48問‐H30下期筆記の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第48問は、「リングスリーブ当て」の問題です。例年出題される問題ですが、「複線図」の理解がないと、解けない問題です。複線図まで手が及ばない人は、「捨て問」です。また、多少の技能の知識が必要なので、解くか解かないかを決めておきましょう。できなくてもしかたのない問題です。

48問‐リングスリーブ当て

 

 (クリックして拡大。)

 本問のレベルは「難」です。

 問題の言う「部分」は、以下の画像のところです。

 

 配線図の資料(全体像)は、「こちら」です。

 「複線図」の理解が必要です。できなければ、また、そこまで手が伸びてないなら、「捨て問」でよいでしょう。

 ちなみに、わたしが受験生のときは、「複線図」の問題は、「捨て問」でした。

 本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。

解説

 問題の指示するところは、上記画像のように…、

 上‐3心‐電線3本

 下‐3心‐電線3本

 右‐3心‐電線3本

 左‐2心‐電線2本

 …と相なります。

 3心や2心がわからない人は、技能の教材を買って、実際の2心ケーブルや3心ケーブルを手に取ってください。即解します。

 参考:技能試験の教材

ポイント

 問題文には…、

 『ただし、接地配線も含まれているものとする。

 …という記載があります。

 資料を読めば、「3心」の電路の先々には、「接地極」のあるコンセントがあります。

 当該コンセントの「接地極」に、接地配線が対応する、ってな寸法です。

複線図

 

 本問には、「色の指定」がないので、3心の色を無視した、「ざっくり複線図」が上の画像となります。

 点線や実線で書いていますが、“見やすくしただけ”で、施工的・工事的な意味はありません。

 んで、通常のケーブルの電線は、「VVF2.0」とあるので、「2.0mm」です。

 上記複線図から…、

 接地配線‐2.0mmが3本の接続

 その他の配線1‐2.0mmが4本の接続

 その他の配線2‐2.0mmが4本の接続

 …となることがわかります。

 後は、スリーブを当てるだけです。

電線断面積の基礎知識

 「リングスリーブ」の選び方ですが、接続する電線の断面積の合計から判断します。

 VVF1.6の断面積は、「2mm2」で計算します。

 VVF2.0の断面積は、「3.5mm2」で計算します。

リングスリーブ選び

 先も述べたように、リングスリーブは、接続する電線の断面積の合計によって決まります。

 「8mm2以下」なら「小」で接続します。

 「8mm2超で、14mm2未満」なら「中」で接続します。

 「14mm2以上」なら「大」で接続します。

 これが、「リングスリーブ」の決まり事です。

 しかし、例外があります。

 先も述べたように、「14mm2以上なら大」で接続するのですが…、

 2.0mmが4本の場合は、「中」を使用するのです。

 先に見たように、2.0mmの断面積は、「3.5mm」でした。これが「4本」の場合、「3.5*4」で「14mm2」となり、先の決まり事‐14mm2以上なら『大』‐からすると、「大」にしないといけません。

 しかしながら、「2.0mm×4本」の場合は、例外的に「中」を使用することになっているのです。

 ここが問われることもあるので、「例外規定」に、注意してください。

スリーブ当て

 断面積を計算して、スリーブを決定します。

 「接地配線‐2.0mmが3本の接続」の場合、「3.5mm2*3」の「10.5mm2」となり、「8mm2を超えて、14mm2未満」に該当するので、「中」スリーブとなります。

 「その他の配線1‐2.0mmが4本の接続」の場合、「3.5mm2*4」の「14mm2」となります。

 「14mm2以上」の場合に該当するので、「大」となりそうですが、注意してください。

 例外的に、「2.0mmが4本」の場合は、「中」スリーブでした。

 んなもんで、ここも、「中」スリーブとなります。

 最後に、「その他の配線2‐2.0mmが4本の接続」ですが、先の「その他の配線1」と同じなので、ここも、「中」スリーブとなります。

まとめとコメント

 こうした次第で、使用するスリーブは、すべて「中」となります。

 んで、「中」が「3つ」の選択肢を探せば、選択肢の「ロ」が正解となります。

 コメントです。

 本問は、かなり応用の効いた問題であり、かなり難しいものとなっています。

 まず、これまでの試験にて、「大」スリーブが“出て来そうになったり”、本問のように、「2.0mm4本は例外的に中」といった出題は、ありませんでした。

 これまでの「スリーブ当て」では、スタンダードに、「小」か「中」くらいが関の山でした。

 しかし、今回、本問のように、かなり応用の効いた難しい問題となって、出題されています。

 2電工の難化の証左といえるでしょう。

 よって、今後の受験生は、定番の解き方を押えるのみならず、テキストの記載をも、きっちり押える必要があります。

 今回、明白に傾向が変わってきているので、注意してください。

答え

 こうした次第で、答えは…、

 正解:ロ

 …と相なります。

 >>> 次の問題へ。


筆記過去問リスト

 第1問から第30問までは、「一般問題」です。

 第31問から第50問までは、「配線図」です。

一般問題

 1問:合成抵抗・・・「ふつう」。文系可。

 2問:交流回路・・・「ふつう」。

 3問:抵抗値・・・「ふつう」。

 4問:熱量・・・「ふつう」。文系可

 5問:スター(Y)結線・・・「難」。

 6問:電圧降下・・・「ふつう」。文系可。

 7問:三線電圧・・・「ふつう」。取れる問題。

 8問:許容電流計算・・・「ふつう」。取れる。

 9問:許容電流・・・「ふつう」。文系取れる。

 10問:分岐回路設計・・・「ふつう」。ド定番。

 11問:漏電遮断器・・・「やや難」。

 12問:地中配線・・・「ふつう」。

 13問:回転速度Ns・・・「ふつう」。

 14問:工具・・・「ふつう」。絶対レベル。

 15問:太陽電池発電・・・「やや難」。

 16問:ケーブル写真・・・「やさしい」。

 17問:器具写真・・・「ふつう」。取れる問題。

 18問:工具写真・・・「やさしい」。基礎。

 19問:電線接続・・・「ふつう」。

 20問:貫通工事・・・「ふつう」。

 21問:施工場所・・・「ふつう」。

 22問:D種接地工事・・・「ふつう」。取れる問題。

 23問:電流減少係数・・・「やさしい」。絶対レベル。

 24問:回路計操作・・・「やや難」。

 25問:対地電圧・・・「やや難」。

 26問:接地抵抗計・・・「ふつう」。取れる。

 27問:開閉器・・・「やや難」。取れる問題。

 28問:電気工事士法・・・「ふつう」。取る。

 29問:電気用品安全法・・・「ふつう」。取る。

 30問:電気設備技術基準・・・「ふつう」。取る。

配線図

 31問:自動点滅器・・・「やさしい」。

 32問:図記号・・・「ふつう」。

 33問:図記号2・・・「ふつう」。基本問題。

 34問:コンセント・・・「ふつう」。

 35問:電線管図記号・・・「やや難」。

 36問:接地抵抗許容値・・・「ふつう」。絶対レベル。

 37問:図記号・・・「ふつう」。

 38問:絶縁抵抗・・・「ふつう」。

 39問:図記号目的・・・「難」。

 40問:最少電線本数・・・「難」。

 41問:スリーブ当て・・・「難」。

 42問:電線管接続・・・「ふつう」。

 43問:器具写真・・・「ふつう」。

 44問:計測器・・・「やさしい」。

 45問:図記号・・・「難」。

 46問:圧着工具・・・「ふつう」。

 47問:スイッチ・・・「ふつう」。

 48問:リングスリーブ・・・「難」。

 49問:差込形コネクタ・・・「難」。

 50問:未使用コンセント・・・「ふつう」。1点取れる。

合格の生命線‐独学向け教材

 

 憶えられない、点数が伸びない、よく間違える、実力が付かない、何やってんのかわからないという人は、教材を見直してみてください。

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 教材の詳細は「筆記試験の教材」と「技能試験の教材」に述べてますが、読むのがメンドクサイ人は…、

 筆記用のテキストは、絵が多くて漢字の少ない「 ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士筆記試験すいーっと合格(2024年版) 」を、

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 (「技能教材よくある質問(何回分がいいの?等)」も、参考にしてください。)

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 第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。

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