家用の計算機でも、簿記の正確な知識を有して、仕訳の正しい処理ができて、それを解答できれば、簿記2級に合格できる。しかし、ズンドコ計算機では、試験勉強にかなりの負担がかかるのも事実である。
端的に言うと、計算機(電卓)云々を知らずとも、簿記2級に合格できます。しかし、計算機の諸機能と、その打ち方を知っていると、掛け値なしで解答がラクチンになります。
とりわけ、計算過程の改善の度合いたるや、言うに尽くせません。
格段にキー操作・キー入力が減って、また、メモ書きなどの付随作業も減るので、計算ミスの発生は、かなり少なくなります。
「無駄なことを減らせばミスも減る」ってな塩梅で、その分、計算ミス由来の失点がなくなっていくので、総合得点も高くなるって寸法です。
しかし、わたしは、簿記2級レベルなら、多少打ち方がへたっぴでも打つのが遅くても構わないと思います。
合格する上で重要なのは、速く打てる以上に、正しく計算しているかの方に、合格の比重がかかっているように考えます。
というのも、わたし自身が、家計簿用の小さな計算機で、打ち方のみならず諸機能すら疎いままで、簿記2級に合格してしまったからです。
当時は普通に、何の疑問もなく、右手で、計算のたびにペンを置き、人差し指でポチポチとボタンを押していました。
わたしが受験当時使った計算機(電卓)は、母の家計簿で使われていた「AURORA?」とかいうノーブランドの計算機でした。
下の写真の電卓は、簿記2級を受けに入ったときの電卓です。
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「電卓ある?」と聞いて、「ハイ、コレ使い」と渡されたものがそれです。
この計算機、8桁しかなく、桁の大きな問題が出題されると、計算の手間が倍になりました。頭の中で桁調整の計算をしなくてはならなかったのです。
そして、家庭用のためか個々の数字のキーが実に小さく、キーの間隔も狭いため、「1」を押したと思ったら、同時に「2」や「4」も押してしまって、むかっとすること多々。訂正のキーもなく、一度打ち間違えると、最初からやり直し。
加えて、「0」のキーしかなく(つまり、大きな計算機には当たり前の様に付いている「00」がなかった)、「100万」を打つのに「ゼロ」を「6回」も打たねばならず、当然、押し過ぎ・押し損ない由来の計算ミスが雨霰でありました。
当時は本当に計算に苦労して、常にイライラしていました。
今でも思うのですが、(よくこんな計算機を使っていて受かったなあー)と思うことしきりです。
これをお読みの大半の方は、計算機(電卓)をお持ちだと思いますが、もし、お使いの計算機(電卓)が、わたしのような経緯で、ほとんど何も考えないで、無造作に計算機を選んだのなら、今度の休みの日に電器屋に飛んでいって、あれこれと電卓を物色することをオススメします。おそらく、あなたのお使いの電卓は、家用の小型のものでしょう。
計算機(電卓)には、目的や用途、大きさや厚さに応じた、たくさんの種類があります。
簿記の試験勉強が何ともうまく進まない、なんて人は、もしかしたら、わたしのように小さくて、機能が限定された計算機を使っているかもです。
道具で変えただけで大幅に減る手間が実際にあります。
無知とは恐ろしいもので、当時、わたしが簿記2級を受けに入って、一番驚いたのは、他の受験生の電卓の大きさです。
皆が皆、弁当箱サイズの電卓を使っており、中には、コンクリートブロックのような、モーゼの石版のような大きさと分厚さをした電卓を使っている人もいました。まあ、その打つのが早いこと。
これらの光景を目にして、(こういう計算機があったのか~)という小学生の社会見学風の感想を持つとともに、8桁の小さい計算機で悪戦苦闘をしていた己を(俺ってアホちゃう)と思ったのでした。
一言で言えば、『場違い』でした。
わたしの当時の計算機(電卓)事情は、上記のようなものでした。
「計算機に種類がある」ってことすら知らない人ですから、計算機の諸機能に意識が向くはずもありません。
ほいでまあ、「GT」や「M+」の意味の存在すら知らずに受験したわけです。
さて、話が戻るのですが、こんな風に「計算機」に関してトンと無知でも、簿記の正確な知識と、仕訳の正しい処理さえ習得しておれば、計算機が家庭用で計算機の諸機能に無知でも、2級には合格できる、という次第です。
わたしは、合格をした後から計算機のブラインドタッチに努めたり、計算機の諸機能を勉強した口でして、言うなれば、計算機云々は、合格に絶対的に必要なものではない、ということを実地でアレしたわけです。
簿記の合格に必要なのは、先に言った、「簿記の正確な知識と仕訳の正しい処理」です。どぎつく言えば、「個々の問題の解法とパターンの習得」が合格の絶対条件、って寸法です。
対して、計算機の打ち方や諸機能云々は、必要があれば知っておけばいい、と言ってよいように思います。試験では、全ての計算が合わなくても合格できるわけで、言ってしまえば、「点数になるところの計算さえ“正確”にできていればよい」のです。それだけなら、右手人差し指でも計算できます。
計算機や電卓は、必要十分条件であって、「知っていたら」凄く有利にはなりますが、決定的なものではなく、この辺りの実情を酌んでおくべきでしょう。
ですから、本試験まで日がないのなら、計算機云々は気にはせず、過去問の繰り返し演習をすべきだ、という次第です。
正直、試験の難易度が上がるにつれて、計算機(電卓)云々の比重は少なくなっていくように思います。
合格後に、8桁のミニ計算機から12桁の大きな計算機に変えたのですが、まあ、その使い勝手のよさといったら表現ができません。
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ボタンが大きくて打ちやすく、表示板が大きいので見やすく、何といっても「00」キー(百)があるので、桁の大きな計算もラクチンで仕方がありません。
(あーこういう大きい計算機なら、打ち間違いも少なかったろうなー)と思いましたよ、ホント。
もう、いないとは思いますが、家用の小型計算機で試験勉強をしている方は、これを読んだらすぐに近くの電器屋なり大型量販店に行って、電卓を物色しましょう。
簿記検定の試験勉強は、計算機によって「天と地」ほどの差が生じるので、ぜひとも、大きな電卓を買ってくることを推奨します。
(お金がもったいない)と考えてしまう人もいるかと思います。(だってあるんだもん)てな感じです。
しかし、経験者は言うのですが、いいものは「いい」です。
いい計算機は、簿記以外の資格試験でも、十全にその威力を発揮しますし、日常生活でも大いに役立ちます。
わたしは、世に家計簿や出納帳をつけない人がいるのは、計算機がちんちくりんだからだと確信しています。わたし自身、大きな計算機を使い出してから、ずっと現金出納帳を付けています。ここまで付け続けられたので、今後ずっと付けるでしょう。便利なものを使うから続くのですよ。
便利な道具を使うから、「続けられる」という面もあるので、「たかだか計算機じゃん」という蒙昧・固陋の考えは捨てて、新しく計算機に接してみてください。
一言、びっくりするかと思います!
合格後、計算機の取扱説明書を熟読したところ、実に多くの機能が、計算機にはあることを知りました。
次ページ以降にも述べていますが、まず、圧倒的だったのは、「GT(グランドトータル)」。そして、「M(メモリ)」でした。
往時の試験会場の情景を思い出して、(みんな、こんな風にして計算をしていたのかー)と、往時を反芻したものでした。
計算機(電卓)の2~3の機能に習熟するだけで、計算の過程が「いい方」に劇的に変わります。
そらあなた、キーを30回打たないと計算結果が得られないのと、10回強で得られるとでは、計算ミスの発生率は全然違ってきますよ。計算結果を余白にメモする回数も減るよ。
簿記向けの計算機は、2000~3000円もあれば買えます。簿記検定試験には不釣合いの計算機を使って落ちて、受験料が数倍かさむことに比べたら、「屁」みたいなものです。
何より、試験勉強のストレス、計算ミスからくる不正解の脱力感、怒り、むかつきが少なくなると思えば、大きな新しく計算機を買うのは、何とも費用対効果の高い支出であるかと思います。基本、10年以上使えるから、計算機代など微々たるものかと思います。
世の中には、「12桁」もある大きな計算機もある。ゆめ、手帳サイズ・手の平サイズの計算機で簿記を受けるなかれ。
大きい計算機の方が打ちやすく、計算ミスが少ない。
合格するには、簿記の正確な知識と仕訳の処理が必須である。
計算機が上手なだけでは、試験に受からない。間違った処理で誰よりも速く計算しても笑われるだけである。
しかし、計算機の諸機能に精通していると、比較を絶して、計算が楽になる。
主に、目の前のテキストや問題集、過去問をしっかりやりつつ、暇を見ては、計算機の使い方に慣れていくというのが、「そつがない」簿記の勉強の進め方のように結論付ける次第です。
これまでは、シャープの計算機を愛用していたのですが、ふと思い立って、カシオの計算機を新たに購入しました。
新しく買った計算機は「df-120gt」で、近所の電器屋で2,500円ほどしました。
アマゾンでも売っていたのですが、手で用いる「道具」というのは、必ず見て買わないと下手を打つので、実際に手にとって買いました。
機能に多少は劣るけれども、手ごろの値段の「DW-20A-N」と悩んだのですが、ルートや時間計算のできる「df-120gt」にしました。
計算機というのは、いったん買うとよほどの理由がない限り、3年5年10年は使います。ですから、値段は度外視で見ても全然問題はないかと思います。使っていたシャープは、今となってはいくらで買ったのかすら、憶えてないです。
さて、計算機の買い替え時の注意があるのですが、キー配置は丁寧に見ておきましょう。
有体に言えば、かつて使っていた計算機と同じキー配列が理想的です。
しかし、瓜二つともいかないでしょうから、支障がない「差」には目をつぶって、できるだけ「同じようなキー配列」をしている計算機を、買い替えの際は選びましょう。
でないと、慣れ親しんだ動きが無意識的に表に出て、暫くの間、「アレレ」という事態に陥ります。
わたしの場合、絶対的に譲れなかったのが、「00」キーの場所です。
計算機のキー配列をよーく見ると、微妙に違っているのです。
「0」の右に「00」が来ている計算機もあれば、左側に付いている計算機もあります。
「00」は、シャープの計算機で慣れきってしまっていたので、「00」は「0」の右についているものを、格別に注意を払って選んだという次第です。
その他のキーの違いは、「慣れたら何とかなるな」と思ったので、適当に見ていきました。
計算機選びのページでも申しましたが、新規購入時と同様に、買い替えの際も計算機は必ず実物を手にして決めましょう。
実物を手にして、あーだこーだ見ているうちに、(あれ、ここが違う)という相違点が見えてくるはずです。
具体的に言うと、キーの大きさとか、キーとキーの間隔とか、数字キーの配置・メモリキーの位置とか、何気に違いを発見するように思います。
異なる計算機なのですから「違う」のが当然ですが、それでも、当該“相違”の感覚の少ないものを選べば、うまいこと、逆を言えば、支障の少ない買い替えになるように思います。
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