が必要ですが、“そうでない”なら、「3級」で十分です。

 簿記2級では、連結決算といった重要な論点も勉強できるのですが、試験科目の原価計算や工業簿記は、正直、費用対効果が悪いので、時間のない方は、無理して取らなくてもいいでしょう。

 参考:「簿記3級で、ぶっちゃけいいんでない?-知識・素養編

 勉強方法等:簿記3級の独学

 独学向け教材:簿記3級の教材レビュー

独立開業系の士業・国家資格

 40代となると、それなりに人脈もでき、能力や経験的にもピークを迎えるので、士業系資格を取得し独立・開業をしても、やっていける可能性は高くなります。

 しかし、士業系資格の最高峰である、「弁護士ですら廃業し、公認会計士ですら職にあり付けない」実情を深く受止めておくべきです。

 難関国家資格だろうが何だろうが、「資格だけ」で食べていけるのは、完全に過去の話です。

 士業系の資格を取得するとは、『商売』するのと同じことなので、『商売』の部分を無視して士業系の資格に挑戦するのは考え物です。

 士業系の資格は、営業経験者であるとか、地縁・血縁が豊富であるとか、先輩・友人・後輩に伝手がいるとか、果てには、『面倒見のいい親切なおじ(おば)さんが親戚にいる』とかの、『商売』の土台がない人は、挑戦すべきではありません。

 参照:士業系資格を考えているなら、前・中に日本政策金融公庫

 上記記事でも述べていますが、当該士業の事業計画書を埋められないなら、少し立ち止まりましょう。

 昨今の現状を踏まえると、「難易度が高い資格=稼げる、安定する」では決してなく、難易度が高いため資格取得に多大なコストと時間がかかってしまい、逆に不安定になるというのが現実です。

 「廟算して勝つ」といいますが、「開業する前から、もう顧客がいる」くらいの下準備ができて、挑戦するくらいが丁度いいです。

 そして、就職や転職目的での士業系資格の取得は、絶対に勧められません。

 一般企業で、士業系資格は、ほとんど評価されません。士業系の資格は、その士業系法人くらいしか、仕事の口がありません。

 就職や転職に強い資格は、別にあります。

 わたしは社労士や行政書士を取りましたが、正直言って、今となっては、同じ苦労をするなら、『電験3種』に時間や労力を割くべきだったと思います。就職や転職に直結するからです。

 最近の士業系の資格は、少々覚悟がいるくらい、難化しています。

 安易な挑戦は、本当に時間を無駄にするので、よくよく考えて受験するようにしてください。

独学資格ガイド

 上述した資格以外の有用な資格を探しているなら、ハロワの求人数を元に、独学で取れる資格の価値をクラス別に分類した「独学資格ガイド」を参考にしてみてください。

 役に立たない資格は、ごまんとあります。ぶっちゃけ、役に立たない資格の方が多いくらいです。

 また、資格を履歴書の資格欄に書くと、面接の際に「何でこの資格取ったの?」的な質問をされる可能性が高いです。

 先に述べた「独学資格ガイド」ですが、そこそこ、面接対策に使えると思うので、質疑応答の補強に利用ください。

 逆に言うと、突っ込まれて困るなら、資格名を出してはいけません。わたしは運転免許と乙4、2電工、基本情報技術者以外は表記しません。多くの人は資格に関心はなく、説明は双方の時間の無駄だからです。

 一口で言うと、噛み砕いて説明しても、「フーン」で終わるだけです。

 また、ハロワ登録の資格・免許の求人数データもあります。

 頭に特定の資格なり免許があるなら、一度調べてみることをオススメします。やはり、「求人のない資格」は「当て」になりません。

 参考:資格・免許別ハローワーク求人数データ

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