第416条:損害賠償の範囲

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

宅地建物取引士(宅建・宅建士)と管理業務主任者(管業)の試験科目「民法」で、改正された「第416条:損害賠償の範囲」について解説したページ。最低限度のポイントと、チェック用の条文本文を説述する。法改正対策のページ。独学者向け。

最低限のポイント

 「第416条:損害賠償の範囲」ですが、「特別損害」に「変更」が加えられました。

 民法経験者は、ゼッタイに押えておくべき改正です。

 主な改正内容は…、

 ・「特別損害」は、当事者が「予見すべき」場合に成立する。

 …となっています。

 なお、条文本文は、本ページの下方にあります。

解説・コメント

 旧法では、「特別損害」については…、

 「特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を“予見し”、又は“予見することができたとき”は、債権者は、その賠償を請求することができる。

 …と、規定されていました。

 しかし、通説では、実際に予見したかどうかではなくて、「当事者が、予見すべきであったかどうか」という、規範的な評価がされていました。

 たとえば、店の前に穴があったとして、客がその穴に落ちて怪我をしたとします。

 この場合の店主の責任について、彼が予見したか、予見できたかではなくて、「人が来るんだから、穴は危ない」と、予見すべきであったかどうかで、過失が判断されていた、ってな寸法です。

 今回の改正では、当該通説を明文化し、「当事者がその事情を予見すべきであったとき」と、規定したってな次第です。

 文言の変更ですが、意味合いは大きく異なるので、必ず、チェックしておきましょう。

条文:損害賠償の範囲 第416条

 『債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。』

第二項

 『特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見すべきであったときは、債権者は、その賠償を請求することができる。』

宅建のこまごましたもの

 試験勉強については、「宅地建物取引士(宅建)の独学」を、参考にしてください。

 「宅建」という資格を、より知りたい方は、「資格ガイド Sランク資格:宅地建物取引士」を、一読願います。

 ブログに試験勉強に関する記事を投稿しています。興味のある方は、「宅建タグの投稿記事」を、お目汚しください。

みんなとシェアする