10問‐H30下期筆記の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第10問は、配線設計でおなじみの論点「分岐回路設計」の問題です。当該論点も、よく試験に出ます。字面だけ追うと面倒ですが、問題自体はカンタンな部類です。憶えることも少ないので、何回も類問を解いて、100%取れるようになっておきましょう。文系ド素人なら率先して取ります。

10問

 

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 本問のレベルは「ふつう」です。

 

 「表」さえ頭に入っていれば取れます。努力がストレートに点数になる問題です。

 文系ド素人は、こういう問題を取って、後々の失点に備えるのです。

 表の暗記は、メンドウかもしれません。しかし、本問はほぼ毎年出ている論点なので、費用対効果は実に高いです。がんばって憶えてしまってください。

 本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。

解説1:表暗記

 繰り返しますが、本問は、先に挙げた「表」の公式や数字を、丸暗記していない限り、解答できません。

 反対に言うと、先の表さえ憶えていたら、100%取れる問題です。通勤や通学時に、しっかり憶えてください。文系ド素人なら取らなくてはいけません。

 本試験で本問のような「分岐回路の配線用遮断器」に遭遇したら、即、問題用紙の空白に、先の表を書いて、問題の数字を当てはめていってください。

選択肢イ

 選択肢イから見ていきましょう。

 当該選択肢の分岐回路は、「B 20A」回路と相なります。

 先の表に当てはめると…、

 「B 20A」回路の過電流遮断器の定格電流は、「20A(配線用遮断器に限る)以下」となっています。

 本選択肢の過電流遮断器は「20A」なのでOKです。

 コンセントは、本選択肢は「20A」となっており、表のコンセントの定格電流は「20A以下」となっているので、OKです。

 次に、電線の太さですが、先の表によると、「B 20A」回路での太さは「直径1.6mm以上」」となっています。

 選択肢では、「2mm」なので、電線の太さにおいても、問題はありません。

 従って、本選択肢に誤りはなく、「適切」となります。

 なお、コンセントの個数は、解答に関係ありません。無視して結構です。

選択肢ロ

 同じようにアレします。

 当該選択肢の分岐回路は、「30A」回路と相なります。

 先の表に当てはめると…、

 「30A」回路の過電流遮断器の定格電流は、「30A以下」となっています。

 本選択肢の過電流遮断器は「30A」なのでOKです。

 コンセントは、本選択肢は「20A」となっています。表でのコンセントの定格電流は「20~30A」となっているので、OKです。

 次に、電線の太さですが、先の表によると、「30A」回路での太さは「直径2.6mm以上」」となっています。

 しかし、本選択肢では、「2mm」となっており、ここが誤りとなっています。

 従って、本選択肢は、「不適切」となります。

 なお、コンセントの個数は、解答に関係ありません。無視して結構です。

選択肢ハ

 当該選択肢の分岐回路は、「B 20A」回路と相なります。

 先の表に当てはめると…、

 「B 20A」回路の過電流遮断器の定格電流は、「20A以下」となっています。

 本選択肢の過電流遮断器は「20A」なのでOKです。

 コンセントは、本選択肢は「30A」となっています。表でのコンセントの定格電流は「20A以下」となっており、誤りです。

 従って、本選択肢は、「不適切」となります。

 なお、電線の太さですが、先の表によると、「20A」回路での太さは「直径1.6mm以上」となっています。

 本選択肢では、「1.6mm」となっており、電線の太さは、正しいです。

 繰り返しますが、コンセントの個数は、解答に関係ありません。無視して結構です。

選択肢ニ

 当該選択肢の分岐回路は、「30A」回路と相なります。

 先の表に当てはめると…、

 「30A」回路の過電流遮断器の定格電流は、「30A以下」となっています。

 本選択肢の過電流遮断器は「30A」なのでOKです。

 コンセントは、本選択肢は「15A」となっています。表でのコンセントの定格電流は「20~30A」となっているので、誤りです。

 従って、本選択肢は、「不適切」と相なります。

 なお、電線の太さですが、先の表によると、「30A」回路での太さは「直径2.6mm以上」となっています。

 本選択肢では、「2.6mm」となっており、電線の太さは、正しいです。

 繰り返しますが、コンセントの個数は、解答に関係ありません。無視して結構です。

文系アドバイス

 本問は、ガチの暗記問題です。

 上記の表さえ、暗記していたら、1点です。本問は毎年出るので、表の暗記は、実に費用対効果の高い作業となっています。

 何回も見れば憶えるので、回数をこなしてください。

答え

 本問は「適切なものはどれか?」です。

 正解:イ

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筆記過去問リスト

 第1問から第30問までは、「一般問題」です。

 第31問から第50問までは、「配線図」です。

一般問題

 1問:合成抵抗・・・「ふつう」。文系可。

 2問:交流回路・・・「ふつう」。

 3問:抵抗値・・・「ふつう」。

 4問:熱量・・・「ふつう」。文系可

 5問:スター(Y)結線・・・「難」。

 6問:電圧降下・・・「ふつう」。文系可。

 7問:三線電圧・・・「ふつう」。取れる問題。

 8問:許容電流計算・・・「ふつう」。取れる。

 9問:許容電流・・・「ふつう」。文系取れる。

 10問:分岐回路設計・・・「ふつう」。ド定番。

 11問:漏電遮断器・・・「やや難」。

 12問:地中配線・・・「ふつう」。

 13問:回転速度Ns・・・「ふつう」。

 14問:工具・・・「ふつう」。絶対レベル。

 15問:太陽電池発電・・・「やや難」。

 16問:ケーブル写真・・・「やさしい」。

 17問:器具写真・・・「ふつう」。取れる問題。

 18問:工具写真・・・「やさしい」。基礎。

 19問:電線接続・・・「ふつう」。

 20問:貫通工事・・・「ふつう」。

 21問:施工場所・・・「ふつう」。

 22問:D種接地工事・・・「ふつう」。取れる問題。

 23問:電流減少係数・・・「やさしい」。絶対レベル。

 24問:回路計操作・・・「やや難」。

 25問:対地電圧・・・「やや難」。

 26問:接地抵抗計・・・「ふつう」。取れる。

 27問:開閉器・・・「やや難」。取れる問題。

 28問:電気工事士法・・・「ふつう」。取る。

 29問:電気用品安全法・・・「ふつう」。取る。

 30問:電気設備技術基準・・・「ふつう」。取る。

配線図

 31問:自動点滅器・・・「やさしい」。

 32問:図記号・・・「ふつう」。

 33問:図記号2・・・「ふつう」。基本問題。

 34問:コンセント・・・「ふつう」。

 35問:電線管図記号・・・「やや難」。

 36問:接地抵抗許容値・・・「ふつう」。絶対レベル。

 37問:図記号・・・「ふつう」。

 38問:絶縁抵抗・・・「ふつう」。

 39問:図記号目的・・・「難」。

 40問:最少電線本数・・・「難」。

 41問:スリーブ当て・・・「難」。

 42問:電線管接続・・・「ふつう」。

 43問:器具写真・・・「ふつう」。

 44問:計測器・・・「やさしい」。

 45問:図記号・・・「難」。

 46問:圧着工具・・・「ふつう」。

 47問:スイッチ・・・「ふつう」。

 48問:リングスリーブ・・・「難」。

 49問:差込形コネクタ・・・「難」。

 50問:未使用コンセント・・・「ふつう」。1点取れる。

PDF過去問の閲覧

 

 PDFの閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

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独学向け教材-2電工独学の生命線

 

 結論から言うと、「独学向けの良質な教材」を使うことが、独学合格の“キモ”です。

 詳細は「筆記試験の教材」と「技能試験の教材」に述べてますが、読むのがメンドクサイ人は…、

 筆記用のテキストは、絵が多くて漢字の少ない「 ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士筆記試験すいーっと合格(2023年版) 」を、

 筆記用の過去問には、コンパクトで持ち運びやすい「 すい~っと合格赤のハンディ ぜんぶ解くべし!第2種電気工事士 筆記過去問2023 」を使います。

 技能のテキストは、写真の多い「 2023年版 ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士技能試験すい~っと合格: 入門講習DVD付 」を…、

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 (「技能教材よくある質問(何回分がいいの?等)」も、参考にしてください。)

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 先述したように、文系・電気ド素人でも、試験に巨大なハンデはないので、食わず嫌いをせず、挑戦してみてください。

 第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。

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