第9問は、「契約各論」の問題です。基礎・基本的なものばかりなので、難しいところはありません。テキストと過去問を繰り返しておけば、まず、取れます。
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本問のレベルは「ふつう」です。
本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。
ケース①は、通常の「売買契約」です。
ケース②は、「負担付き贈与契約」です。
特に、難しい設定ではないですが、チェックだけしておきましょう。
選択肢1の「①の契約において、Bが手付を交付し、履行期の到来後に代金支払の準備をしてAに履行の催告をした場合、Aは、手付の倍額を現実に提供して契約の解除をすることができる。」ですが、誤った記述です。
手付による解除は、「相手方が履行に着手する前まで」可能です。
本問では、「履行期の到来後に代金支払の準備をして」とあり、明らかに、履行に着手しているので、手付放棄による契約解除はできません。
よって、選択肢は、「誤」となります。
なお、後半の「売主の手付“倍”返し」は、正しいです。
選択肢2の「②の契約が書面によらずになされた場合、Aは、甲建物の引渡し及び所有権移転登記の両方が終わるまでは、書面によらないことを理由に契約の解除をすることができる。」ですが、誤った記述です。
書面によらない贈与は、取り消す事ができます。
しかし、履行が終了した部分については、解除できません。
さて、選択肢ですが、不動産の贈与の場合、引渡しか、移転登記かのどちらかがあれば、履行が終了されたとされ、よって、解除ができなくなります。
選択肢では、「引渡し“及び”所有権移転登記の両方が終わるまで」となっており、ここが誤りです。
両方が必要ではないです。
引渡しか移転登記のどちらかがあれば、履行があったとされ、解除不可となります。
よって、選択肢は、「誤」となります。
選択肢3の「②の契約については、Aは、その負担の限度において、売主と同じく担保責任を負う。」ですが、正しい記述です。
「第五百五十一条」の「贈与者の引渡義務等」には…、
『贈与者は、贈与の目的である物又は権利を、贈与の目的として特定した時の状態で引き渡し、又は移転することを約したものと推定する。』
『2 負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保の責任を負う』
…とあります。
よって、選択肢は、「正」となります。
選択肢4の「①の契約については、Bの債務不履行を理由としてAに解除権が発生する場合があるが、②の契約については、Bの負担の不履行を理由としてAに解除権が発生することはない。」ですが、誤った記述です。
①のケースは、通常の売買契約なので、債務不履行による契約解除があります。
②の負担付き贈与ですが、負担の不履行は、債務不履行に当たり、契約の解除ができます。
まあ、たとえば、○○してもらうために、なんらかの財産を贈与したのに、その○○を履行しないなら、なんらかのペナルティは、当然と言えます。
よって、選択肢は、「誤」となります。
「1」は「誤」です。
「2」は「誤」です。
「3」は「正」です。
「4」は「誤」です。
本問は、「正しいものはどれか?」ですので…
正解:3
…と相なります。
当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。
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