複利計算を、計算機(電卓)上で計算する際の入力手順を説明します。使う計算機の機能は「定数乗算(累乗計算/べき計算)」で、使うキーは「M+」と「MR」です。
複利計算とは、一定の期間ごとに利息を元金に組み入れて、当該金額を次期の元本とする計算方法です。
先の単利計算との違いは、次期に組み入れられる「利息部分」にも、「利率」が掛けられて、「利息が付く」点です。
有体に言えば、「利息が利息を生む」計算、それが『複利計算』です。
複利計算は、貸し手の場合は天国ですが、借り手となった場合は地獄です。
現代で「魔法」があるとすれば、それはまさに『複利』でしょう。
このページでは、複利で運用したときの「最終額の計算」と、「複利運用時の必要元金の計算」を見ていきます。
なお、複利で運用したときの「最終額の計算」には、計算機(電卓)の「定数乗算(累乗計算/べき計算)」を用います。
一方の、「複利運用時の必要元金の計算」では、「定数乗算(累乗計算/べき計算)」と「M+」と「MR」を利用します。
「最終額」というのは、そのままの言い方ですが、複利で運用した際の最終額をいいます。
例です。100万円の現金があって、年利3%複利の金融商品があるとして、3年間、複利で運用したとします。
計算機の入力例は、以下の通りです。シャープの計算機とカシオのとでは、入力が違ってくるので分けて見ていきます。
シャープの場合、「1+.03」と入力し、「*」を押します。
そして、「=」「=」と入力します。すると、「1.03」を「3乗」した値「1.092727」が液晶に表示されます。
後は、その数字に、元金の「1,000,000」をかけて、最終的な運用額を算出します。
「=」を押せば、計算機の液晶には「1,092,727」が表示されます。
カシオの場合、「1+.03」と入力した後で、「*」「*」という風に、掛けるキーを2回入力します。当該操作で、定数乗算モードになりました。
カシオの計算機(電卓)の場合、定数乗算モードになると「K」が液晶に表示されます。
次に、「=」「=」と2回押せば、「1.03」を「3乗」した値「1.092727」が液晶に表示されます。
後は、その数字に、元金の「1,000,000」をかけて、最終的な運用額を算出します。
先の例で言うと、「100万円」を「3%」で「3年間」複利運用できれば、「1,092,727円」になっている、という塩梅です。
単利だと「1,090,000円」にしかなりませんが、複利だと「1,092,727円」で、「2,727円」だけ成績がよいわけですね。
これが、「たったそれだけ」じゃないんです。10年運用だと、「1.34916…」となり、「100万円」をかければ、「1,343,916.3…」となります。単利10年運用は「1,270,000」。差額はなんと7万近くに開いています。
金一封・寸志くらいのお金が「生まれた」わけです。
単利と複利では、『何にもせず』にかなりの運用差が生まれることを、「肝」に銘じておくべきかと思います。
逆を言うと、複利で借金をすると、単利より「キッツイ」ということです。
例です。今、子どもが6歳で、12年後の18歳の時に、学費兼生活費として「800万円」を用意しておきたい場合、年3%の複利運用ができるとするなら、今、いくら元金があればよいか、を求めます。
6歳から18歳までなので、運用期間は「12年」となります。
計算機の入力例は、シャープの計算機とカシオのとでは、先と同じく、入力が違ってきます。
シャープの場合、「1+.03」と入力し、「*」を押します。
そして、「=」「=」「=」「=」「=」「=」「=」「=」「=」「=」「=」と、11回、イコールキーを押します。
すると、「1.03」を「12乗」した値「1.42576…」が液晶に表示されます。
「=」を押すときは、頭の中で「2乗目、3乗目、4乗目…」と数えていくと、混乱しません。
次に、計算結果を「M+」を押して、計算機内部のメモリ部分に保存します。
あとは、元金の「8,000,000」を入力して、「÷」「RM」とキーを押せば、「5,611,039.041…」と液晶に表示されます。
こういうとややこしいですが、最初の「1.03」が「1乗目」に当たるので、12乗するには残り「11乗」というわけで、「=」も11回押す、という寸法です。
カシオの場合は、「1+.03」と入力した後で、「*」「*」と掛けるキーを2回入力します。
当該操作で、定数乗算モードになりました。
後は、「=」「=」「=」「=」「=」「=」「=」「=」「=」「=」と10回押して、その次に「M+」を押せば、「1.03」を「12乗」した値「1.42576…」が表示されます。
わたしのカシオ計算機(DF-120GT)の場合、「M+」キーには、「=」の機能が含まれており、12乗目の計算を当該「M+」のイコールで算出するわけです。
だから、「=」は10回でよい、という塩梅です。ややこしいですが、そうなっているので仕方ないです。
あとは、元金の「8,000,000」を入力して、「÷」「MR」とキーを押せば、「5,611,039.041…」と液晶に表示されます。
現時点で、「5,611,039円」準備して、3%で12年間、複利で運用すれば、目標額「800万円」ができている、という塩梅です。
エクセルで複利計算をしようとすると、結構めんどうな計算式を入力しないといけないのですが、計算機(電卓)で導く方が、手軽で楽です。
当該複利計算は、よくよく使うことになるので、ぜひとも、憶えましょう。損は全くないと思います。特に、資産運用を考えている人は、手軽かつ強力な武器になると思います。
なお、計算機(電卓)のキー入力事情は、同メーカーであっても、機種やシリーズタイプによって、何気に違ってくるので、各自でお確かめください。
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