簿記2級の直近の合格率。平均は「3割前後」だが、最近の試験はそれを下回っており、減少傾向は顕著。挫折率は例年「2割前後」。救済試験(合格率が50%以上)が、あることにはあるが、配偶者なみに当てにならない。安易な受験やずさんな計画はご法度で、簿記2級は、きちんと勉強しないとまぐれでも受からない試験に変貌している。
端的に言うと、簿記2級の合格率は「10~25%前後」と考えておきます。
合格率の全平均は「29.6%」で、おおむね3割ですが、昨今の簿記2級は「大改定中」なので、この数字は当てになりません。
直近の試験の合格率は…、
第148回(H30.2.25)は、「29.6%」…、
第147回(H29.11.19)は、「21.2%」…、
第146回(H29.6.11)は、「47.5%」…、
第145回(H29.2.26)は、「25.0%」…、
第144回(H28.11.20)は、「13.4%」…、
第143回(H28.6.12)は、「25.8%」…、
第142回(H28.2.28)は、「14.8%」…、
第141回(H27.11.15)は、「11.8%」…、
第140回(H27.6.14)は、「34.5%」…、
第139回(H27.2.22)は、「21.8%」…、
第138回(H26.11.16)は、「26.4%」…、
…となっています。
先述したように、「平均は3割前後」ですが、現在は、試験範囲の大改定が行なわれている“混乱期”ですので、合格率の実質は、「10~25%前後」と考えておくのが無難です。
後述する「まとめ」でも述べていますが、簿記2級はもはや楽勝の資格ではないことを、留意してください。そこそこ勉強しないと受からないです。
簿記試験では、高合格率の『救済試験』が、ときおり実施されます。
『救済試験』とは、言うなれば、「在庫処分」で、累積した不合格者を一掃している、ってな次第です。
直近では、第146(H29.6.11)試験が、「47.5%」で…、
そして、第140回(H27.6.14)試験が、「34.5%」と…、
高合格率の試験が行われました。
しかし、当該救済試験の「実施数」も、「合格率」も、下がり気味です。
合格率は、かつては、40~50%近い数字がありましたが、昨今では「30%前後」になっており、格段に厳しくなっています。
また、『救済試験』の“数”も、減っています。
かつては、おおむね『年に1回』は、合格率が40%~50%の試験がありましたが、例年では、2年に1回(つまり、試験6回に1回)くらいになっています。
簿記2級は、かつてのように、大盤振る舞いで合格者を出さなくなっています。
これまでは、のん気に勉強して、救済試験に拾ってもらう、という勉強が可能でしたが、現在では、当てはまらなくなっているので注意が必要です。
「簿記2級の独学」でも述べていますが、簿記2級は明らかに「勉強しないと、まぐれでも受からない試験」と化しています。
安易な受験、ずさんな計画は、ご法度です。
先の数字を見れば一目瞭然ですが、「合格率が10%台」になることも、珍しくなくなってきています。
とりわけ、この1~2年の試験は、「平均以下」の合格率が続いており、以前のような4割~5割が合格するようなことは、「もう、ない」と考えておいていいでしょう。
さて、とりわけ、注目すべきは、第141回と第142回の合格率です。
それぞれ「11.8%」と「14.8%」で、10%台が連続しています。
「簿記2級では、低い合格率は続かない」という定石を崩してしまいました。
かつては、「10%台」の低合格率の後は、大概、救済の意味もあって、「40~50%」と、高合格率となったのですが、もはや、“常にはそうならない”という、出題者の意図を感じます。
また、第144回(H28.11.20)は「13.4%」の合格率でしたが、前後に「20%台」の“やや高めの合格率”があることを踏まえると、「減ったら増やし、増えたら減らす」ような傾向が見受けられます。
簿記2級の合格率は、よくて「20%台」で、下手をすると「10%前後」に落ち着きそうです。
挫折率とは、申込者数のうち、「挫折して試験放棄した数の割合」です。
平均は「24.4%」。
申し込んだ4人に1人が受けていない、といった勘定です。
「挫折率」は、どの回もおおむね「20%前後」を推移しています。
簿記2級の放棄の理由は、商業簿記の難化もありますが、工業簿記・原価計算が間に合わない、ことが挙げられます。
簿記3級から2級に進む場合、どうしても、馴染みのある商業簿記に時間を割きがちで、どうしても工業簿記・原価計算が遅れがちです。
しかし、これは危険です。
商業簿記は大改定中であり、出題が予想できません。
対して、工業簿記・原価計算は、おおむね例年通りの出題になっていて、当該科目は、まだしも点数の取れる科目となっています。
よくわからないからといって、工業簿記・原価計算の『後回し』は、厳禁です。
商業簿記が当てにならない今、工業簿記・原価計算から制覇してもいいくらいです。
せっかく申し込んだが受けずじまいにならないよう、「工業簿記・原価計算」を優先して消化していきましょう。
2級の合格率のデータは、「簿記2級合格率‐PDFデータ」です。
さて、ざっくりまとめると、2級の合格率は「3割」と、かつてと比べて格段に下がっており、それに、さらなる低下も否定できません。
第146(H29.6.11)試験の合格率は、「47.5%」と、かなり高いですが、これは、弩級の論点「連結会計」が実施される直前の試験だったという、“特殊事情”が背景にあります。(市販教材はおおむね4月販売なので、6月試験に間に合わない。)
数字的には、簿記2級は、明らかに「低合格率化」が進んでいるので、「47.5%」という数字は、当てにしないほうがいいでしょう。配偶者なみに裏切られるはずです。
なお、挫折率は「2割前後」で、常に、試験を放棄している人がいます。
2級は、きちんと勉強しないと、まぐれでも受からない試験に、変貌しています。
安易な受験はお金の無駄。計画的に受験すべきです。
また、試験を放棄すると、「逃げ癖」がつくので、安易な受験も避けた方がよいでしょう。
勝つべくして勝つ。受かるべくして受かる状態になって受験してください。
なお、簿記2級の勉強方法については、「簿記2級の独学」、「第1問‐仕訳問題」、「第2問‐個別論点・伝票」、「第3問‐総合問題」などを参考ください。
また、使用教材の詳細は、「教材レビュー」で述べていますが、読むのがメンドクサイ人は…、
テキストは、商簿「合格テキスト 日商簿記2級 商業簿記」を、工簿「合格テキスト 日商簿記2級 工業簿記」を使います。
問題集はそれぞれ、「合格トレーニング 日商簿記2級 商業簿記」と「合格トレーニング 日商簿記2級 工業簿記」で問題演習します。
過去問は、「合格するための過去問題集 日商簿記2級」にします。
すべて定番中の定番なので支障はありません。
簿記2級に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「簿記2級:ブログ記事」をばご参考ください。
そのほか、「簿記のコツ-それは計算機」や「計算機打ち方例」なども役に立つかと思います。
さらに、「検算のコツ」も知っておくと、磐石でしょう。
また、簿記2級の求人数等を、「簿記2級独学資格ガイド」に挙げていますので、ご高覧をば。
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