簿記・経理系資格の優先順位

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 定番の求人数と安定度を誇る、簿記・経理系資格の優先順位です。

求人数 - 基礎データ

 資格の価値と優先順位の把握のために、各資格の求人数(ハローワーク)を挙げておきます。

 各資格の直近調査での求人数はおおむね…、

 簿記1級は「250件」、簿記2級は「1,600件」で、簿記3級は、「1,400件」、

 建設業経理士1級は「7件」で、建設業経理士2級は、「34件」、

 FP技能士1級は「2件」で、FP技能士2級は「10件」で、FP技能士3級は、「7件」です。

 優先順位はこれらの数字に尽きるのですが、「建設業経理士」は、経営審査事項の加点要素となる“特権”があるので、資格の価値は、FP技能士より高いです。

優先順位について-まずは簿記

 優先順位を端的に言うと、最優先は「簿記」で、次いで「建設業経理士」、最後の方に「FP技能士」です。

 「簿記」が最優先なのは、やはり、突出した知名度と求人数に尽きます。

 経理系や財務系の求人では、ほぼ間違いなく簿記が求められるので、よほどの職歴や実務経験がない限り、持っておくべきです。

 まあ正直、経験や能力があれば、簿記資格はまず取れますので、「資格を取る」は、「簿記」で鉄板です。

簿記2級か、簿記3級か

 正直、簿記3級だから、求人数が激減している、というわけではありません。

 先述したデータにありますように、簿記2級は1,600件で、簿記3級は1,400件と、言うほどの大差はありません。

 「独学資格ガイド:簿記2級」や「独学資格ガイド:簿記3級」でも述べているのですが…、

 将来的に、会計事務所等で働きたいとか、上級会計資格を習得したいというのであれば、簿記2級を取るべきです。

 しかし、“そうではない”という方は、無理して2級まで取らなくてよい、という次第です。

 個人的には、3級はバランスの取れたいい資格だと思います。3級にも相応の求人があるのですから、猫も杓子ものように、2級を取らなくてもいいという塩梅で、しかも、2級は少々メンドウなので、強い動機がないと途中で挫折するリスクもあります。

 とはいえ、簿記2級があれば、求人上の資格要件をほとんど満たせるので、2級までの取得を勧めています。ピッタシのいい求人があったのに、資格要件ではねられるのは、気分が悪いですから。

 参考:簿記3級の独学

 参考:簿記2級の独学

次点に、建設業経理士1級・2級

 「建設業経理士」も、言ってしまえば、簿記の資格の亜流です。

 しかし、「建設業経理士」には、他の資格にはない“特権”があります。それは、建設業経理士の有資格者は、公共事業の受注における経営審査事項の加点要素となる点です。

 一口で言えば、建設業経理士の1級か2級の資格を持っていると、『直接会社の評価となる』という塩梅です。

 建設業経理士の人数が、そっくりそのまま「会社のプラス」となるので、求人先によっては「必須」としている会社も見受けられます。

 蛇足ですが、建設業経理士の求人には、時折、官公署や公共事業体からの求人を見かけます。たとえば、地方の土木事務所や国土交通省の出先機関からの求人で、『履歴書の職歴に箔をつけやすい』ともいえます。

 まあ、求人動行如何で、今後も官公署的機関からの求人があるとはいえませんが、先の簿記と比較すれば、多いと実感しています。

 ところで、建設業経理士は、先の簿記2級や3級と比べて、求人数は少ないです。

 しかし、業種が、建築や建設、工事業に限定されるので、当然といえば当然となります。

 反対に、限定化される分、当該求人先での有資格者の位置は、他の簿記資格保有者と一線を画します。

 「建設業経理士」は、建設業等で、考課の一助になるのは間違いなく、就職や転職の幅を広げたいのなら、建築・建設・工事の業種にとても強くなる「建設業経理士」を取るべきです。

 なお、建設業経理士の2級は、簿記3級のステップアップとしては最適です。簿記2級の原価計算の“とてもいい練習”となるので、簿記3級以降の資格として推薦します。

 参考:建設業経理士2級の独学

FP技能士は、後回しでもいいし、アレでアレ

 正直、FP技能士は、後回しでいいです。

 求人数も多くなく、FP技能士を持っていると“強く”なる業種もなく、資格自体に知名度も“特権”もないという塩梅で、積極的に取る必要は、先の2資格に比べて、ありません。

 まあ、言うなれば、「取りやすい」のが最大の利点でしょうか。

 通勤や通学の電車の中で、十二分に試験対策が取れます。

 簿記的なことをしたくないな、というときに、挑戦するくらいでよいかと思います。

 ま、就職や転職にはアレですが、知識や教養の点では、いいものです。「お金」に関する知識や教養を身に付けたいのであれば、「FP技能士」に進めばよいでしょう。ちょっとしたものは身に付きます。

 参考:FP技能士3級の独学

 参考:FP技能士2級の独学

 参考:FP技能士1級の独学

優先順位まとめ

 筆頭は、簿記です。

 次に建設業経理士を、最後あたりに、FP技能士を見ていけばよいでしょう。

こまごましたもの

 簿記系の資格の勉強は、使う計算機によって大きく変わってしまいます。

 100円ショップで売ってるようなペラペラ電卓の人は、買い換えることを絶対推奨します。バカみたいに能率が上がります。

 計算機を選ぶ際は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」を参考にしてみてください。

 読んで考えるのがめんどくさい人は、「売れ筋の電卓は、結局なに?」で選べば支障はありません。

 電卓の使い方については、「簿記検定計算機打ち方例」を、自分の電卓が試験で使えるかどうかの当否は、「簿記の電卓」で確認ください。

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