第566条:目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

宅地建物取引士(宅建・宅建士)と管理業務主任者(管業)の試験科目「民法」で、改正された「第566条:目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限」について解説したページ。最低限度のポイントと、チェック用の条文本文を説述する。法改正対策のページ。独学者向け。

最低限のポイント

 「第566条:目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限」ですが、「変更」の改正です。

 試験問題にしやすい内容なので、キッチリ押さえておくべき改正です。

 主な改正内容は…、

 ・目的物の「種類」又は「品質」に関する担保責任の期間は、買主が知ったときから1年以内に通知しないと、履行の追完等の請求ができなくなる。

 …となっています。

 なお、条文本文は、本ページの下方にあります。

解説・コメント1‐頻出ポイント

 買主の救済手段として、「追完請求権」、「代金減額請求権」「損害賠償請求権」「解除権」が設けられました。

 しかし、これらの権利は、無制限に使えるものではありません。

 条文には…、

 『売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、』

 『買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、』

 『買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。』

 …と、明記されました。

 よって、救済手段を行使するなら、不適合を「知った時から1年以内」の「通知」が必要となります。

 起算点と数字は、常に狙われています。

 「“取引時から”」とか「“引渡しのときより”」とか、「“”ヶ月」とか「“10”年」とかで出るので、シッカリ押えておきましょう。

解説・コメント2‐ゼッタイポイント

 先の規定には、見落としてはいけない『限定』があります。

 それは、「種類又は品質」についての規定であることです。

 そう、「数量」は、対象外となっています。

 よーく条文を読めば、「売主が“種類又は品質”に関してウンヌン」と、「数量」が含まれてないことがわかります。

 このため、「数量」の不適合の場合、この通知規定は、適用されません。

 よって、消滅時効の一般規定が適用され、「数量」の不適合は、「権利を行使できることを知ったときから5年」または「権利を行使できるときより10年」の消滅時効が適用されます。

 繰り返しますが、通知規定は、「種類又は品質」の「2つ」のみです。

 「ひっかけ」で、たとえば…、

 「売主が“数量”に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合」とか…、

 「売主が“種類又は品質、数量”に関して(…略…)」とか…、

 「売主が“種類又数量”に関して(…略…)」などと、出題されそうです。

 「ひっかけ」を意識して、憶えてください。

解説・コメント3‐売主が悪意・重過失

 但し書きに、売主が「悪意・重過失」の場合の規定を設けています。

 「悪意・重過失」の売主に、法の保護を与える必要は、ありません。

 よって、条文では、「この限りでない」と規定して、知ったときから1年以内の通知をせずとも、履行追完等の行使ができるようになっています。

 条文の知識問題で出そうなので、一応、チェックだけはしておきましょう。。

条文:目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限 第566条

 『売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。』

 『ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。』

宅建のこまごましたもの

 試験勉強については、「宅地建物取引士(宅建)の独学」を、参考にしてください。

 「宅建」という資格を、より知りたい方は、「資格ガイド Sランク資格:宅地建物取引士」を、一読願います。

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