簿記3級の簡易廉価版教材

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 簿記3級には、簡易廉価版教材があるが、相応の理由や事情がない限り、避けたほうがよい。特に、初めて簿記を勉強する人は、本格版のほうが安全である。教材の各レビューから、教材の買い方順など。

ひとくち基本方針‐3級も本格版

 簡易廉価版の特徴は、値段が安く、ページ数が少なく、説明が簡便なところです。

 ですから、かつて簿記を勉強したことある人や、お試しで“簿記3級ってどんなんだろう?”という人、目標は簿記2級で、ガイダンス的に3級を勉強したい人には、適切な教材となっています。

 簡易廉価版の「定番モノ」は…、

 TACの「スッキリわかる 日商簿記3級」というシリーズと…、

 ネットスクールの「サクッとうかる日商簿記3級商業簿記」と…、

 中央経済社の「テキスト」と「問題集(ワークブック)」とがあります。

 市販の簡易廉価版には、“毒にも薬にもならない”ものが多々ありますが、先の3シリーズは、簡易廉価版の中でも、質の高い仕上がりになっています。

諸手を挙げて推奨できない

 コストを抑えられる簡易廉価版ですが、わたしは、あまり推奨しません。

 というのも、最近の簿記3級は格段に難化しているからで、簡易廉価版だと、記述量や問題演習量が、“実に”心もとないためです。

 簡易廉価版が「安い」のは、それなりの理由があります。ある程度、実力のある人なら、少ない記述と簡便な説明でも、使いこなせますが、そうでないなら、避けるのが賢明です。

 とりわけ独学だと、安い教材を安易に使うと、わけがわからなくなって、挫折したり放棄したりしかねません。

 先述したように、簡易廉価版を使う相応の理由があるならいいのですが、そうでないなら、万事そつのない『本格版』が適切かと思います。

 参考:簿記3級のテキスト・問題集・過去問レビュー

過去問候補2冊

 さて、テキストと問題集を、簡易廉価版にするのはいいのですが、過去問は、本格版を使ってください。

 というのも、簡易廉価版の“あっさりした”過去問では、問題演習の数が大きく不足してしまうからです。

 ぶっちゃけ、簿記は「習うより慣れろ」なので、問題演習数が少ないと、合格はかなり危うくなります。

 ですから、以下の本格版の過去問で、問題演習の数を確保してください。

 過去問候補の1つ目は、TACの「合格するための過去問題集 日商簿記3級」で…、

 2番目は、ネットスクールの「日商簿記3級未来のための過去問題集 」です。

 両社とも、簿記業界の定番出版社で、定評かつ暖簾のある企業です。ド素人受験生の多くが、両社の教材で独学合格している“大”実績があります。

 わたくし事ですが、簿記2級受験の際にネットスクール製の過去問を使いましたが、良質な過去問での演習は、実力の伸びが違いました。

 過去問は、先に挙げた2冊のうちどちらかを使えば、万全です。

 どちらがいいかは、正直、甲乙つけがたいです。

 TACの過去問は、「過去問の解き方ガイダンス」が秀逸だし…、ネットスクールのは、「問題の手書き風解き方」が優れているといった次第で、どちらも「いい」のです。

 内容は均衡しています。どっちを使っても、試験勉強に支障はありません。

その他の教材

 簿記3級なら、無理して予想問題集等を買わなくてもいいです。

 いろいろ手を出すよりも、過去問を何度も解くべきです。

 しかし、1つ挙げるとしたら、試験情報誌に近いTAC製の「無敵の簿記 3級」を推薦します。

 直近の試験傾向と寸評、そして、試験の重要事項がワンセットになっているので、時間の費用対効果が抜群です。

 テキストと問題集、過去問だけでは不安のある人は、使ってみてください。お勧めです。

 なお、当該「無敵の簿記 3級」は、試験ごとに版が改まるので、「受ける本試験の回」と対応したものを選んでください。

予備教材

 やはり、『相性』というものはあります。勉強してみて、まったく「???」なら、予備教材を追加します。

 予備教材としては、「みんなが欲しかった 簿記の教科書」と「みんなが欲しかった 簿記の問題集 日商3級」を追加します。

 当該2冊は、『とにかくわかりやすい』ように作られているので、初学者の人でも、挫折しにくい構成となっています。

 わかる人にとっては冗長ですが、わからない人にとっては、「かゆいところに手が届く」という塩梅です。

 せっかく挑戦したのに、挫折で終わるのは、ホント、つまらないです。

 当該2冊で、何とか突破口を開いてください。初学者系の中では、異色のできばえです。あーそういうこと的な発見があるかと思います。

簿記3級からいい計算機を

 簿記3級でも、いい計算機を使ってください。

 ダメ計算機でも合格はできますが、かなりストレスが溜まります。

 「勉強能率」と「計算ミスの激減」の点から、簿記3級の時点で、高品質の電卓に切り替えることを勧めます。

 計算機を選ぶ際は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」を参考にしてみてください。

 読んで考えるのがめんどくさい人は、「売れ筋の電卓は、結局なに?」で選ぶか、わたしが愛用している「DF-120GT」を買えばいいでしょう。

まとめ

 簡易廉価版も、相応の理由があるなら、使うのもいいです。

 わたしも最初は簡易廉価版から始めたからです。しかし、難化した最近の簿記3級では心もとありません。不安なら、本格版にしましょう。

 簡易廉価版教材には、TACの「スッキリわかる 日商簿記3級」、ネットスクールの「サクッとうかる日商簿記3級商業簿記」、中央経済社の「テキスト」と「問題集(ワークブック)」があります。

 過去問は、本格版の「合格するための過去問題集 日商簿記3級」か、「日商簿記3級未来のための過去問題集」にします。

 過去問まで簡易廉価版にすると、問題演習の数が足らないので、かなり危ういです。過去問は、『本格版』の一択です。

簿記3級のこまごましたもの

 簿記3級に関するこまごましたことは、たとえば、「簿記3級を勉強する前に知っておきたい3つのこと」とかの記事を、ブログにも投稿しています。

 興味のある方は、「簿記3級:ブログ記事」をばご参考ください。

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