第423条:債権者代位権

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

宅地建物取引士(宅建・宅建士)と管理業務主任者(管業)の試験科目「民法」で、改正された「第423条:債権者代位権」について解説したページ。最低限度のポイントと、チェック用の条文本文を説述する。法改正対策のページ。独学者向け。

最低限のポイント

 「第423条:債権者代位権」ですが、一口で言うと、通説の「明文化」と、旧条文の「変更(廃止)」です。

 明文化は、従来と意味が変わらないので、チェックでいいですが、「変更(廃止)」は、これまでと取り扱いが異なってくるので、チェックしてください。

 主な改正内容は…、

 ・債権者代位権が明文化された。

 ・債権者代位権ができないケースを明文化した。

 ・裁判上の代位制度が廃止された。

 …となっています。

 なお、条文本文は、本ページの下方にあります。

解説・コメント1‐明文化「債権者代位権」

 旧法では、「債権者代位権」が条文に規定されておらず、判例や通説等で運用されていました

 よって、改正によって、当該「債権者代位権」が条文に明文化された、ってな次第です。

 「債権者代位権」は、第一項にて…、

 『債権者は、自己の債権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利(以下「被代位権利」という。)を行使することができる。』

 …と、定められました。

解説・コメント2‐禁止事項

 次いで、「債権者代位権」が行使できないケースが明文化されました。

 これも、かつては通説をもとに、運用されていました。

 なお、できないケースとは、「差し押さえ禁止債権」や「強制執行により実現することができない債権」でした。

 今回の改正では、これら2つが、明文化されたってな次第です。

 第一項の但し書きには…、

 『ただし、債務者の一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利は、この限りでない。

 …と、規定されました。

 んで、第三項に…、

 『債権者は、その債権が強制執行により実現することのできないものであるときは、被代位権利を行使することができない。

 …と、定められました。

解説・コメント3‐旧条文の削除

 旧法では、「債権者は、その債権の期限が到来しない間は、裁判上の代位によらなければ、前項の権利を行使することができない」と、定められていました。

 今回の改正では、先の下線部分が削除されました。

 当該「裁判上の代位」ですが、ほとんど利用されないため、意味がなかったそうです。んなもんで、制度の廃止→条文の削除、といった次第です。

 第二項には…、

 『債権者は、その債権の期限が到来しない間は、被代位権利を行使することができない。ただし、保存行為は、この限りでない。』

 …とあるように、旧条文の「裁判上の代位」という文言が削除されています。

 こんな次第で、債権者は、期限前では、保存行為しかできない、と相なりました。

条文:債権者代位権 第423条

 『債権者は、自己の債権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利(以下「被代位権利」という。)を行使することができる。』

 『ただし、債務者の一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利は、この限りでない。』

第二項

 『債権者は、その債権の期限が到来しない間は、被代位権利を行使することができない。ただし、保存行為は、この限りでない。』

第三項

 『債権者は、その債権が強制執行により実現することのできないものであるときは、被代位権利を行使することができない。』

宅建のこまごましたもの

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