11問‐H30下期筆記の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第11問は、「漏電遮断器」の問題です。応用問題です。いろんな論点が出題されています。これまでにはない問い方なので、傾向把握の一環として、何度も解いておきましょう。

11問‐漏電遮断器

 

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 本問のレベルは「やや難」です。

 応用問題です。「勘」を働かせて解きましょう。

 2電工試験も、難化傾向にあります。こういう出題があっても、落ち着いて解けるようになりましょう。

 本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。

解説

 本問は複合問題で、「漏電遮断器」の器具の知識を問うのと、「接地工事を省略できる場合」の、2つの論点が問われています。

 今までにない出題形式なので、傾向把握の一環として、見ておくべき問題です。

選択肢イ

 選択肢イの「高速形漏電遮断器は、定格感度電流における動作時間が、0.1秒以下である」ですが、正しい記述です。

 「高速形漏電遮断器」という文言で、(アレレ、こんなんあったけ?)となりそうですが、今一度、冷静になって、頭の中の「漏電遮断器」の記憶を辿ってみてください。

 そう、「接地工事を省略できる場合」の論点で、「漏電遮断器」が出てこなかったでしょうか?

 ご存じのように、「水気のある場所以外に施設した機器に電源を供給する電路に、漏電遮断器(感度電流15mA以下、動作時間0.1秒以内)を施設したとき、接地工事を省略できる」という規定がありました。

 本選択肢では、この漏電遮断器を聞いているように思われます。

 そう、頻出論点の「接地工事省略」の規定が頭に入っていれば、(あのことじゃないの?)的に、正否を推測できた、ってな塩梅です。

 先に見たように、接地工事省略のできる漏電遮断器の規定は、感度電流15mA以下で、動作時間0.1秒以内のものです。

 本選択肢は、「動作時間が、0.1秒以下」とあるので、この規定には合致しています。

 こういうことから推定して、選択肢は、「○」とします。

選択肢ロ

 選択肢ロの「漏電遮断器は、零相変流器によって、地絡電流を検出する」ですが、正しい記述です。

 これは、解けます。漏電遮断器の説明そのものです。テキストで確認しておきましょう。

 漏電遮断器のキーワードは、「零相変流器」「地絡電流」「テストボタン」です。

 こういう次第で、選択肢は、「○」と相なります。

選択肢ハ

 選択肢ハの「高速形漏電遮断器は、定格感度電流が1000mA以下である」ですが、誤った記述です。

 先に見たように、「接地工事を省略できる場合」の論点を思い出してください。

 この場合、「感度電流15mA以下」でした。

 よって、選択肢は、「×」と相なります。

 なお、本問は、常識的に考えても、おかしいと思えるはずです。

 問題文の「1000mA」は、「1A」です。1Aもの大きな電流が流れないと、電路を遮断しないなんて、器械として意味がありません。

 こういう点からも、(おかしいなぁ~)という感じに、正否がつくかと思います。

選択肢ニ

 選択肢ニの「漏電遮断器には、漏電電流を模擬したテスト装置がある」ですが、正しい記述です。

 先も見たように、漏電遮断器のキーワードは、「零相変流器」「地絡電流」「テストボタン」です。

 こういう次第で、選択肢は、「○」と相なります。

補足

 繰り返しますが、本問は、漏電遮断器の知識を問う選択肢と、設置工事省略の知識を問う選択肢の2本立ての問題です。

 こういう“複合的な問題”は、従来、なかった出題形式です。

 2電工でも、こんな風に問題が出るようになっています。

 「高速形漏電遮断器」のように、一見して知らないものでも、テキストの既存知識を応用して解くことが予想されます。今後の傾向把握の一環として、押えておきましょう。

答え

 本問は、「誤っているものはどれか?」なので…、

 正解:ハ

 …と相なります。

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筆記過去問リスト

 第1問から第30問までは、「一般問題」です。

 第31問から第50問までは、「配線図」です。

一般問題

 1問:合成抵抗・・・「ふつう」。文系可。

 2問:交流回路・・・「ふつう」。

 3問:抵抗値・・・「ふつう」。

 4問:熱量・・・「ふつう」。文系可

 5問:スター(Y)結線・・・「難」。

 6問:電圧降下・・・「ふつう」。文系可。

 7問:三線電圧・・・「ふつう」。取れる問題。

 8問:許容電流計算・・・「ふつう」。取れる。

 9問:許容電流・・・「ふつう」。文系取れる。

 10問:分岐回路設計・・・「ふつう」。ド定番。

 11問:漏電遮断器・・・「やや難」。

 12問:地中配線・・・「ふつう」。

 13問:回転速度Ns・・・「ふつう」。

 14問:工具・・・「ふつう」。絶対レベル。

 15問:太陽電池発電・・・「やや難」。

 16問:ケーブル写真・・・「やさしい」。

 17問:器具写真・・・「ふつう」。取れる問題。

 18問:工具写真・・・「やさしい」。基礎。

 19問:電線接続・・・「ふつう」。

 20問:貫通工事・・・「ふつう」。

 21問:施工場所・・・「ふつう」。

 22問:D種接地工事・・・「ふつう」。取れる問題。

 23問:電流減少係数・・・「やさしい」。絶対レベル。

 24問:回路計操作・・・「やや難」。

 25問:対地電圧・・・「やや難」。

 26問:接地抵抗計・・・「ふつう」。取れる。

 27問:開閉器・・・「やや難」。取れる問題。

 28問:電気工事士法・・・「ふつう」。取る。

 29問:電気用品安全法・・・「ふつう」。取る。

 30問:電気設備技術基準・・・「ふつう」。取る。

配線図

 31問:自動点滅器・・・「やさしい」。

 32問:図記号・・・「ふつう」。

 33問:図記号2・・・「ふつう」。基本問題。

 34問:コンセント・・・「ふつう」。

 35問:電線管図記号・・・「やや難」。

 36問:接地抵抗許容値・・・「ふつう」。絶対レベル。

 37問:図記号・・・「ふつう」。

 38問:絶縁抵抗・・・「ふつう」。

 39問:図記号目的・・・「難」。

 40問:最少電線本数・・・「難」。

 41問:スリーブ当て・・・「難」。

 42問:電線管接続・・・「ふつう」。

 43問:器具写真・・・「ふつう」。

 44問:計測器・・・「やさしい」。

 45問:図記号・・・「難」。

 46問:圧着工具・・・「ふつう」。

 47問:スイッチ・・・「ふつう」。

 48問:リングスリーブ・・・「難」。

 49問:差込形コネクタ・・・「難」。

 50問:未使用コンセント・・・「ふつう」。1点取れる。

第2種電気工事士 合格の生命線‐独学向け教材

 

 憶えられない、点数が伸びない、よく間違える、実力が付かない、何やってんのかわからないという人は、教材を見直してみてください。

 独学向けの良質な教材を使うことこそ、独学合格の“肝”です。

 教材の詳細は「筆記試験の教材」と「技能試験の教材」に述べてますが、読むのがメンドクサイ人は…、

 筆記用のテキストは、絵が多くて漢字の少ない「 ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士筆記試験すいーっと合格(2024年版) 」を、

 筆記用の過去問には、コンパクトで持ち運びやすい「 すい~っと合格赤のハンディ ぜんぶ解くべし!第2種電気工事士 筆記過去問2024 」を使います。

 技能のテキストは、写真の多い「 2024年版 ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士 技能試験すい~っと合格: 入門講習DVD付 」を…、

 技能の工具は、定番メーカー:HOZANの「ホーザン(HOZAN) 基本工具 DK-28 」を…、

 技能の材料には、工具と同じメーカーの「ホーザン(HOZAN) DK-52 2回セット」を使います。

 (教材には「年度」対応があるので、必ず、自分の受ける年になっているか、確認してください。

 (「技能教材よくある質問(何回分がいいの?等)」も、参考にしてください。)

第2種電気工事士 技能 独学 補助教材

 第2種電気工事士 技能試験の独学は、ケーブル等の教材と工具、そして、テキストがあれば間に合います。

 とはいえ、独学に「あると便利」なものが多々あります。まさに独学向けというものなので、参考にしてください。

 高評価だったのは、「ホーザン(HOZAN) 合格配線チェッカー Z-222」です。

 利用者曰く、「回路的に正しいという自信が付く。使えない問題もあったが、最も役に立った。」とのことです。

 独学だと、候補問題を作っても、答え合わせに一苦労します。

 わたしも、受験生当時に(これで合ってるの?)と、お手本のテキストとにらめっこした記憶があります。往時にあったらとても便利だったと思います。

 独学で一抹の不安のある方は、使ってみてください。

 次は、「ホーザン(HOZAN) 合格マルチツール DK-200」です。

 多用途、時短になる、ウォータレンチプライヤの代わりにもなる、と高評価です。

 これは、独学に関係なく、有用かと思います。

 さて、独学では役には立つも、“すごくではない”というのが…、

 ・ホーザン(HOZAN) 合格クリップ P-926

 ・ホーザン(HOZAN) 合格ゲージ P-925 P-956/P-957/P-958用

 …です。

 クリップの方は、ホーザン教材に入っているもので十分とのこと。ホーザンの教材でない人は、一考するといいでしょう。

 んで、ゲージの方は、外れやすいのでアレ、使わなくなる、とのことです。用途に合いそうなら、考えてみてください。

 なお、セットのもあります。「HOZAN (ホーザン) の合格シリーズ3点セット【 DK-200 合格マルチツール 】【 P-926 合格クリップ 】【 P-925 合格ゲージ 】」です。

 独学の欠点をこれらの補助教材でカバーできます。“絶対”に必要かというとそうではありませんが、「手助け」にはなるので、万全を尽くしたい方は参考にしてみてください。

 教材にお金を惜しんではいけません。

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第2種電気工事士のこまごましたもの

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 先述したように、文系・電気ド素人でも、試験に巨大なハンデはないので、食わず嫌いをせず、挑戦してみてください。

 第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。

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