7問‐R2-10月の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第7問は、論点「保証」の問題です。選択肢のすべては、基本的なものばかりなので、難しくはないです。

7問‐保証

 

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難易度・優先順位ひとこと

 本問のレベルは「ふつう」です。

 本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。

解説

選択肢1

 選択肢1の「特定物売買における売主の保証人は、特に反対の意思表示がない限り、売主の債務不履行により契約が解除された場合には、原状回復義務である既払代金の返還義務についても保証する責任がある。」ですが、正しい記述です。

 「第四百四十七条」の「保証債務の範囲」には…、

 『保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含す

 …とあります。

 選択肢でいう「原状回復義務」についても、保証対象となります。

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢2

 選択肢2の「主たる債務の目的が保証契約の締結後に加重されたときは、保証人の負担も加重され、主たる債務者が時効の利益を放棄すれば、その効カは連帯保証人に及ぶ。」ですが、誤った記述です。

 「第四百四十八条」の第二項には…、

 『2 主たる債務の目的又は態様が保証契約の締結後に加重されたときであっても、保証人の負担は加重されない

 …とあります。

 これにより、前半部分が間違いです。

 また、後半の「時効の利益放棄」ウンヌンですが、これは、「相対効」なので、主たる債務者が時効の利益を放棄しても、保証人は、それを援用して、保証債務の放棄を主張できます。

 これは、連帯保証においても、同様です。

 よって、後半部分は、正しいです、

 よって、選択肢は、「誤」となります。

選択肢3

 選択肢3の「委託を受けた保証人が主たる債務の弁済期前に債務の弁済をしたが、主たる債務者が当該保証人からの求償に対して、当該弁済日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる。」ですが、正しい記述です。

 条文知識を問う問題です。

 「第四百五十九条の二」の「委託を受けた保証人が弁済期前に弁済等をした場合の求償権」には…、

 『保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務の弁済期前に債務の消滅行為をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対し、主たる債務者がその当時利益を受けた限度において求償権を有する。』

 『この場合において、主たる債務者が債務の消滅行為の日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは、保証人は、債権者に対し、その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる

 …とあります。

 よって、選択肢は、「正」となります。

選択肢4

 選択肢4の「委託を受けた保証人は、履行の請求を受けた場合だけでなく、履行の請求を受けずに自発的に債務の消滅行為をする場合であっても、あらかじめ主たる債務者に通知をしなければ同人に対する求償が制限されることがある。」ですが、正しい記述です。

 「第四百六十三条」の「通知を怠った保証人の求償の制限等」には…、

 『保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者にあらかじめ通知しないで債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者は、債権者に対抗することができた事由をもってその保証人に対抗することができる。

 …とあります。

 履行の有無に関係なく、保証人は、主たる債務者に、あらかじめ通知をしていないと、対抗要件があった場合、求償の一部が制限されます。

 これは、主たる債務者の「二重払い」を防ぐためです。

 保証人が無断で金銭債務を支払った場合、主たる債務者がそのことを知らないと、債務が消滅していることを知らないまま、債務者が債権者に支払うことも、当然あります。

 手落ちは、通知をしなかった保証人にあり、主たる債務者を保護するため、このような規定があると思われます。

 よって、選択肢は、「正」となります。

答え

 「1」は「正」です。

 「2」は「誤」です。

 「3」は「正」です。

 「4」は「正」です。

 本問は、「誤っているものはどれか?」ですので…

 正解:2

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


参考リンク

 当該年度のぜんぶの問題(1~50)のリンクは、「こちら」です。

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