9問‐R2-10月の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第9問は、「契約各論」の問題です。基礎・基本的なものばかりなので、難しいところはありません。テキストと過去問を繰り返しておけば、まず、取れます。

9問‐契約各論

 

 (クリックして拡大。)

難易度・優先順位ひとこと

 本問のレベルは「ふつう」です。

 本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。

解説

 ケース①は、通常の「売買契約」です。

 ケース②は、「負担付き贈与契約」です。

 特に、難しい設定ではないですが、チェックだけしておきましょう。

選択肢1

 選択肢1の「①の契約において、Bが手付を交付し、履行期の到来後に代金支払の準備をしてAに履行の催告をした場合、Aは、手付の倍額を現実に提供して契約の解除をすることができる。」ですが、誤った記述です。

 手付による解除は、「相手方が履行に着手する前まで」可能です。

 本問では、「履行期の到来後に代金支払の準備をして」とあり、明らかに、履行に着手しているので、手付放棄による契約解除はできません。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

 なお、後半の「売主の手付“倍”返し」は、正しいです。

選択肢2

 選択肢2の「②の契約が書面によらずになされた場合、Aは、甲建物の引渡し及び所有権移転登記の両方が終わるまでは、書面によらないことを理由に契約の解除をすることができる。」ですが、誤った記述です。

 書面によらない贈与は、取り消す事ができます。

 しかし、履行が終了した部分については、解除できません。

 さて、選択肢ですが、不動産の贈与の場合、引渡しか、移転登記かのどちらかがあれば、履行が終了されたとされ、よって、解除ができなくなります。

 選択肢では、「引渡し“及び”所有権移転登記の両方が終わるまで」となっており、ここが誤りです。

 両方が必要ではないです。

 引渡しか移転登記のどちらかがあれば、履行があったとされ、解除不可となります。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

選択肢3

 選択肢3の「②の契約については、Aは、その負担の限度において、売主と同じく担保責任を負う。」ですが、正しい記述です。

 「第五百五十一条」の「贈与者の引渡義務等」には…、

 『贈与者は、贈与の目的である物又は権利を、贈与の目的として特定した時の状態で引き渡し、又は移転することを約したものと推定する。』

 『2 負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保の責任を負う

 …とあります。

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢4

 選択肢4の「①の契約については、Bの債務不履行を理由としてAに解除権が発生する場合があるが、②の契約については、Bの負担の不履行を理由としてAに解除権が発生することはない。」ですが、誤った記述です。

 ①のケースは、通常の売買契約なので、債務不履行による契約解除があります。

 ②の負担付き贈与ですが、負担の不履行は、債務不履行に当たり、契約の解除ができます。

 まあ、たとえば、○○してもらうために、なんらかの財産を贈与したのに、その○○を履行しないなら、なんらかのペナルティは、当然と言えます。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

答え

 「1」は「誤」です。

 「2」は「誤」です。

 「3」は「正」です。

 「4」は「誤」です。

 本問は、「正しいものはどれか?」ですので…

 正解:3

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


参考リンク

 当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。

独学向け教材

 宅建の独学向け教材には、「2系統」あります。

 はじめて法律を学ぶ方は「宅建(初学者向け)」を、参考にしてください。

 んで、法学部卒等で、ある程度の素養のある人は、「宅建(経験者向け)」を、参考にしてください。

PDF過去問に一言

 

 PDFの閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 PDF過去問の演習には、「タブレット」が最も勝手がよくて、ストレスも少ないです。

 手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。

 他のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDF過去問の閲覧も可能で、費用対効果が秀逸です。

 受験が終わっても、他の試験で使え、サブ機としても使えます。受験を機に「Fire HD」を検討するのは、損はないです。

宅建のこまごましたもの

 試験勉強については、「宅地建物取引士(宅建)の独学」を、参考にしてください。

 「宅建」という資格を、より知りたい方は、「資格ガイド Sランク資格:宅地建物取引士」を、一読願います。

 ブログに試験勉強に関する記事を投稿しています。興味のある方は、「宅建タグの投稿記事」を、お目汚しください。

みんなとシェアする