41問‐H30下期筆記の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第41問は、おなじみ「スリーブ当て」を問う問題です。リングスリーブの知識があって、複線図のわかる人は解けますが、そうでないなら解けません。できなければ、「捨て問」でよいでしょう。

41問‐スリーブ当て

 

 (クリックして拡大。)

 本問のレベルは「難」です。

 配線図の資料(全体像)は、「こちら」です。

 複線図がわからない人は、手が出ない問題です。

 捨て問候補の筆頭です。できる人だけ、やってください。できなければ、他の問題に時間を割きます。

 本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。

前もって助言

 先述したように、本問は、複線図の問題であるため、複線図がわかってないと解けません。

 時間に余裕のある方は、ぜひとも複線図に挑戦してください。やった分だけ、技能の勉強が楽になります。

 しかし、時間のない人は、「捨て問」にします。

 複線図は、そこそこ練習量が必要なため、理解するのに、時間がかかります。

 複線図の問題は、例年「4問」なので、すべてを捨てても、他でカバーできます。ちなみに、わたしが受験生のときは、複線図は、捨てていました。

解説

 

 上記画像の資料によると、問題文の指示のあるところは、「上下左右」からケーブルが来ています。

 上・右は、「VVF1.6」とあります。

 んなもんで、上・右の電線は「1.6mm」となります。

 対して、下・左は、「VVF2.0」とあります。

 んなもんで、下・左の電線は「2.0mm」となります。

 まずは、ここを読み取れるか、です。

電線断面積の基礎知識

 「リングスリーブ」の選び方ですが、接続する電線の断面積の合計から判断します。

 VVF1.6の断面積は、「2mm2」で計算します。

 VVF2.0の断面積は、「3.5mm2」で計算します。

リングスリーブ選び

 先も述べたように、リングスリーブは、接続する電線の断面積の合計によって決まります。

 「8mm2以下」なら「小」で接続します。

 「8mm2超で、14mm2未満」なら「中」で接続します。

 「14mm2以上」なら「大」で接続します。

 これが、「リングスリーブ」の決まり事です。

 しかし、例外があります。先も述べたように、「14mm2以上なら大」のところですが…、

 2.0mmが4本の場合は、「中」を使用するのです。

 先に見たように、2.0mmの断面積は、「3.5mm」でした。

 2.0mm線が「4本」の場合、「3.5*4」で「14mm2」となり、先の決まり事‐14mm2以上なら『大』‐からすると、「大スリーブ」にしないといけません。

 しかしながら、「2.0mm×4本」の場合は、“例外的に”、「中」を使用することになっているのです。

 ここが問われることもあるので、たとえば、「H30 下期筆記 第48問:リングスリーブ」などで問われているので、注意してください。

刻印の基礎知識

 基本は、「小」なら、刻印も「小」です。

 んで、「中」なら、刻印も「中」です。

 しかし、例外があります。

 「1.6mm」が「2本」の場合は、「極小(○)」で、刻印します。

 こういう“決まり事”なので、こうして憶えるしかありません。

 なお、技能試験では、必ず「極小(○)」で刻印するところがあるので、今のうちに、覚えておきましょう。

複線図

 

 本問の複線図は、上記画像のようになります。

 これが書けなけないと、どうにもならないので、一番最初に述べたように、“複線図、わからないなら、捨て問に”となっています。

 さて、上記複線図から…、

 VVF1.6とVVF1.6の接続。

 VVF2.0とVVF2.0、そして、VVF1.6の接続。

 VVF2.0とVVF2.0、そして、VVF1.6の接続。

 …といった次第で、「3つ」のリングスリーブを使うことがわかります。

 後は、それぞれの断面積の合計を見るだけです。

断面積

 先に見たように、電線の断面積は…、

 VVF1.6の断面積は、「2mm2」で計算します。

 VVF2.0の断面積は、「3.5mm2」で計算します。

 まず、「VVF1.6とVVF1.6の接続」ですが、これは、「2+2」の「4mm2」となります。

 次に、「VVF2.0とVVF2.0、そして、VVF1.6の接続」ですが、これは、「3.5+3.5+2」で「9mm2」となります。

リングスリーブ決定

 「VVF1.6とVVF1.6の接続」ですが、これは、「2+2」の「4mm2」となりました。

 んなもんで、「8mm2以下」に該当し、よって、「小」スリーブを使うことになります。

 そして、「VVF2.0とVVF2.0、そして、VVF1.6の接続」ですが、これは、「3.5+3.5+2」で「9mm2」となりました。

 ですから、これは、「8mm2超 14mm2未満」に該当し、よって、「中」スリーブを使うことになります。

刻印決定

 最後に、スリーブへの「刻印」です。

 「VVF1.6とVVF1.6の接続」ですが、これは、例外の「1.6mmが2本の場合」に当たるので、「極小(○)」で刻印することになります。

 んで、「VVF2.0とVVF2.0、そして、VVF1.6の接続」は、「中」スリーブなので、そのまんま、「中」で刻印します。

まとめ

 上記から…、

 「小」スリーブで、刻印は「極小(○)」が1つ。

 「中」スリーブで、刻印は「中」が2つ。

 …と選べばよいことになります。

 んなもんで、選択肢の「イ」が正解となります。

答え

 こうした次第で…、

 正解:イ

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


筆記過去問リスト

 第1問から第30問までは、「一般問題」です。

 第31問から第50問までは、「配線図」です。

一般問題

 1問:合成抵抗・・・「ふつう」。文系可。

 2問:交流回路・・・「ふつう」。

 3問:抵抗値・・・「ふつう」。

 4問:熱量・・・「ふつう」。文系可

 5問:スター(Y)結線・・・「難」。

 6問:電圧降下・・・「ふつう」。文系可。

 7問:三線電圧・・・「ふつう」。取れる問題。

 8問:許容電流計算・・・「ふつう」。取れる。

 9問:許容電流・・・「ふつう」。文系取れる。

 10問:分岐回路設計・・・「ふつう」。ド定番。

 11問:漏電遮断器・・・「やや難」。

 12問:地中配線・・・「ふつう」。

 13問:回転速度Ns・・・「ふつう」。

 14問:工具・・・「ふつう」。絶対レベル。

 15問:太陽電池発電・・・「やや難」。

 16問:ケーブル写真・・・「やさしい」。

 17問:器具写真・・・「ふつう」。取れる問題。

 18問:工具写真・・・「やさしい」。基礎。

 19問:電線接続・・・「ふつう」。

 20問:貫通工事・・・「ふつう」。

 21問:施工場所・・・「ふつう」。

 22問:D種接地工事・・・「ふつう」。取れる問題。

 23問:電流減少係数・・・「やさしい」。絶対レベル。

 24問:回路計操作・・・「やや難」。

 25問:対地電圧・・・「やや難」。

 26問:接地抵抗計・・・「ふつう」。取れる。

 27問:開閉器・・・「やや難」。取れる問題。

 28問:電気工事士法・・・「ふつう」。取る。

 29問:電気用品安全法・・・「ふつう」。取る。

 30問:電気設備技術基準・・・「ふつう」。取る。

配線図

 31問:自動点滅器・・・「やさしい」。

 32問:図記号・・・「ふつう」。

 33問:図記号2・・・「ふつう」。基本問題。

 34問:コンセント・・・「ふつう」。

 35問:電線管図記号・・・「やや難」。

 36問:接地抵抗許容値・・・「ふつう」。絶対レベル。

 37問:図記号・・・「ふつう」。

 38問:絶縁抵抗・・・「ふつう」。

 39問:図記号目的・・・「難」。

 40問:最少電線本数・・・「難」。

 41問:スリーブ当て・・・「難」。

 42問:電線管接続・・・「ふつう」。

 43問:器具写真・・・「ふつう」。

 44問:計測器・・・「やさしい」。

 45問:図記号・・・「難」。

 46問:圧着工具・・・「ふつう」。

 47問:スイッチ・・・「ふつう」。

 48問:リングスリーブ・・・「難」。

 49問:差込形コネクタ・・・「難」。

 50問:未使用コンセント・・・「ふつう」。1点取れる。

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