宅地建物取引士(宅建・宅建士)と管理業務主任者(管業)の試験科目「民法」で、改正された「第567条:目的物の滅失等についての危険の移転」について解説したページ。最低限度のポイントと、チェック用の条文本文を説述する。法改正対策のページ。独学者向け。
「第567条:目的物の滅失等についての危険の移転」ですが、「新設規定」です。
「危険負担」は頻出論点なので、キッチリ見ておきましょう。
主な改正内容は…、
・引渡しの“後”で、当事者双方の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、買主は、4つの救済手段は行使できないし、代金の支払いも拒めない(=支払わないといけない。)。
…となっています。
本条には、引渡しの“後”の危険負担について、明記されています。
条文まんまですが…、
『売主が買主に目的物を引き渡した場合において、』
『その引渡しがあった時以後にその目的物が当事者双方の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、』
『買主は、その滅失又は損傷を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。』
『この場合において、買主は、代金の支払を拒むことができない。』
…と、なっています。
このように、引渡しの“後”は、「買主負担」と、定められました。
よって、買主は、代金を支払わないといけないし、4つの救済手段も行使できません。
なお、本条では、「引渡し」が基準となっているので、不動産の場合も、「引渡し」さえ済んでいれば、移転登記がなくとも、「買主負担」となります。
そして、第二項には、「買主の受領遅滞」のケースを設けています。
買主が受領遅滞をしている場合に、地震等が発生して、滅失損傷した場合は、「買主負担」となります。
当たり前といえば当たり前ですが、だからこそ、選択肢の1つして採用されます。
大きな改正の周辺論点なので、押えておきましょう。
『売主が買主に目的物(売買の目的として特定したものに限る。以下この条において同じ。)を引き渡した場合において、その引渡しがあった時以後にその目的物が当事者双方の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、買主は、その滅失又は損傷を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。この場合において、買主は、代金の支払を拒むことができない。』
『売主が契約の内容に適合する目的物をもって、その引渡しの債務の履行を提供したにもかかわらず、買主がその履行を受けることを拒み、又は受けることができない場合において、その履行の提供があった時以後に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその目的物が滅失し、又は損傷したときも、前項と同様とする。』
試験勉強については、「宅地建物取引士(宅建)の独学」を、参考にしてください。
「宅建」という資格を、より知りたい方は、「資格ガイド Sランク資格:宅地建物取引士」を、一読願います。
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