20問‐R2-10月の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第20問は、「土地区画整理法」の問題です。小難しい選択肢が多く、確答は厳しいです。ただ、取れる選択肢・判断できる選択肢もあるので、ギリギリまで選択肢を絞って解答してください。

20問‐土地区画整理法

 

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難易度・優先順位ひとこと

 本問のレベルは「やや難」です。

 本問の答えは、「こちら(数字のみ)」です。

解説

 別段、複雑な指示はないので、ふつうに選択肢の1つ1つを解けばいいです。

 なお、本問には、類似問題があるので、後述する「参考リンク」を活用ください。

選択肢1

 選択肢1の「組合の設立認可を申請しようとする者は、施行地区となるべき区域内の宅地について借地権を有するすべての者の3分の2以上の同意を得なければならないが、未登記の借地権を有する者の同意を得る必要はない。」ですが、誤った記述です。

 「土地区画整理法」の「第十九条」の「借地権の申告」の第三項には…、

 『3 前項の規定により公告された施行地区となるべき区域内の宅地について未登記の借地権を有する者は、前項の公告があつた日から一月以内に当該市町村長に対し、その借地権の目的となつている宅地の所有者と連署し、又はその借地権を証する書面を添えて、国土交通省令で定めるところにより、書面をもつてその借地権の種類及び内容を申告しなければならない。

 『4 未登記の借地権で前項の規定による申告のないものは、前項の申告の期間を経過した後は、前条の規定の適用については、存しないものとみなす』

 …とあります。

 先の条文の「届出」があった場合、正当?な借地権者となりますから、同意が必要となります。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

 まあ、「未登記なら、同意が要らない」は、少し乱暴ですね。

選択肢2

 選択肢2の「組合の総会の会議は、定款に特別な定めがある場合を除くほか、組合員の半数以上が出席しなければ開くことができない。」ですが、正しい記述です。

 「土地区画整理法」の「総会の会議及び議事」の「第三十四条」には…、

 『総会の会議は、定款に特別の定めがある場合を除くほか、組合員の半数以上が出席しなければ開くことができず、

 『その議事は、定款に特別の定めがある場合を除くほか、出席組合員の過半数で決し、可否同数の場合においては、議長の決するところによる。』

 …とあります。

 テキストで確認しておきましょう。

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢3

 選択肢3の「組合が賦課金を徴収する場合、賦課金の額は、組合員が施行地区内に有する宅地又は借地の地積等にかかわらず一律に定めなければならない。」ですが、誤った記述です。

 「土地区画整理法」の「第四十条」の「経費の賦課徴収」には…、

 『組合は、その事業に要する経費に充てるため、賦課金として参加組合員以外の組合員に対して金銭を賦課徴収することができる。』

 『2 賦課金の額は、組合員が施行地区内に有する宅地又は借地の位置、地積等を考慮して公平に定めなければならない

 …とあります。

 選択肢のいうような、一律ではありません。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

 まあ、(一律だと、不公平じゃない?)的に、常識的に判断できるかと思います。

選択肢4

 選択肢4の「組合の施行する土地区画整理事業に参加することを希望する者のうち、当該土地区画整理事業に参加するのに必要な資力及び信用を有する者であって定款で定められたものは、参加組合員として組合員となる。」ですが、誤った記述です。

 「土地区画整理法」の「第二十五条の二」の「参加組合員」には…、

 『前条第一項に規定する者のほか、独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社その他政令で定める者であつて、組合が都市計画事業として施行する土地区画整理事業に参加することを希望し、定款で定められたものは、参加組合員として、組合の組合員となる』

 …とあります。

 条文には、「独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社その他政令で定める者」とあります。

 よって、これらの組織に準じたものが参加組合員となるわけですが、「必要な資力及び信用を有する者」が、直ちにこれらに該当するとはいえません。

 また、条文後段には、「組合が都市計画事業として施行する土地区画整理事業」とあります。

 組合が都市計画事業として行うものが「要件」となっています。

 さて、選択肢と問題文には、都市計画事業ウンヌンの記述がありません。

 選択肢の記述には、「組合の施行する土地区画整理事業」しかなく、よって、“都市計画事業ではない”土地区画整理事業の可能性もあり、「参加組合員」にならない可能性もあります。

 こうした次第で、選択肢は、「誤」となります。

 まあ、チェックだけはしておきましょう。

答え

 「1」は「誤」です。

 「2」は「正」です。

 「3」は「誤」です。

 「4」は「誤」です。

 本問は、「正しいものはどれか?」ですので…

 正解:2

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


参考リンク

 当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。

 類似問題あります。テーマ別の問題演習は、「宅建「法令上の制限」の「土地区画整理法」の過去問リスト」を、活用ください。

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