第7問は、論点「債務弁済」の問題です。受領権限,善意無過失,同時履行の抗弁権といった論点が登場します。選択肢のすべては、基本的なものばかりなので、難しくはないです。ただ、選択肢の構成が嫌らしいので、点が取れないかもしれません。できる選択肢に尽力して、後は天に任せましょう。
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注意喚起です。
本ページは、当時の公式過去問に、当時の解説を付与したものです。
「民法改正」には、対応していません。
改正後は、解説・解答が変わる問題もあるので、傾向把握の一環として、ご活用ください。
本問のレベルは「やや難」です。
本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。
実質的に同じことを問う選択肢が2つあり、混乱してしまう問題です。
問題自体は難しくないのですが、なかなか、正解できないと思います。
できる選択肢に尽力して、解答してください。
あと、こういう出題もあるので、傾向把握の一環としてください。
選択肢1の「Bが、本件代金債務につき受領権限のないCに対して弁済した場合、Cに受領権限がないことを知らないことにつきBに過失があれば、Cが受領した代金をAに引き渡したとしても、Bの弁済は有効にならない。」ですが、誤った記述です。
「C」は受領権限がありませんが、受け取った代金を「A」に支払っています。
この場合、「A」が受けた利益の分だけ、債務が弁済されたことになります。
参考:第四百七十九条(受領する権限のない者に対する弁済)
『弁済を受領する権限を有しない者に対してした弁済は、債権者がこれによって利益を受けた限度においてのみ、その効力を有する。
よって、選択肢は、「誤」となります。
選択肢2の「Bが、Aの代理人と称するDに対して本件代金債務を弁済した場合、Dに受領権限がないことにつきBが善意かつ無過失であれは、Bの弁済は有効となる。」ですが、正しい記述です。
「D」は、いわゆる「債権の準占有者」に該当します。
Bは善意無過失なので、「D」への弁済は、有効な弁済となります。
参考:第四百七十八条(債権の準占有者に対する弁済)
『債権の準占有者に対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する。』
よって、選択肢は、「正」となります。
選択肢3の「Bが、Aの相続人と称するEに対して本件代金債務を弁済した場合、Eに受領権限がないことにつきBが善意かつ無過失であれは、Bの弁済は有効となる。」ですが、正しい記述です。
選択肢2と同じで、本問の「E」も、「債権の準占有者」となります。
Bは善意無過失なので、「E」への弁済は、有効な弁済となります。
参考:第四百七十八条(債権の準占有者に対する弁済)
『債権の準占有者に対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する。』
よって、選択肢は、「正」となります。
選択肢4の「Bは、本件代金債務の履行期が過ぎた場合であっても、特段の事情がない限り、甲建物の引渡しに係る履行の提供を受けていないことを理由として、Aに対して代金の支払を拒むことができる。」ですが、正しい記述です。
選択肢のケースでは、いわゆる「同時履行の抗弁権」が成立します。
第五百三十三条(同時履行の抗弁)
『双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。』
よって、選択肢は、「正」となります。
「1」は「誤」です。
「2」は「正」です。
「3」は「正」です。
「4」は「正」です。
本問は、「誤っているものはどれか?」ですので…
正解:1
…と相なります。
当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。
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