第4問は、「時効」を問う問題です。テーマは、「時効取得」です。判例問題が1つあるので、確答は厳しいですが、それでも、選択肢の大半は、基礎・基本レベルなので、大丈夫なはずです。難易度は「ふつう」です。
(クリックして拡大。)
本問のレベルは「ふつう」です。
大半の受験生は、「点」にする問題です。
本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。
本問は、「正しいもの」を選ぶ出題形式です。
別段、複雑な指示はないので、ふつうに選択肢の1つ1つを解けばいいです。
なお、本問には、類似問題があるので、後述する「参考リンク」を活用ください。
選択肢1の「Bが父から甲土地についての賃借権を相続により承継して賃料を払い続けている場合であっても、相続から20年間甲土地を占有したときは、Bは、時効によって甲土地の所有権を取得することができる。」ですが、誤った記述です。
時効取得には、「所有の意思」が必要です。賃料をずっと支払っていたのですから、「借りている」意思であったことは明白です。
よって、選択肢は、「誤」となります。
選択肢2の「Bの父が11年間所有の意思をもって平穏かつ公然に甲土地を占有した後、Bが相続によりその占有を承継し、引き続き9年間所有の意思をもって平穏かつ公然に占有していても、Bは、時効によって甲土地の所有権を取得することはできない。」ですが、誤った記述です。
Bは、占有者の承継人に当たり、占有期間を併せて主張できます。
参考:第百八十七条 『占有者の承継人は、その選択に従い、自己の占有のみを主張し、又は自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができる。』
よって、選択肢は、「誤」となります。
そもそも、時効取得は、自身の権利に関心がない者(=20年間、なんら関与しない者)は、その権利について、積極的に法の保護を与えなくてもいい趣旨なので、このようになるかと推測できるはずです。
選択肢3の「Aから甲土地を買い受けたCが所有権の移転登記を備えた後に、Bについて甲土地所有権の取得時効が完成した場合、Bは、Cに対し、登記がなくても甲土地の所有者であることを主張することができる。」ですが、正しい記述です。
判例問題です。
この場合、時効取得者は、新所有者に対し、登記なくして、所有権の取得を主張できます。
Cは、いうなれば、Aの一般承継人(地位を引き継ぐ者)だからです。
よって、選択肢は、「正」となります。
選択肢4の「甲土地が農地である場合、BがAと甲土地につき賃貸借契約を締結して20年以上にわたって賃料を支払って継続的に耕作していても、農地法の許可がなけれは、Bは、時効によって甲土地の賃借権を取得することはできない。」ですが、誤った記述です。
判例問題です。
判例によると、農地法の許可がなくとも、「賃借権」を時効取得できます。
チェックだけはしておきましょう。
よって、選択肢は、「誤」となります。
「1」は「誤」です。
「2」は「誤」です。
「3」は「正」です。
「4」は「誤」です。
本問は、「正しいものはどれか?」ですので…
正解:3
…と相なります。
当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。
当該年度の「権利関係」だけ、問題演習をしたい人は、「H27 権利関係一覧リスト」を、ご利用ください。
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