第724条の2:人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

宅地建物取引士(宅建・宅建士)と管理業務主任者(管業)の試験科目「民法」で、改正された「第724条の2:人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効」について解説したページ。最低限度のポイントと、チェック用の条文本文を説述する。法改正対策のページ。独学者向け。

最低限のポイント

 「第724条の2:人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効」ですが、「変更」の改正です。

 大きな変更のあったところなので、確実に押さえておくべき改正事項です。

 主な改正内容は…、

 ・「人の生命又は身体を害する不法行為」による損害賠償請求権の消滅時効は「五年」。

 …となっています。

 なお、条文本文は、本ページの下方にあります。

解説・コメント

 要は、「人の生命又は身体を害する不法行為」の場合は、より手厚く被害者を保護しよう、といった次第です。

 第724条の第1号にあるように、通常の「不法行為による損害賠償の請求権」は…、

 『不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。』

 『一 被害者又はその法定代理人が“損害及び加害者を知った時”から三年間行使しないとき。』

 …と、「三年間」で時効になることが明記されています。

 対して、「人の生命又は身体を害する不法行為」の損害賠償請求は、当該三年間が「五年間」に伸張されます。

 条文まんまですが…、

 『人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第一号の規定の適用については、同号中「三年間」とあるのは、「五年間」とする。』

 …と、明記されました。

 このように、「人の生命又は身体を害する不法行為」については、時効期間を「五年間」に延ばして、被害者救済を手厚くしている、ってな次第です。

 数字は常に狙われているので、正確に憶えておきましょう。

補足‐頻出ポイント

 起算点も、常に狙われています。

 頻出なのが、先の第一号の「被害者又はその法定代理人が“損害及び加害者”を知った時から」のところです。

 読んで字の如く、「被害」と「加害者」の「双方2つ」を知ることが要件となっています。

 「被害」のみ、「加害者」のみを知っても、起算点とはなりません。

 「ひっかけ」で、「不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が“損害”を知った時から三年間行使しないと消滅する」ってな感じで、出そうです。

 もちろん、「×」です。

 繰り返しますが、「“損害及び加害者”を知った時」なので、シッカリ押えておきましょう。

条文:人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効 第724条の2

 『人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第一号の規定の適用については、同号中「三年間」とあるのは、「五年間」とする。』

 参考:前条第一号の規定

 『不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。』

 『一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。』

宅建のこまごましたもの

 試験勉強については、「宅地建物取引士(宅建)の独学」を、参考にしてください。

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