宅地建物取引士(宅建・宅建士)と管理業務主任者(管業)の試験科目「民法」で、改正された「第611条:賃借物の一部滅失等による賃料の減額等」について解説したページ。最低限度のポイントと、チェック用の条文本文を説述する。法改正対策のページ。独学者向け。
「第611条:賃借物の一部滅失等による賃料の減額等」ですが、「変更」の改正です。
改正内容はカンタンなので、押えておきましょう。
主な改正内容は…、
・賃借物の使用収益が出来なくなった場合、“当然に”賃料が減額される。
…となっています。
旧法では、賃借物の使用収益が出来なくなった場合、賃料の減額を「請求」できただけでした。
よって、「請求」しても、賃料が減額されない可能性があったのです。
しかし、改正によって、「賃借人の責めに帰することができない事由」によって、賃借物の一部が滅失し、使用収益ができなくなった場合、「当然、減額される」ように、変更されました。
条文まんまですが…、
『賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、
『それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、
『賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される。』
…と、明記されています。
よって、「請求」することなく、賃料が「減額される」ことになりました。後は、減額割合を、当事者が話し合うだけです。
ストレートな「ひっかけ」が予想されます。
たとえば、「賃借物の一部が滅失し、一部が使用できなくなった場合は、賃借人は賃料の減額を“請求できる”」などと出そうなので、注意してください。
繰り返しますが、改正によって、請求なくして賃料が減額されます。
あと、賃借人の帰責事由も忘れないでください。
たとえば、「賃借物が滅失し、使用及び収益をすることができなくなった場合、賃料が当然、減額される」と、出題されたら、極めて、実にグレーながら、「×」です。
当然減額には、その使用収益不可が、「賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるとき」に限られます。
んなもんで、もし、賃借人に過失があれば、当然減額ではなくなります。
キチンと要件があるので、このあたり、油断せず、条文を読み込んでおきましょう。
『賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される。』
『賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、残存する部分のみでは賃借人が賃借をした目的を達することができないときは、賃借人は、契約の解除をすることができる。』
試験勉強については、「宅地建物取引士(宅建)の独学」を、参考にしてください。
「宅建」という資格を、より知りたい方は、「資格ガイド Sランク資格:宅地建物取引士」を、一読願います。
ブログに試験勉強に関する記事を投稿しています。興味のある方は、「宅建タグの投稿記事」を、お目汚しください。
★みんなとシェアする