簿記3級の直近の合格率。平均は「4割前後」だが、最近の試験はそれを下回っている回が多く、減少傾向は顕著。簿記3級の傾向は近年大きく変わってきており(実務重視路線)、合格率の低下は如実に「難化」を反映している。挫折率は例年「2割前後」。簿記3級もきちんと勉強しないと受からない試験に変貌している。
合格率の全平均は「40.8%」。4割が受かる試験ですが、簿記3級は「実務重視路線」に切り替わっているので、「数字」を鵜呑みできません。
さて、直近の合格率は…、
第148回(H30.2.25)は、「48.9%」…、
第147回(H29.11.19)は、「40.3%」…、
第146回(H28.6.12)は、「51.0%」…、
第145回(H29.2.26)は、「47.4%」…、
第144回(H28.11.20)は、「45.1%」…、
第143回(H28.6.12)は、「34.2%」…、
第142回(H28.2.28)は、「26.6%」…、
第141回(H27.11.15)は、「26.1%」…、
第140回(H27.6.14)は、「52.7%」…、
第139回(H27.2.22)は、「54.1%」…、
第138回(H26.11.16)は、「38.5%」…、
…となっています。
平成29年度の合格率は、常に4割以上をキープしています。
しかし、平成30年度も、これが続くかどうかは不明です。
というのも、翌年の平成31年度に、試験範囲の改定が予定されているからです。
各論点の統廃合があるため、応じて、本試験も影響があるように思われます。
大きな改定ではありませんが、注意はすべきです。
まあ、合格率は、現状の「4割」ならいいほうで、不幸にも、出題者が受験生の斜め上を行けば、「3割」以下に落ちる可能性があります。
数字からわかることは、「合格率が増えたら、次回以降、減る」ということです。
反対に言うと、「合格率が減ったら、次回は、増える公算が大」です。
特に注目すべきは、第139回と140回で、これまで5割あった合格率は、それ以降は「2割」に、次次々回では「3割」に落ち込んでいます。受験生はたまったもんじゃありません。
んで、合格率が下がりすぎたので、緩和したのでしょう、直近の試験では、「4割」台の試験が続きました。
このように、「増えたら減らす、減ったら増やす」というのが、簿記3級の合格率の傾向です。
近年は、高合格率の試験が連続していますが、出題者は、常に斜め上の反応をします。
直近の試験が高い合格率なら、次の試験では、「お試し風の新傾向問題」を採用してくる公算が大です。んで、試験が極端に難化して、合格率が激減する可能性を、否めないのです。
そして、(あー合格率10%かー、問題を捻りすぎたなー、しかし、こんだけしか受からなかったのかー、したらば、次の試験だけやさしくすると、公平じゃないから、次の試験も、難しくしないとなー)的に、「低合格率試験を、連続させること」も、多々あるので、気を引き締めて臨んでください。(後述あり。)
高合格率など、砂上の楼閣。数字など当てにせず、地道に勉強するのが一番です。
簿記試験では、高合格率の『救済試験』が、ときおり実施されます。
『救済試験』とは、言うなれば、「在庫処分」で、累積した不合格者を一掃する、ってな次第です。
最近の試験は、40~50%と、高い合格率の試験が続いていて、ほぼ毎回が『救済試験』の体をしています。
1~2年前は、2割~3割台が続いたのが夢のようです。
しかし、安心はできません。
簿記3級は、かつてのように、大盤振る舞いで合格者を出さなくなっています。
「簿記3級の独学」でも述べていますが、以前の試験とは様相が違ってきていますので、注意が必要です。
数字だけ見れば“カンタン”そうかもしれませんが、内容は、かつてと比べて格段に難しくなっているので、数字に騙されないようにしてください。
さて、合格率で注目すべきは、第141回の「26.1%」と第142回の「26.6%」です。
これまでの簿記3級でも、10~20%台の合格率のときが時折ありました。
しかし、これはあくまで“まれな数字”で、このような低い合格率の後は、おおむね4~5割の高合格率の試験が実施されていました。
とはいえ、第141回と第142回では、「20%」台が連続するという、これまでになかった傾向が見受けられました。
簿記2級の合格率が落ちていることから、簿記3級も、じわじわと下がりかねません。
3級は、2級ほど極端に落ちないでしょうが、安易に受験生は出さないという出題者の意図を、頭の片隅に置いておくべきです。
簿記3級の合格率は、「40%」前後に落ち着きそうな気配ですが、この数字は、本当に『目安』です。しっかり勉強してください。
挫折率とは、申込者数のうち、「挫折して試験放棄した数の割合」です。
平均は「23.5%」。
申し込んだ4人に1人が受けていない、といった勘定です。
「挫折率」は、どの回もおおむね「20%前後」を推移しています。
簿記3級の放棄の理由は、「昔のイメージ」であるかと思います。
簿記3級は、かつては「3日で受かる」などと揶揄されてきた経緯があり、応じて、安易な申し込みが多いように思われます。
また、専門学校やら大学やらで、簿記3級の受験がカリキュラム化されているところもあり(商学部でもなんでもないのに)、このことも、安易な受験生の増加に貢献しているように思われます。
簿記3級は、先述したように、本試験が「実務重視」方針に切り替わったため、格段に“手ごわく”なっています。
昔の「カンタンに受かる」イメージは、きれいさっぱり捨てておきましょう。
簿記3級は、勉強していないと、まず受かりません。
3級の合格率のデータは、「簿記3級合格率‐PDFデータ」です。
3級の合格率は、平均で「4割」と、極端には下がっていません。
しかし、注意すべきなのは、明らかに本試験の傾向が変わっている点です。
かつてのような、仕訳が切れて足し算・掛け算ができれば解けた問題は鳴りを潜め、格段に頭を使う、応用力や理解力を問う問題が増えています。
また、帳簿に関する出題も増えており、かつてのような「パターン学習」では、勝負にならなくなっています。
しかも、事態はさらに悪化しており、パターン学習+暗記と記憶でゴリ押しする受験生を、意図的に陥れる問題が出題されており、底の浅い勉強の受験生は、ころっと引っかかってしまいます。
こんな次第で、簿記3級の合格率も、その「難化」から、さらなる低下も否定できません。
簿記3級は、商業高校の卒業手形(就職手形)的な性質もあり、極端な難化と合格率の低下はないように思われます。
しかし、格段に受かり難くなっているので、安易な受験は控えた方がよいでしょう。
なお、簿記3級の勉強方法については、「簿記3級の独学」を、参考ください。
教材についての詳細は「教材レビュー」で述べてますが、読むのがメンドクサイ人は…、
テキストは「合格テキスト 日商簿記3級」で…、
問題集は「合格トレーニング 日商簿記3級」で…、
過去問は「合格するための過去問題集 日商簿記3級」で揃えば、独学でも支障ありません。どれも『定番』です。
簿記3級の中で異色のメンドクサさを誇るのが為替手形です。当該論点についてはブログの方にまとめているので、「ブログ:簿記3級-為替手形」を参考ください。
そのほか、簿記3級に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「簿記3級:ブログ記事」をばご参考ください。
また、電卓の打ち方についてを、「簿記のコツ-それは計算機」や「計算機打ち方例」で述べてます。お目汚しください
「検算のコツ」を知っておくと、計算ミスを結構防げます。
なお、お手持ちの電卓が、試験で使えるかどうか不安な方は、「簿記の電卓」を参考ください。
また、簿記3級の求人数等を、「簿記3級独学資格ガイド」に挙げていますので、ご高覧をば。
★みんなとシェアする