4問‐R1の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第4問は、「不法行為」を問う問題です。損益相殺,差し止め請求などが出題されています。判例の選択肢もありますが、常識的に考えていけば、判別できる選択肢も多いです。落ち着いて、解答してください。まったく問題なく、取れる問題です。

4問‐不法行為

 

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難易度・優先順位ひとこと

 注意喚起です。

 本ページは、当時の公式過去問に、当時の解説を付与したものです。

 「民法改正」には、対応していません。

 改正後は、解説・解答が変わる問題もあるので、傾向把握の一環として、ご活用ください。

 本問のレベルは「ふつう」です。

 本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。

解説

 別段、複雑な指示はないので、ふつうに選択肢の1つ1つを解けばいいです。

 なお、本問には、類似問題があるので、後述する「参考リンク」を活用ください。

選択肢1

 選択肢1の「放火によって家屋が滅失し、火災保険契約の被保険者である家屋所有者が当該保険契約に基づく保険金請求権を取得した場合、当該家屋所有者は、加害者に対する損害賠償請求金額からこの保険金額を、いわゆる損益相殺として控除しなければならない。」ですが、正しい記述です。

 損害賠償請求権と、火災保険金とは、別個のものです。両者は、まったく関係がありません。

 よって、選択肢のいうような「損益相殺として控除しなければならない」ことは、ありません。

 まあ、想像すれば、即解です。

 放火魔があなたの家を焼いたとします。

 当然、あなたは、放火魔に損害賠償を請求します。

 そのとき、放火魔が、配偶者のようにぬけぬけと、「あんた、火災保険下りるんでしょ。その分、払わないから」といったら、怒髪天もので、あまりに理不尽です。

 こういう推測からも、選択肢が誤りだと、判別できます。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

選択肢2

 選択肢2の「被害者は、不法行為によって損害を受けると同時に、同一の原因によって損害と同質性のある利益を既に受けた場合でも、その額を加害者の賠償すべき損害額から控除されることはない。」ですが、誤った記述です。

 選択肢のいうように、「同一の原因によって損害と同質性のある利益を既に受けた場合」は、公平性の観点から、加害者の賠償すべき損害額から控除されることがあります。

 判例なので、このようなものとして、押えておきましょう。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

選択肢3

 選択肢3の「第三者が債務者を教唆して、その債務の全部又は一部の履行を不能にさせたとしても、当該第三者が当該債務の債権者に対して、不法行為責任を負うことはない。」ですが、誤った記述です。

 教唆とは、「犯罪を行おうと思うように他人にし向けること」です。

 んなもんで、教唆した者は、明らかに、不法行為の一翼を担っています。

 よって、不法行為責任を負います。

 まあ、常識的に考えて、判別できると思います。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

選択肢4

 選択肢4の「名誉を違法に侵害された者は、損害賠償又は名誉回復のための処分を求めることができるほか、人格権としての名誉権に基づき、加害者に対し侵害行為の差止めを求めることができる。」ですが、正しい記述です。

 「損害賠償又は名誉回復のための処分を求める」ことができるのですから、その一環として、「人格権としての名誉権に基づき、加害者に対し侵害行為の差止めを求めること」ができて、然るべきです。

 まあ、判例なので、このようなものとして、押えておきましょう。

 よって、選択肢は、「正」となります。

答え

 「1」は「誤」です。

 「2」は「誤」です。

 「3」は「誤」です。

 「4」は「正」です。

 本問は、「正しいものはどれか?」ですので…

 正解:4

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


参考リンク

 当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。

 当該年度の「権利関係」だけ、問題演習をしたい人は、「R1 権利関係一覧リスト」を、ご利用ください。

独学向け教材

 宅建の独学向け教材には、「2系統」あります。

 はじめて法律を学ぶ方は「宅建(初学者向け)」を、参考にしてください。

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