22問‐H30下期筆記の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第22問は、筆記の定番論点の「D種接地工事」の問題です。少し応用が効いていますが、問題ではないでしょう。基本事項さえざっくり押さえていれば解けます。文系ド素人なら必ず取らなくてはいけません。難問に備えましょう。

22問‐D種接地工事

 

 (クリックして拡大。)

 本問のレベルは「ふつう」です。

 本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。

解説

 D種接地工事が省略できるのは…、

 ・対地電圧150V以下の機器を、乾燥した場所に設置。

 ・乾燥した木製の床など、絶縁性のものの上で取り扱う。

 ・水気のある場所以外に設置した機器に、漏電遮断器(感度電流15mA以下、動作時間0.1秒以内)を施設。

 ・二重絶縁構造の機器。

 …に該当する場合です。

 当該省略の規定は、形を変えて毎年の如く問われているので、全部を正確に憶えておきましょう。

 特に、漏電遮断器の数字「感度電流線15mA以下、動作時間0.1秒以内」は、よく出ます。

 たとえば、「動作時間“0.5秒”の漏電遮断器を付けたので、接地工事を省略した」などと問われています。言うまでもなく、「×」です。

 先の太字のところは、ガチ暗記です。このページを「お気に入り」に入れるなどして、通勤・通学時の空いた時間に何回も目を通しておきましょう。

選択肢イ

 選択肢イの「三相200V電動機外箱の接地線に直径1.6mmのIV電線を使用した」ですが、正しい記述です。

 お馴染みの…

 

 …の表を見てください。

 本選択肢は、「200V」の電動機ですから、「300V以下」に該当します。なので、D種接地工事です。

 んで、D種接地工事の場合、接地線の太さは、1.6mm以上です。

 本選択肢では、「直径1.6mmのIV電線」なので、問題はありません。

 こんな次第で、本選択肢は、「適切」と相なります。

選択肢ロ

 選択肢ロの「単相100V移動式電気ドリル(一重絶縁)の接地線として多心コードの断面積0.75mm2の1心を利用した」ですが、正しい記述です。

 これは、難しい選択肢です。

 移動式の電気機械器具の場合、選択肢の言うように、断面積0.75mm2の1心を、接地線として使用できます。

 まあ、当該選択肢がわからなくても、他に、明白に間違っているものがあるので、正解は導けるはずです。

選択肢ハ

 選択肢ハの「単相100Vの電動機を、水気のある場所に設置し、定格感度電流15mA、動作時間0.1秒の電流動作型漏電遮断器を取り付けたので、接地工事を省略した」ですが、明らかに誤りです。

 先に見たように、接地工事が省略できるのは、“水気のある場所以外”で、漏電遮断器(感度電流15mA以下、動作時間0.1秒以内)を施設した場合です。

 本問は、漏電遮断器の規定は正しいのですが、水気のある場所に電動機を設置しているので、D種接地工事を省略できません。

 よって、選択肢ハは、「不適切」と相なります。

選択肢ニ

 選択肢ニの「1次側200V、2次側100V、3kV・Aの絶縁変圧器(2次側非接地)の2次側電路に、電動丸のこぎりを接続し、接地を施さないで使用した」ですが、正しい記述です。

 これも、難しい選択肢です。

 選択肢の言うように、絶縁変圧器の負荷側を非接地とした場合、D種接地工事を省略できる、とのことです。

 おそらく、当該選択肢ハと、先の選択肢ロは、受験生を煙に巻く役割を担っているように思います。

 先に述べたように、他の選択肢が明らかに間違いなので、本選択肢が判別できなくても、別段、構いません。

 ざっと、目を通しておけば、よいでしょう。また、深追いする必要もありません。

答え

 本問は「不適切なものはどれか?」なので…、

 正解:ハ

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


筆記過去問リスト

 第1問から第30問までは、「一般問題」です。

 第31問から第50問までは、「配線図」です。

一般問題

 1問:合成抵抗・・・「ふつう」。文系可。

 2問:交流回路・・・「ふつう」。

 3問:抵抗値・・・「ふつう」。

 4問:熱量・・・「ふつう」。文系可

 5問:スター(Y)結線・・・「難」。

 6問:電圧降下・・・「ふつう」。文系可。

 7問:三線電圧・・・「ふつう」。取れる問題。

 8問:許容電流計算・・・「ふつう」。取れる。

 9問:許容電流・・・「ふつう」。文系取れる。

 10問:分岐回路設計・・・「ふつう」。ド定番。

 11問:漏電遮断器・・・「やや難」。

 12問:地中配線・・・「ふつう」。

 13問:回転速度Ns・・・「ふつう」。

 14問:工具・・・「ふつう」。絶対レベル。

 15問:太陽電池発電・・・「やや難」。

 16問:ケーブル写真・・・「やさしい」。

 17問:器具写真・・・「ふつう」。取れる問題。

 18問:工具写真・・・「やさしい」。基礎。

 19問:電線接続・・・「ふつう」。

 20問:貫通工事・・・「ふつう」。

 21問:施工場所・・・「ふつう」。

 22問:D種接地工事・・・「ふつう」。取れる問題。

 23問:電流減少係数・・・「やさしい」。絶対レベル。

 24問:回路計操作・・・「やや難」。

 25問:対地電圧・・・「やや難」。

 26問:接地抵抗計・・・「ふつう」。取れる。

 27問:開閉器・・・「やや難」。取れる問題。

 28問:電気工事士法・・・「ふつう」。取る。

 29問:電気用品安全法・・・「ふつう」。取る。

 30問:電気設備技術基準・・・「ふつう」。取る。

配線図

 31問:自動点滅器・・・「やさしい」。

 32問:図記号・・・「ふつう」。

 33問:図記号2・・・「ふつう」。基本問題。

 34問:コンセント・・・「ふつう」。

 35問:電線管図記号・・・「やや難」。

 36問:接地抵抗許容値・・・「ふつう」。絶対レベル。

 37問:図記号・・・「ふつう」。

 38問:絶縁抵抗・・・「ふつう」。

 39問:図記号目的・・・「難」。

 40問:最少電線本数・・・「難」。

 41問:スリーブ当て・・・「難」。

 42問:電線管接続・・・「ふつう」。

 43問:器具写真・・・「ふつう」。

 44問:計測器・・・「やさしい」。

 45問:図記号・・・「難」。

 46問:圧着工具・・・「ふつう」。

 47問:スイッチ・・・「ふつう」。

 48問:リングスリーブ・・・「難」。

 49問:差込形コネクタ・・・「難」。

 50問:未使用コンセント・・・「ふつう」。1点取れる。

第2種電気工事士 合格の生命線‐独学向け教材

 

 憶えられない、点数が伸びない、よく間違える、実力が付かない、何やってんのかわからないという人は、教材を見直してみてください。

 独学向けの良質な教材を使うことこそ、独学合格の“肝”です。

 教材の詳細は「筆記試験の教材」と「技能試験の教材」に述べてますが、読むのがメンドクサイ人は…、

 筆記用のテキストは、絵が多くて漢字の少ない「 ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士筆記試験すいーっと合格(2024年版) 」を、

 筆記用の過去問には、コンパクトで持ち運びやすい「 すい~っと合格赤のハンディ ぜんぶ解くべし!第2種電気工事士 筆記過去問2024 」を使います。

 技能のテキストは、写真の多い「 2024年版 ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士 技能試験すい~っと合格: 入門講習DVD付 」を…、

 技能の工具は、定番メーカー:HOZANの「ホーザン(HOZAN) 基本工具 DK-28 」を…、

 技能の材料には、工具と同じメーカーの「ホーザン(HOZAN) DK-52 2回セット」を使います。

 (教材には「年度」対応があるので、必ず、自分の受ける年になっているか、確認してください。

 (「技能教材よくある質問(何回分がいいの?等)」も、参考にしてください。)

第2種電気工事士 技能 独学 補助教材

 第2種電気工事士 技能試験の独学は、ケーブル等の教材と工具、そして、テキストがあれば間に合います。

 とはいえ、独学に「あると便利」なものが多々あります。まさに独学向けというものなので、参考にしてください。

 高評価だったのは、「ホーザン(HOZAN) 合格配線チェッカー Z-222」です。

 利用者曰く、「回路的に正しいという自信が付く。使えない問題もあったが、最も役に立った。」とのことです。

 独学だと、候補問題を作っても、答え合わせに一苦労します。

 わたしも、受験生当時に(これで合ってるの?)と、お手本のテキストとにらめっこした記憶があります。往時にあったらとても便利だったと思います。

 独学で一抹の不安のある方は、使ってみてください。

 次は、「ホーザン(HOZAN) 合格マルチツール DK-200」です。

 多用途、時短になる、ウォータレンチプライヤの代わりにもなる、と高評価です。

 これは、独学に関係なく、有用かと思います。

 さて、独学では役には立つも、“すごくではない”というのが…、

 ・ホーザン(HOZAN) 合格クリップ P-926

 ・ホーザン(HOZAN) 合格ゲージ P-925 P-956/P-957/P-958用

 …です。

 クリップの方は、ホーザン教材に入っているもので十分とのこと。ホーザンの教材でない人は、一考するといいでしょう。

 んで、ゲージの方は、外れやすいのでアレ、使わなくなる、とのことです。用途に合いそうなら、考えてみてください。

 なお、セットのもあります。「HOZAN (ホーザン) の合格シリーズ3点セット【 DK-200 合格マルチツール 】【 P-926 合格クリップ 】【 P-925 合格ゲージ 】」です。

 独学の欠点をこれらの補助教材でカバーできます。“絶対”に必要かというとそうではありませんが、「手助け」にはなるので、万全を尽くしたい方は参考にしてみてください。

 教材にお金を惜しんではいけません。

PDF過去問の閲覧

 

 PDFの閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“過去問演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないです。

 手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。他のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDF過去問の閲覧も可能で、費用対効果が秀逸です。

 受験が終わっても、危険物や消防設備士等の試験で使えるし、サブ機としても使えます。2電工を機に「Fire HD」を検討するのも、損はないです。

第2種電気工事士のこまごましたもの

 「第2種電気工事士:独学資格ガイド」でも述べていますが、2電工は圧倒的な求人数を誇る優良資格で、人生の保証・保険になる資格です。わたし個人、とって本当に損がなかったと、ひしひし感じています。何か資格でも、とお考えの方は、いの一番に2電工を推薦します。

 先述したように、文系・電気ド素人でも、試験に巨大なハンデはないので、食わず嫌いをせず、挑戦してみてください。

 第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。

みんなとシェアする