6問‐R2-12月の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第6問は、「賃貸借」の問題です。改正直後なので、厳しいかもしれません。しかし、今後は、これがスタンダードになるので、キッチリとテキストを精読しておきましょう。大半は、条文知識を問う問題です。多くの受験生が点にするはずです。

6問‐賃貸借

 

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難易度・優先順位ひとこと

 本問のレベルは「ふつう」です。

 本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。

解説

 「A」は、「賃貸人」です。

 「B」は、「賃借人」で、「転貸人」です。

 「C」は、「転借人」です。

 「B-C」間の転貸借は、「A」の承諾のある「適法」なものです。

 上記設定をキッチリ把握して、解答に臨んでください。

選択肢1

 選択肢1の「Aは、Bとの間の賃貸借契約を合意解除した場合、解除の当時Bの債務不履行による解除権を有していたとしても、合意解除したことをもってCに対抗することはできない。」ですが、誤った記述です。

 「第六百十三条 第三項」には…、

 『3 賃借人が適法に賃借物を転貸した場合には、賃貸人は、賃借人との間の賃貸借を合意により解除したことをもって転借人に対抗することができない。

 『ただし、その解除の当時、賃貸人が賃借人の債務不履行による解除権を有していたときは、この限りでない。

 …とあります。

 「但し書き」にあるように、賃貸人が賃借人に対する債務不履行に基づく解除権があった場合、賃貸人は、合意解除を主張できます。

 よって、選択肢は、「誤」となります。

選択肢2

 選択肢2の「Cの用法違反によって甲建物に損害が生じた場合、AはBに対して、甲建物の返還を受けた時から1年以内に損害賠償を請求しなければならない。」ですが、正しい記述です。

 条文知識の問題です。

 「第六百条」の「損害賠償及び費用の償還の請求権についての期間の制限」には…、

 『契約の本旨に反する使用又は収益によって生じた損害の賠償及び借主が支出した費用の償還は、貸主が返還を受けた時から 一年以内に請求しなければならない

 …とあります。

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢3

 選択肢3の「AがDに甲建物を売却した場合、AD間で特段の合意をしない限り、賃貸人の地位はDに移転する。」ですが、正しい記述です。

 「第六百五条の二」の「不動産の賃貸人たる地位の移転」には…、

 『(略)借地借家法その他の法令の規定による賃貸借の対抗要件を備えた場合において、その不動産が譲渡されたときは、その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人に移転する

 …とあります。

 テキストを精読しておきましょう。

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢4

 選択肢4の「BがAに約定の賃料を支払わない場合、Cは、Bの債務の範囲を限度として、Aに対して転貸借に基づく債務を直接履行する義務を負い、Bに賃料を前払いしたことをもってAに対抗することはできない。 」ですが、正しい記述です。

 条文知識を問う問題です。

 「第六百十三条」の「転貸の効果」には…、

 『賃借人が適法に賃借物を転貸したときは、転借人は、賃貸人と賃借人との間の賃貸借に基づく賃借人の債務の範囲を限度として、賃貸人に対して転貸借に基づく債務を直接履行する義務を負う。

 『この場合においては、賃料の前払をもって賃貸人に対抗することができない

 …とあります。

 よって、選択肢は、「正」となります。

答え

 「1」は「誤」です。

 「2」は「正」です。

 「3」は「正」です。

 「4」は「正」です。

 本問は、「誤ったものはどれか?」ですので…

 正解:1

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


参考リンク

 当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。

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