6問‐R2-10月の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第6問は、「錯誤」の問題です。改正事項です。基礎・基本的なものばかりなので、難しいところはありません。テキストと過去問を繰り返しておけば、まず、取れます。

6問‐錯誤

 

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難易度・優先順位ひとこと

 本問のレベルは「ふつう」です。

 本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。

選択肢1

 選択肢1の「Aは、自己所有の自動車を100万円で売却するつもりであったが、重大な過失によりBに対し「10万円で売却する」と言ってしまい、Bが過失なく「Aは本当に10万円で売るつもりだ」と信じて購入を申し込み、AB間に売買契約が成立した場合」ですが、取消できません。

 いわゆる「錯誤」の問題です。

 当該「錯誤」の意思表示は、原則として「取消ことができる」のですが、表意者に「重大な過失」がある場合は、取り消せなくなります。

 よって、選択肢は、「取消できない」となります。

選択肢2

 選択肢2の「Aは、自己所有の時価100万円の壺を10万円程度であると思い込み、Bに対し「手元にお金がないので、10万円で売却したい」と言ったところ、BはAの言葉を信じ「それなら10万円で購入する」と言って、AB間に売買契約が成立した場合」ですが、取消できません。

 いわゆる「動機の錯誤」です。

 当該「動機の錯誤」が成立するには、その法律行為の基礎が明示されている必要があります。

 本問の場合、Aは、単に「お金がない。10万円で売る」としか言っておらず、その壷が100万円もの価値があるとは、明示していません。

 よって、「動機の錯誤」は、“非成立”です。

 よって、選択肢は、「取消できない」となります。

選択肢3

 選択肢3の「Aは、自己所有の時価100万円の名匠の絵画を贋作だと思い込み、Bに対し「贋作であるので、10万円で売却する」と言ったところ、Bも同様に贋作だと思い込み「贋作なら10万円で購入する」と言って、AB間に売買契約が成立した場合」ですが、取消できます。

 いわゆる「動機の錯誤」です。

 本問では、その法律行為の基礎に当たる「贋作」が明示されています。

 この場合、当該「動機の錯誤」が成立しているので、取り消しができます。

 よって、選択肢は、「取消できる」となります。

選択肢4

 選択肢4の「Aは、自己所有の腕時計を100万円で外国人Bに売却する際、当日の正しい為替レート(1ドル100円)を重大な過失により1ドル125円で計算して「8,000ドルで売却する」と言ってしまい、Aの錯誤について過失なく知らなかったBが「8,000ドルなら買いたい」と言って、AB間に売買契約が成立した場合」ですが、取消できないです。

 本問では、Aに重大な過失があります。

 次に、相手方のBが、悪意だったり重大な過失があれば、取消可能なのですが、本問では、Bが善意無過失です。

 このため、取り消しできなくなります。

 よって、選択肢は、「取消できない」となります。

答え

 「1」は「取消できない」です。

 「2」は「取消できない」です。

 「3」は「取消できる」です。

 「4」は「取消できない」です。

 本問は、「取消できるものはどれか?」ですので…

 正解:3

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


参考リンク

 当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。

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