第2種電気工事士の技能試験で持ち込める物・不可の物+直前チェックリスト

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第2種電気工事士の技能試験で持ち込める物と、持ち込めない物を説述しています。令和5年度(2023年度)対応。独学だと、こういう小物の扱いが不安になりますが、本ページで述べることに気をつければ、技能の本試験では、支障がないはずです。また、忘れ物予防のため、末尾に「持っていくものチェックリスト」を掲載しています。

はじめに

 以下に、令和5年度(2023年度)の技能試験に、持込可・不可のものを挙げます。

 末尾に、直前チェックリストがあるので、「お気に入り」にでも入れておいて、本試験の前日に活用してください。

インデックス

  1. 持ち込み不可
  2. 持ち込み可
  3. 前日チェックリスト+まとめ

持ち込み不可

 まずもって、数の少ない「持ち込み不可」のものから見ていきましょう。

 持ち込むと試験官に注意され、最悪、受験できなくなる物は…、

  • 回路計(テスター)等の計測機器
  • リングスリーブ・差込型コネクタ
  • ケーブル
  • 白紙
  • 電動工具(電動ドライバ・電気ドライバ・インパクトドライバ)

 …となっています。

計測機器は、ダメ

 まず、「回路計(テスター)等の計測機器」ですが、持ち込みは、一切、認められていません。

 接続が正しいかどうかを試したいところですが、持ち込み不可です。

 まあ、技能試験の机は“けっこう狭い”ので、置くスペースもありません。

 なお、「計測機器」がダメなので、当然、検電器などもダメです。持っていかないようにしましょう。

リングスリーブ・差込型コネクタはダメ。しかし…。

 「リングスリーブ・差込型コネクタ」といった接続材料は、持ち込み不可です。

 願書には、「技能試験では、支給材料以外の材料の使用はできません。」とあるので、勝手に持ち込むことはできません。

 しかし、です。安心してください。

 本試験では、先のリングスリーブ・差込型コネクタは、“試験中であっても”、申し出れば、追加してもらえます。

 人間、誰しもミスがあるもの。

 試験でも、リングスリーブ・差込型コネクタといった小さいものを、失くしたり壊したりすることを想定しています。

 んなもんで、わざわざ、リングスリーブ・差込型コネクタを、自分で持っていく必要はありません。

「ケーブル」もダメ。要注意!!

 結論から言うと、ケーブルは、持ち込みが不可なうえ、追加支給もされないので、扱いには注意、といった寸法です。

 正確な採寸も、「採点基準」の1つのため、予備ケーブルの持ち込みは不可で、追加支給もありません。

 つまり、ケーブルは、採寸を間違えて、切断の長さを間違えると、“危機的”な状況になります。

 慎重に切断してください。

 とはいえ、テキスト・DVDに従って、練習してきたなら、まず、切断ミスは起きません。

 ところで、寸法ですが、そう神経質になる必要はありません。

 ケーブルの長さは、問題の指示よりも『余裕』があって、「-50%」までなら、OKです。

 つまり、採寸が「200mm」となっている場合、「100mm」のケーブルならOKで、「75mm」だと不合格となります。

 また、極端に長くならない限り、大丈夫です。

 わたしが技能を受けたときに、周りを見回したら、“ケーブルちょっと長いかも?!”と思いましたが、無事、受かっていました。

複線図用の白紙

 「白紙」とは、そのまんま、「白い紙」で、A4等のコピー用紙を指します。

 カンニング予防のため、複線図用の「白紙」を持ち込むことができません。

 本試験では、複線図は、問題用紙の余白部分に書くところがあるので、そこを利用します。

 個人的には、本試験時には、問題用紙の余白で、十分に事が足りました。

 よほど大きく書く人以外は、深く考えなくてよいでしょう。

電動工具(電動ドライバ・電気ドライバ・インパクトドライバ)

 技能試験では、電動工具を、使用することができません。

 当該電動工具には、電動ドライバ・家庭用電気ドライバ・インパクトドライバなどが該当します。

 技能で使うと、「失格」となるので、注意してください。

 なお、公式のPDFによると、「試験を厳正かつ公正に実施する観点から、電動機能をOFFにして利用する場合でも、使用できません。」とあります。

 こうした次第なので、電動工具そのものを、試験会場にもっていかないようにしましょう。

 まあ、端的に言えば、「技能試験の教材」で紹介した工具だけを持っていけばいいってな塩梅です。

技能試験に持ち込み可

 技能試験に持ち込んでもよいのは…、

  • 【超必須】指定工具
  • 【必須】えんぴつ・シャーペン、けしごむ
  • 【必須】時計
  • 【重要】タオル
  • 【重要】バンドエイド
  • 【お好きに】手袋(軍手)
  • 【お好きに】色鉛筆・色ボールペン・三色ボールペン
  • 【お好きに】ストップウォッチ
  • 【お好きに】腰ベルト
  • 【お好きに】ルーペ
  • 【お好きに】カッターナイフ
  • 【お好きに】クリップ

 …となっています。

【超必須】の指定工具

 まず、【超必須】の指定工具ですが、これは、「ホーザン(HOZAN) 基本工具 DK-28 」を使っているなら、問題ないでしょう。

 HOZANは、電気工事の専門メーカーなので、不可なわけがないです。

 しかし、自分とこの工具を持っていく人は、「ペンチ、ドライバ(プラス、マイナス)、電工ナイフ、スケール(定規)、ウォータポンププライヤ、及びリングスリーブ用圧着工具」と指示されているんで、これで揃えてください。

 繰り返しますが、「電動工具」は、一切ダメです。職人の人は、気をつけて下さい。

 なお、「リングスリーブ用圧着工具」は、JISの「屋内配線用電線接続工具・手動片手式工具・リングスリーブ用(JIS C 9711:1982・1990・1997)の規格のもの(握り部分の色が黄色のもの)」です。

 工具がOKかどうか、チェックしてください。

 まあでも、先の「ホーザン(HOZAN) 基本工具 DK-28 」を使っていれば、問題ないです。

必須系のえんぴつ・シャーペン、けしごむ、時計

 まず、技能試験で必須なのは、「えんぴつ・シャーペン、けしごむ」と「時計」です。

 「えんぴつ・シャーペン」は、受験票等の記入に使用します。

 受験票等には、ボールペンを使用できないことがあるので、えんぴつ・シャーペンで行ないます。けしごむは、訂正用です。

 「時計」は、言うまでもなく、時間を計るためです。

 技能試験は、かなり時間が限られているので、作業がきちんと進んでいるかどうか、必ず、時間を計測しながら、作業をしなくてはなりません。

 また、試験会場の部屋には、“時計のない部屋”もあるのです。

 もし、部屋に時計がないと、時間が測れないため、かなり苦戦します。

 「時計」は、必須なので、もし忘れたら、即、コンビニや100円ショップで買いましょう。

 なお、置き時計や目覚まし時計といった大きな時計でも可能です。

 ただし、技能試験を受ける机は狭いことが多く、大きな時計だと場所を食ってイライラするので、極力、腕時計がよいでしょう。

 ところで、願書にあるように、『電卓機能、通信機能をもつもの、アラームなど音がでるものは使用できません」ので、注意してください。

 なお、スマホの時計機能は、不正の可能性があるので、使えない可能性が「大」です。おとなしく、腕時計にしましょう。

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 言うまでもありませんが、時計のアラーム機能はオフにしておきます。オンにしていると、不正扱いされても文句が言えません。

重要系のタオル、バンドエイド

 個人的に、必ず持って行きたいのが、タオルとバンドエイドです。

 上期の技能試験は、「7月」なうえ、試験会場はむさいおっさんが寿司詰めのため、かなり暑く、かなり汗をかきます。

 また、緊張するためか、“手”にも、じとっと汗をかきます。

 汗拭き用に、タオルは持っていくべき重要なものとなっています。

 また、「逆」のケースで、空調が効き過ぎて寒いことも考えられます。

 あなたの席だけ、ガンガンに冷たい風が直撃することがあり、こうなると、寒くて頭が動かなくなります。

 この場合に、タオル1枚あると、頭や首に巻いて、寒さを凌ぐことができます。

 最近は、空調を強めにするところが多いので、“防寒具として、タオルを1枚、入れておくべきです。

 なお、女性や冷え性の人は、先のクーラーの効き過ぎに備え、パーカー等の長袖を持っておくと、『転ばぬ先の杖』です。

 ところで、下期の技能試験は、「12月」ですが、たとえ、冬真っ最中とはいえ、室内がおっさんの熱気でいっぱいで、汗を掻く可能性が大です。

 しかも、空調をガンガン効かせるところもあり、大汗の危険があります。

 よって、冬でも、汗拭き用タオルを、持っていくべきです。

 次に「バンドエイド」ですが、これは、「止血用」です。

 試験では、そう出血する事はありませんが、念のため、2~3つ、持っていくと、いい“お守り”になります。

お好きに系の手袋とか

 持ち込み可能ですが、別段なくても、試験に支障がないのは、「手袋(軍手)」「色鉛筆・色ボールペン・三色ボールペン」「ストップウォッチ(音が出ないもの)」「腰ベルト」「ルーペ」「クリップ」「カッターナイフ」となっています。

 「手袋(軍手)」ですが、怪我予防用に着用が認められています。

 が、個人的には、手先が不自由になるので、使わないでいいと思います。

 「色鉛筆・色ボールペン・三色ボールペン」ですが、複線図を書いたり、ケーブル等のチェックに使えます。

 「願書」には、「なお、技能試験において、複線図等を描く場合は、問題用紙の余白を使用してください。その際、色鉛筆、色ボールペン等を使用することができます。」とあります。

 個人的には、鉛筆で不自由はありませんでした。使いたい人は使いましょう。

 なお、複雑な接続時に、ケーブル等に色をつけて施行し、合格したという体験談がありますが、「願書」には、“そうしてもよい”明記がないので、無理して、使わないでいいと思います。

 個人的には、接続等は「指差し確認」で事が足りたので、使いませんでした。が、使いたい人はどうぞ。

 そして、「ストップウォッチ(音が出ないもの)」です。正直、時計で代用できますが、「願書」で「持込可」となっています。必要な人は、持っていきましょう。ただ、「音」には、注意してください。

 次に、「腰ベルト」ですが、これは、手袋や工具を入れるためのもので、「願書」に「持込可」と、明記されています。

 職人さんのように、こっちの方が慣れているという人は、持ち込んでください。

 最後に、「ルーペ」です。願書では、使用が認められているので、手元が見え難い人は持っていきましょう。

 んで、残る「カッターナイフ」「クリップ」は、要注意なので、節を改めます。

別に使わなくても的な「カッターナイフ」「クリップ」

 「カッターナイフ」ですが、『願書』には、「カッターナイフで怪我をされる方がおります。使用は自粛してください。」とあります。

 カッターナイフでないとどうしてもダメだ、という人以外は、無理して使わなくてよいでしょう。

 んで、「クリップ」ですが、これは、「使用可能だが、もし、取り忘れていると『欠陥』を取られるおそれがある」のです。

 結線や接続の際に、クリップで、電線等をまとめるのは、「あり」です。

 しかし、本試験という緊張する時間では、それらの「取り忘れ」の方が怖いです。

 技能は、『欠陥』1つで、即、不合格です。

 個人的には、便利だろうが不合格のリスクを高めるものは、持ち込まないほうがよいと思います。当然、わたしは、使いませんでした。

 もし使うのなら、ふだんの練習のときから、「取り除く」練習が必須です。

セロテープについて

 なお、以前は、「セロテープ」も使用可能でしたが、令和5年度の願書には、セロテープの記載が「ない」ので、持っていかない方がよいでしょう。

 まあ、なくても、試験には受かると思いますし、使えたとしても、クリップ同様に、「取り外し」が必要と思われます。

 付いていたら「欠陥」を取られる可能性もあるので、使わない方が無難かと思います。

前日チェックリスト+まとめ

 技能試験の日に、家を出る前の忘れ物チェックリストです。

  • 【重要】受験票!受験票!受験票!
  • 【重要】指定工具
  • 【重要】時計
  • えんぴつ・シャーペン、けしごむ
  • タオル
  • バンドエイド
  • お好きに系のもの

 まず、最も【重要】な「受験票」の有無を確かめます。これがないとヤバイです。

 んで、指定工具は、「ペンチ、ドライバ(プラス、マイナス)、電工ナイフ、スケール(定規)、ウォータポンププライヤ、及びリングスリーブ用圧着工具」です。

 本試験の直前に練習する予定の人は、工具が全てあるかどうか、念のため、確かめてください。

 んで、超重要な工具「VVFストリッパ」も、袋に入っているかどうか、確認してください。

 そして、「時計」で、試験では、必需品です。

 先に見たように、スマホは、不正予防から、時計として使えない、と踏んでおきましょう。

 また、試験会場に時計がないところがあるので、絶対に忘れないようにしましょう。

 まず、最も大事な受験票と工具と時計の有無をチェックです。

 残る筆記具やタオル、バンドエイドは、忘れても、コンビニで買えますが、無用な忘れ物は、メンタルに来るので、忘れない越したことはありません。

 本試験当日は、先のリストの物がカバンに入っているかどうか確かめて、出発しましょう!

 ご安全に!

第2種電気工事士のこまごましたもの

 なお、勉強方法等は「第2種電気工事士の独学」を…、

 独学向け教材については、「筆記試験の教材」と「技能試験の教材」をばお目汚しください。

 第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。

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