通関士のテキスト・問題集・過去問レビュー

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 通関士の独学合格を目指すなら、総合的に“使い勝手のよい”ヒューマンアカデミーの教材を用います。テキストと過去問との相性がよく、試験勉強が効率よく進みます。他社製品と比べると、当該教材が頭1つ抜きん出ています。通関士は、ヒューマンアカデミーの一択でしょう。

独学向け教材

  

 結論から言うと、テキストは「通関士教科書 通関士完全攻略ガイド」で、過去問題集は「通関士教科書 通関士過去問題集」です。

 推薦の理由は…、

 ①定評出版社。過不足ない内容。良質。

 ②本番形式を踏襲した実戦志向の過去問。一問一答ではない。解説も穏当。

 ③テキストと過去問とで「セット」になっているので、教材間に齟齬がなく、効率が良い。

 …の3つの理由からです。

 以下、①②③の詳細を見て行きます。

①…テキストはこれくらい

 まず、理由の①ですが、正直言って、使えるテキストは、当該テキストくらいしかありません。

 当該テキストは、非常にブ厚いのですが、それは、全試験範囲を網羅しているからです。

 個人的には、抜粋要点型や分冊型のテキストを、使い勝手の悪さから好みません。というのも、「独学」だと、「調べてもわからない」ものに遭遇すると、往生するためです。

 先のタイプのテキストは、得てして、「テキストで、調べてみたが、載ってない」ことが多く、使い勝手は悪いです。この点、本テキストは、“極力、詰め込まれている”ので、安心して使えます。

 また、出版社は、長年、通関士の指導をしているところなので、この点でも、安心して使えます。

 さて、本テキストの「わかりやすさ」ですが、正直、わかりやすいとはいえません。中は、“条文の説明”で埋まっています。

 しかしながら、他社のテキストも似たり寄ったりの内容であり、本テキストだけが、「わかりやすさ」に劣るものではありません。

 そもそも、本試験の傾向からして、このような編集になるのです。本試験問題は、条文や関税・税関制度の知識が頭に入っていたら解ける問題なので、こうなるのも仕方がないな、と思います。

 とはいえ、当該テキストは、他社のと比べて、説明やワンポイントアドバイスも豊富なので、わかりにくさも、だいぶ緩和されています。

 わたしが往時、使用したテキストはLECでしたが、今、通関士を再受験するのであれば、“網羅性に富む”ヒューマンアカデミーのを使うでしょう。

 なお、「通関士の独学」でも述べていますが、最初は、あまりのわかりにくさ・とっつきにくさに、落ち込んでしまうかもしれません。

 しかし、本試験は、“知ってさえいれば解ける”や“憶えてさえいれば解ける”問題が多いため、本テキストと過去問を、「2~3回」繰り返しておけば、必ず、点が取れるようになります。

②…本試験形式

 先の過去問題集を勧めるのは、「一問一答ではない」からです。

 本試験の出題形式の「5択」で問題を解くので、選択肢を選別するいい練習となります。

 一問一答だと、「選択肢を絞る」という作業ができず、「実戦の力」が付きません。

 また、当該過去問題集は、択一式と選択式の両方の過去問演習ができます。分冊されていないので、コストを抑えることができます。

 通関業法や関税法等は、過去問からの出題が多いので、当該過去問題集を。『3回』も解いておけば、足切り点に引っかかることはありません。(通関実務については後述します。)

 まあ、通関士の教材は、あまり市販されていないので、他に有力な候補がないなら、当該過去問題集でいいでしょう。

③…テキストと過去問の相性がよい

 最後の③の「テキストと過去問とでセットになっている」ですが、ときおり、テキストはいいのだが、問題集がヘボのため、実力が付き難いものがあるのです。

 しかし、当該テキストと過去問とでは、同一出版社の同一シリーズのため、テキストと過去問との“連絡”がよく、試験勉強に大きな支障がありません。

 また、同じ出版社から、「通関実務」用の教材が出ているので、内容に齟齬が少なく、スムーズに通関実務の強化が図れます。

 こういった次第で、当該テキストと過去問とを推奨する次第です。

 他に「これ」といった教材が候補にないのなら、本テキストと過去問でいいでしょう。

 参考:テキスト‐通関士教科書 通関士完全攻略ガイド

 参考:過去問題集‐通関士教科書 通関士過去問題集

通関実務対策‐難しいでちょうどいい

   

 試験勉強の中盤からは、合否を決める「通関実務」の徹底対策を取らなくてはいけません。

 その際に使う教材は、以下の2つの教材を使います。

 「通関士教科書 「通関実務」集中対策問題集」と「通関士試験 ゼロからの申告書」です。

 本教材には、定番問題に加えて、いくぶん難しい問題や出そうにない素っ頓狂な問題が掲載されています。

 「必要がない」という人もいるのも事実ですが、わたしは、「難しいでちょうどいい」のが「通関実務」と考えています。

 “本試験よりチョイ難し目”の問題をたくさん解いておくと、実力そのものの補強のみならず、メンタルの鍛えられ方が違うのが理由です。

 本試験で難問や奇問、珍問の類が出題されても、気が動転しない→計算ミスが起きない・ケアレスミスが起きないという次第で、目に見えないところで、合格率が格段にアップします。

 通関実務は1点ですら落とせないキツイ科目です。本試験に強くなるためにも、徹底的にトレーニングのできる当該2冊を推薦します。

 なお、「ゼロからの申告書」は、例年5月中旬以降に新しい版が発売されます。最新の傾向が反映される新版を買ってください。

 対して、「通関実務 集中対策問題集」は、本ページを書いているときは、最も新しい版が「2版」となっています。

 言うまでもないですが、できるだけ、新しい版のを使用してください。

 蛇足ながら、「通関士の独学」でも述べているように、通関士試験とは、「通関実務・通関実務・通関実務」であり、昔も今も、通関実務で合否が分かれます。わたしも通関実務の申告書問題で落ちました。

 通関実務は、問題演習の『量』で、合否が決まります。

 本教材は安くはありませんが、落ちてもう1年、通関士のような「暗記主体」の勉強をするのは、精神的に凄くしんどいです。教材への出費を惜しんではいけません。問題演習の機会を狭めてはいけません。

 わたしはいろいろ資格を取っていますが、「○○資格をもう一度受けてみろ!」と言われても、まあなんとか通る自信はあります。

 しかし、「通関士」だけは、もう2度と、受けたくない試験です。2回目の受験のときは、“絶対落ちたくない、二度と勉強したくない”思いから、手が震えたことを今でも思い出します。

 1回で済むよう万全を期すべきだと、不合格者は、ここに経験談を述べ置きます。

 通関実務副読本:通関実務 集中対策問題集

 通関実務専門問題集:通関士試験 ゼロからの申告書

電卓買った?

 能率はお金で買えます。

 一口に言うと、高品質の電卓だと、申告書問題や計算問題の能率が、必ず上がります。

 100円ショップで売ってるペラペラ電卓やカード電卓だと、桁の大きな計算だとキーが打ち難くて計算ミスをしやすく、液晶が小さいため誤読のリスクも高く、踏んだり蹴ったり平手打ちです。

 一番左がペラペラ電卓で、真ん中と右端が高品質電卓です。

 ペラペラ計算機

 一目で、液晶とキーの『大差』がご理解いただけるかと思います。受験を期に、いい電卓に買い換えるよう、強く助言します。

 いい電卓は、「電卓持ち込み可能試験」では、効率化の絶対条件です。

 通関士のみならず、簿記やFP技能士などの試験でも、めざましい活躍をしますし、私生活でも凄く便利で、ペラペラ計算機には絶対に戻れません。

 電卓を選ぶ基準は「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」で述べてます。が、読んだり考えたりするのがメンドウな人は、「売れ筋の電卓は、結局なに?」で選べば、受験の電卓基準も満たしているので、間違いありません。

 ま、読むのが面倒なら、わたしが愛用している「DF-120GT」を使えば、支障ないでしょう。簿記等でも使えるし、日常でも凄く使えます。

まとめと雑感

 教材事情は、数そのものが少ないのが実情です。T社のは低品質でダメ、N社は冊数が多くコストがかかるのでパス、L社は教材そのものを出すかどうか不明で、これまたスルーとなります。

 テキストと過去問との相性がよく、難所の通関実務専属の問題集もありと、総合的にまとまっている点から、ヒューマンアカデミーの教材を推薦する次第です。

 さて、買い方について、一言述べておきます。

 最初に買うのは、「通関士完全攻略ガイド」と「通関士過去問題集」だけでいいです。

 当該2冊は姉妹編なので、テキストによるインプットと、過去問題集によるアウトプットが効率的にできます。

 序盤は当該教材で勉強していけばいいでしょう。

 基礎的な力がついた中盤以降、「ゼロからの申告書」と「通関実務 集中対策問題集」を追加購入し、通関実務のトレーニングを本格化していけば、“そつ”なく“無理なく”実力を伸ばしていけるでしょう。

 通関士試験は、問題演習の量で、合否が決まります。

 余裕があれば、専門学校の模試を受けてください。また、模試問題集や予想問題集が販売されていたら、それらで問題演習の量を稼いでください。(LECあたりが出してくれたらいいのですが。)

 目ぼしいものがあれば、また、ここでレビューをアップします。

通関士のこまごましたもの

 通関士に関するこまごましたことは、「通関士:ブログ記事」をばご参考ください。

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