簿記3級有資格者向けの簿記・経理系資格スケジュール(2020年度後期)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 簿記3級の有資格者のための、簿記・経理系資格のスケジュール表(2020年度)。年3回行われる簿記2級試験の、本試験日と申込日と試験勉強期間、注意事項をまとめる。簿記2級の代わりに挑戦するとよい建設業経理士2級や3級FP技能士のスケジュールも併せて説述。

簿記3級を持っている人のスケジュール

 

 上の画像は、「簿記3級有資格者のスケジュール表(2020年度)」です。

 簿記3級を持っているなら、2通りの道があります。

 オーソドックスに「簿記2級」に駒を進めるか、「建設業経理士2級」に進むか、です。

 「簿記2級」を受ける最大の理由は、資格要件の解除です。

 一般的な求人の経理職は、簿記2級を持っていれば、資格要件をパスできます。

 逆を言えば、「簿記1級必須」という求人はあまりない塩梅で、大半の求人は「簿記2級以上」が限度です。

 ですから、いっそのこと2級まで取ってしまい、後顧の憂いを絶つ、という寸法です。

 次に、「建設業経理士2級」を取る理由は、求人先の「幅」を広げるのと、「簿記2級の肩慣らしをする」ためです。

 建設業経理士2級は、「建設業経理士 資格ガイド」等で述べるように、経営審査事項の加点があって他の簿記系資格にはない“特権”があり、建設業等の会社に強くなります。

 加えて、建設業経理士2級は、簿記2級と比べたらボリュームも少なく(簿記2級はテキスト2冊、建経士2級は1冊)、そう大きな負担になりません。

 合格率も「30~40%」台と、そう難しくもなく、きちんと勉強すれば取れる資格です。

 こうした理由から、簿記3級を持っているなら、「建設業経理士2級」を1選択肢に挙げています。

簿記2級に挑戦する

 まず、「簿記2級に挑戦」するスケジュールですが、その前に指摘しておきたいことがあります。

 簿記2級は、そこそこに難化しており、商業簿記と工業簿記・原価計算の両科目にて点数を確保しないといけないので、結構時間が取られる、という点です。

 試験勉強は、3級のようには*さくさく*進まないので、時間に余裕を持って、計画を練る必要があります。

 受験生に厳しい実情を踏まえると、簿記2級に挑戦するのであれば、建設業経理士はパスして、「簿記2級」いっぽんに集中した方が無難です。

 つまり、2級に挑戦するなら、この1年は、他の資格は考えなくてもよい、という塩梅です。

簿記2級の試験勉強期間

 簿記2級の実質的な勉強期間は「4~6ヶ月」を見ておきます。

 このくらいの期間を取っておくと、本試験に間に合わない!なんてことを避けられます。

 しかし、試験傾向がコロコロと変わることが予想され、運悪く、難しい本試験に当たると、合格は運否天賦となります。

 簿記2級の内容を消化するのは、「4~6ヶ月」ですが、最終合格に漕ぎ着けるには、運不運もあるので、1~3回の受験を想定しておいて、1年は見ておくほうが無難です。

 簿記2級の合格率は、最近では「10~20%台」で推移しており、格段に受かり難くなっています。

 簿記2級は、かつては、さくっと合格できた試験でしたが、今では、全くそうではないので、古い合格者の意見を鵜呑みせず、意識を完全に切り替えておく必要があります。

各試験の受験計画

 基本的に、各試験日の「3ヶ月前」あたりから、試験勉強に着手します。

 先述していますが、簿記2級は、格段に難しくなっているので、個人的には、無理して「1発合格」よりも、「2~3回受験」で合格することを推奨しています。

 簿記2級は、傾向が変わるために、合格には、どうしても、「運否天賦」が付きまといます。

 過去の2級なら、「1発合格」は、難しくありませんでしたが、昨今の2級は、実に困難です。実質、「運」です。

 んなもんで、運頼みで強行軍の「1発合格」は目指さず、最初から「2~3回受験」の気持ちでいく、ってな寸法です。

 1回目の受験には、「3ヶ月」という時間は、不足するかもしれませんが、「自分の本番は2回目」と考えて、試験勉強に臨んでみてください。

 1回目の試験と、2回目の試験との合計「6ヶ月」あれば、十分、合格圏の実力を身に付ける事ができるはずです。

 わたしは過去試験で合格しましたが、今、受験するにしても、「2~3回受験」を覚悟するはずです。

2~3回受験の当否

 神経を使う本試験を、2~3回も受けたくない気持ちはよくわかります。

 んなもんで、1回目は、「模試感覚」で受けることを勧めます。

 多くの受験生も、2~3回で合格してます。

 試験放棄はせず、肩肘張らず、模試のつもりで、受験してください。

 もしかしたら、「1回目」で受かるかもしれませんし、本試験を1回でも受けておくと、「肝」が据わります。

 1回目の経験は、必ず、2回目で活きてくるので、“むりっぽそうだなー”でも、受験してみてください。

 なお、勉強方法等は「簿記2級の独学」を、独学向け教材については、「簿記2級の教材レビュー」を参考ください。

 読むのがメンドクサイ人は、内容が最も充実している…、

 テキストは、商簿「合格テキスト 日商簿記2級 商業簿記」で、工簿「合格テキスト 日商簿記2級 工業簿記」を…、

 問題集はそれぞれ、「合格トレーニング 日商簿記2級 商業簿記」と「合格トレーニング 日商簿記2級 工業簿記」で練習して…、

 過去問は、とりあえず「合格するための過去問題集 日商簿記2級」の最新版を入手して、過去問演習をします。

 なお、過去問を購入の際は、最新の過去問、つまり、前回の本試験問題が掲載されている最新版を買ってください。一番参考になるデータを欠かしては、プロの技を買う意味がありません。

建設業経理士に方向転換

 「簿記2級」は、出題傾向がそこそこ変わるため、なんだかアレなんだよなーと二の足を踏む方も居られるかと存じます。

 難化している簿記2級には、気軽に挑戦しない方が賢明です。

 簿記3級も全然わるくない資格ですが、「簿記3級だけじゃさびしい」という方は、3級の次は、「建設業経理士2級」に向かうといいです。

 難易度は簿記2級より低く、合格率は30~40%台で安定しており、ボリュームも簿記2級と比べたら少ない(教材が薄い)です。

 簿記3級の次に建設業経理士2級に駒を進めるのは、実利的にも難易度的にも、手堅いと思います。

 スケジュール的には…(先の画像参照)、

 建設業経理士2級の試験勉強期間は、「3~4ヶ月」ほどあれば、十分に対策が取れます。

 建設業経理士2級の本試験は、おおむね、「9月中旬」と「3月中旬」です。

 9月に受験するなら、「6月~9月」を試験勉強に充て、

 翌3月に受けるなら、「12月~翌3月」を試験勉強に充てればいいでしょう。

 建設業経理士の2級の試験勉強は、簿記2級の予習にもなるので、簿記2級の“ガイダンス的に”、建設業経理士2級を受けるのも、大いに『あり』です。

 参考:建設業経理士2級の独学

 参考:教材レビュー

FP技能士について

 簿記系の資格と相性のよいのがFP技能士ですが、優先して取る資格ではありません。

 求人が実に低く、資格自体にこれといった強みもない(=特権が付与されない)ため、資格の価値としては、簿記3級以下となっています。

 そして「資格ガイド:3級FP技能士」でも述べているのですが、FP技能士試験は「年に3回」も行われているので、全く急ぐ必要はありません。

 試験は逃げませんから。

 本試験は「5月」「9月」「1月」で、お好きに・お手隙に・お暇ならどうぞ、です。(先の画像参照

 わたしは、簿記3級以降は、「建設業経理士2級」がベストだと思います。FP技能士は、ホント先々でいいです。

おまけ‐資格別求人数

 資格の価値と優先順位の把握のために、各資格の求人数(ハローワーク)を挙げておきます。

 各資格の直近調査での求人数はおおむね…、

 簿記2級は「1,600件」で、簿記3級は、「1,400件」、

 建設業経理士1級は「7件」で、建設業経理士2級は、「34件」、

 FP技能士2級は「10件」で、FP技能士3級は、「7件」です。

 優先順位はこれらの数字に尽きますが、「建設業経理士」はやや特殊です。

 優先順位の理由や詳細については、「簿記・経理系資格の優先順」をお目汚しください。

こまごましたもの

 こまごまとしたことは、「簿記2級:ブログ記事」に挙げています。

 また、簿記2級の試験勉強は、使う計算機によって大きく変わってしまいます。

 100円ショップで売ってるようなペラペラ電卓の人は、買い換えることを絶対推奨します。バカみたいに能率が上がります。

 計算機を選ぶ際は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」を参考にしてみてください。

 読んで考えるのがめんどくさい人は、「売れ筋の電卓は、結局なに?」で選べば支障はありません。

 電卓の使い方については、「簿記検定計算機打ち方例」を、自分の電卓が試験で使えるかどうかの当否は、「簿記の電卓」で確認ください。

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