令和5年度(2023年度)試験対応済み。第2種電気工事士の学科試験の勉強方法。学科の試験科目ごとの解説ページへのリンクのほか、学科の勉強を「少しでもラクをする方法」から、捨て問の当否と試験科目の勉強の順番を解説。合格レベルに達する学科の具体的な勉強方法のほか、「わたしの学科勉強」も。「くだらない憶え方」や「最悪の勉強方法」、学科試験の「直前対策」も併せて説明。
第2種電気工事士の学科試験の勉強方法を、科目別に述べていきます。
学科の勉強ですが、テキストのすべてを勉強する必要は、まったく「ない」です。
明白に、出るところと出ないところがあります。
以下のページを片手に、テキストを眺めて、どこに重点を置けばいいか、把握してください。
なお、第2種電気工事士の独学については、「第2種電気工事士の独学」を、参考願います。
ところで、「当方のTwitter」にて、第2種電気工事士の公式の告知や、チェックすべき過去問等を投稿しています。不安のある方は、フォローしてみてください。
各試験科目ごとに解説したページへ飛びます。
学科試験の勉強についての補足記事です。
文系ド素人の方で、はじめて第2種電気工事士の学科を勉強する人向けです。
「第2種電気工事士の独学 」と被る内容がありますが、御了承ください。
「第2種電気工事士の独学 」でも述べていますが、学科の段階で、技能の教材を購入すると、少しラクができます。
というのも、「実物」があった方が、ラクになる論点があるからです。
たとえば、下のような…、
…写真鑑別です。
写真のケーブルは、「EM-EEF」なのですが、技能の教材には、当該EM-EEFのケーブルが入っているので、実物を見たり触っていたりすれば、この種の問題を即答できるわけです。
また、VVF・VVR・IVというケーブルと電線が「耐燃温度‐R3 上期午前 第12問」といった感じで、しばしば出題されますが、これらも、技能の教材に入っているので、(あーこれがそうなのね)的に、頭に入りやすいのです。
工具だと、「リングスリーブ用圧着ペンチ」がおいしいです。
第2部「配線図」で、実によく出ます。
「R4 上期午前 第48問‐工具 写真鑑別」や「R2 下期午前 第50問‐写真鑑別」、「R2 下期午前 第42問‐接続作業」といった感じで、頻出の工具となっています。
当該リングスリーブ用圧着ペンチも、「実物」があれば、その用途など、すぐに頭に入ります。
技能の教材は、学科が受かれば、どのみち買うことになるのですから、さっさと買ってしまい、学科の勉強と被るものを有効利用するのが賢明かと思います。
それに、技能の教材は、学科の合格発表以降は、品薄や品切れになることが多く、買いそびれを防ぐ意味もあります。(業者の足元価格は、エグイです。)
ちなみに、技能の候補問題は、ほぼ毎回同じなので、たとえ、学科に落ちたとしても、技能の教材は、次回・次々回の試験に利用可能です。お金が無駄になることはありません!
技能の教材は、「技能 教材レビュー」にまとめていますが、読むのが面倒な人は、定番メーカーの「ホーザン(HOZAN) 基本工具 DK-28 」 と、 「ホーザン(HOZAN) DK-52 2回セット」で揃えればよいでしょう。全く支障ないです。
結論から言うと、学科は、『捨て問』をしてもいいです。
合格基準点は、「6割正解」です。出題数は50問なので、「50*0.6」で「30問」正解すればいいわけで、逆を言えば、「20問」は、不正解でよいってな寸法です。
そもそも、学科で高得点を取ったからといって、技能試験に特典やプレゼントがあるわけでないので、高得点を目指す理由がないのであります。安全合格圏の「35問」正解あたりを狙っていけばいいのです。
んなもんで、苦手な論点・メンドクセー論点は、「捨て問」とします。
わたしは、「難しい電気理論」と「複線図」を「捨て問」にしていました。
「電気理論」には、文系では手が負えないものが多々あり、何回テキストを読んでも???だった「交流回路」などは、完全に捨てました。
「複線図」ですが、例年、4~5問出題されるのですが、技能でも勉強するので、学科では捨ててました。本試験では、完全にあてずっぽの解答でした。
それでも、当時で40問くらい正解できて、1回で学科をパスしています。
学科では、すべての科目・すべての論点を完璧にする必要は皆無です。
10問前後なら、「捨て問」可能なので、自分の点の取れる問題・論点に絞って、勉強してください。
なお、「捨て問」の注意事項ですが、「捨て問」をするなら、それをカバーすべく、他の科目を、たとえば、配線設計・配線理論を、徹底して勉強することになります。
「単に捨てるだけ」では、点数上、危険なので、ご留意ください。
文系ド素人が、学科の勉強を始める前に知っておくべきことは、勉強する『順番』です。
学科の試験科目には、ガチの優先順位があります。
結論から言うと…、
『電気理論や配線理論・配線設計から、“勉強しない”。』
『図記号、器具・材料・工具、法令から、“勉強する”。』
『後は、残った科目で、1点1点を積み上げていく。』
…です。
電気理論や配線理論・配線設計は、点が取り難いので、マジもんで「後回し」です。
図記号、器具・材料・工具、法令は、点が取りやすいので、これらから勉強を始めます。
「図記号」は、約10問の出題なので、「9~10問」は取れます。
「器具・材料・工具」は、約12~13問の出題なので、「10点」くらいが取れます。
「法令」は3問の出題なので、「3点」は取れます。
これら、点の取りやすい3科目で、少なくとも、「約22問前後」が取れるわけです。
合格基準は、「30問正解」です。
んなもんで、あと「8問」前後取れたらギリギリ合格であり、もうちょっと頑張って「10問」正解できれば、確実に合格できるってな寸法です。
んで、上記以外の科目で、合格基準+αまで、1点1点を積み上げていく、というのが学科の試験勉強です。
まずもって、文系ド素人は、「電気理論や配線理論・配線設計から、勉強しない」を、必ず守ってください。
そもそも、一番最初に電気理論や配線理論・配線設計を勉強しないと、以降の勉強が進まない・できないといったことは、“全くありません”。
当該2科目は、理系的な勉強が多く、実にメンドウでややこしいです。
これらからやり始めると、本当に嫌気が差します。
試験科目には、当該2科目より、カンタンで、点が取りやすく、そして、勉強しやすいものがゴロゴロしています。
電気理論と配線理論・配線設計は、ガチで「後回し」してください。
こうするだけで、圧倒的に“挫折”しなくなります。
ところで、「配線理論・配線設計」は、最終的には、勉強することになります。(電線の許容電流や分岐回路は、表の暗記だけで取れるので、結構、おいしい科目です。)
対して、「電気理論」は、「半分捨てる」ことになります。
学科試験の勉強は、「図記号」、「器具・材料・工具」、そして、「法令」の3つから始めます。
「図記号」は、見た目で想像できたり、アルファベットの傍記があったりするので、勉強しやすいです。
次に、「器具・材料・工具」では、「工具」の用途を問う…、
…とか、「工事材料」の…、
…といった出題が多いです。
これも、見た目でドンドコ頭に入っていきます。技能の工具・教材を買ったりホームセンターで実物を触ったりすれば、“すぐさま”点が取れるようになります。
最近では、テキストに出てこないナニコレ?的な写真鑑別が出るなどしていますが、こうした難問を差っ引いても、電気理論等に比べたら、圧倒的に点が取りやすいです。
最後に、「法令」ですが、大半の問題は「定番問題」です。
テキストのページ数も少なく、ボリュームも少ないので、“文系”なら、すぐ「点になる」論点です。
参考までに、典型的な過去問を挙げると…、
…といった。基本的な問題がほとんどです。
ときおり、「電気用品安全法」で難問が出ることもありますが、ごく稀となっています。
過去問演習をシッカリして、テキストをチェックしていれば、「法令」では、「3問」取れることが多いです。
また、「法令」のくだらない憶え方があります。
ブログの「2電工学科・法令」を、参考ください。
たとえば、「「カカロット」で対地電圧300V以下にできる住宅の屋内電路の規定を憶える」などは、手前味噌ながら憶えやすいかと思います。読後感は、「くだらないな」です。
正直なところ、「法令」は、過去問を解いていたら、解ける問題は解けるし、解けない問題は解けないです。
2問取れていたらOKで、3問取れたら最上ってな塩梅です。
なお、「法令」では、閾値を問う問題が時々登場するので、「法律用語解説‐以下・以上・未満・超える」は、目を通しておいてください。
優先すべき科目が済んだら、先述したように、『後は、残った科目で、1点1点積み上げていく』ように勉強します。
主要科目が済んだら、後はお好きに、で構わないのですが、個人的には…、
…をお奨めします。
先述した各勉強方法のページでも述べていますが、「配線設計・配線理論」と「電気工事」は、暗記で点が取れるものが多いので、文系にとっての得点源となります。
「測定・検査」は、文系ド素人には厳しい問題もありますが、カンタンなときがあるので、それを取りこぼさなければ、それでOKです。
「カンタンな電気理論」ですが、文系でも少しの努力で取れる問題がそこそこあります。文章問題やオームの法則などです。そういうものは、貪欲に狙っていってください。
結論から言うと、テキストを「2~3回」精読し、市販の過去問を「3回」解いて、直近「3回分」のPDF過去問を「1~2回」解けば、まず間違いなく合格します。
幣サイトでは、10問前後の「捨て問」を前提としているので、上記のような「学習量」となっています。
学科の試験勉強ですが、序盤・中盤は、「問題演習」を中心に据えてください。
というのも、問題を解く方が、テキストの座学よりも、圧倒的に記憶に残るからです。
ここを取り違えないでください。
「テキストをシッカリ読んで内容を頭に入れてから、問題演習をする」では“ない”のです。
後述していますが、テキストをざっくり読んだら、果敢に、過去問を解いていってください。
学科は、「問題演習の数」で決まります。
テキストは、問題を解いた後で確認したり、チェックしたりするくらいで構いません。
過去問演習の3回目あたりから、ジックリと精読していってください。
テキストですが、先述したように、「2~3回」の精読を推奨します。
ぶっちゃけ言うと、テキストをシッカリ読まなくても、「過去問ブン回し」だけで、学科に受かる可能性はあります。
しかし、合否はギリギリです。「9,000円」強もの高額受験料を思えば、ギリギリ合格を目指すのは、全く賢明ではありません。
昨今の試験は、過去問の「使い回し」も多いのですが、新しくなった問題も、問われてきています。
たとえば、「電気工事」の論点「施工場所」ですが、以前は単に「ケーブル・金属管は、どこでもOK」だけで点が取れていたのですが、今では、「合成樹脂管」や「平形保護層工事」、「セルラダクト工事」まで、問われるようになっています。
ですから、テキストを精読し、過去問に出ていないところまで押える方が無難、という次第です。
学科は過去問だけでも受かる、というのは真実ではありますが、わたしは、“1回で確実に受かりたいので”、テキストまで読んでおく方を勧めます。
「市販の過去問」ですが、「教材レビュー:学科試験の教材」などで紹介している「 すい~っと合格赤のハンディ ぜんぶ解くべし!第2種電気工事士 筆記過去問2024 」という過去問です。
当該過去問は、科目別・論点別の構成になっているので、勉強しやすいです。わたしも使いました。
当該過去問のうち、複線図や難しい電気理論以外の問題を、「3回」解いて、しかも、「学科の最悪の勉強方法」で言うように、問題と答えとを憶えてしまえば、合格圏レベルの実力が身につきます。
次に、「PDF過去問」ですが、公式で公開されている本試験問題のことです。
当該PDF過去問を解く目的は、①試験傾向をつかむこと、②実戦形式で問題を解くこと、③問題演習の数を確保することとなっています。
本試験のうち、第1部の「一般問題」は、市販の過去問と要領は同じなので、どうってことないです。
しかし、第2部「配線図」では、「資料」を読み取らねばならず、ある程度の訓練が必要となります。
また、当該配線図では、「R3上期午前学科 第50問‐未使用スイッチ」といった「未使用〇〇」の出題があり、このタイプの出題にも、慣れておく必要があります。
また、PDF過去問は、「実力試し」にもなります。
直近のPDF過去問で、35点前後取れていれば、まずもって、本試験も通ります。
また、テキストや過去問のいい復習にもなるので、最低でも、直近3回分の過去問演習を推奨する次第です。
当該PDF過去問ですが、公式では、問題と答えとを公開していますが、解説がありません。
そこで、当方の「第2種電気工事士の過去問+解説」で、手前味噌ながら解説を付したものをアップしています。試験勉強の中盤以降に、活用してください。
「過去問演習」ですが、「1~2回目」のときは、テキストを見ながら、答えを見ながら、解説を読みながらで構いません。
先も述べましたが、学科は「暗記と記憶」なので、問題の前で何十分もウームと唸るくらいなら、さっさと答えなりを見ましょう。
序盤は、ドンドコと問題を解いていって、試験問題がどういう代物なのかをつかめれば、OKです。
「3回目」あたりに、問題だけで解答できるようになればいいです。
問題をたくさん解けば、それだけ、頭に残ります。要は、「憶えさえすればそれでいい」ので、問題演習の「数」を確保することを目標にやっていってください。
最後に、市販の過去問とPDF過去問に共通するアドバイスです。
問題演習をしたら、その問題の出来不出来を、「〇」と「×」で、メモしていきましょう。
〇×を付けていると、本試験直前の復習に、実に有用だからです。
たとえば、「〇〇〇」とメモされていたら、過去問演習の3回とも正解だったわけで、本試験でも、穏当に解けます。こんな“できる”問題を復習する必要はないわけです。
対して、「×××」や「××〇」といった感じで、間違うことの多い問題は、復習すべきといった寸法です。
「〇」と「×」のメモで、直前期の復習が実に効率的になります。
過去問ぜんぶを復習するのは配偶者並みにウンザリですが、一部の問題だけなら、我慢も効きます。
わたしの学科は、以下のように、勉強していました。
学科は、「暗記と記憶」が多いため、長時間の勉強が不利です。
1回あたり30分前後を目途にしてやっていってください。
ちなみに、わたしのメインの勉強場所は、通勤時の電車の中でした。テキストも過去問も暗記も、通勤時間で消化していました。
机の前のガッツリした勉強は、終盤あたりだけでした。それも、PDF過去問を解くくらいでした。
(どうしよう!試験に間に合わないッ!)という方は、推奨はできない勉強方法ですが、「2電工・学科の最悪の勉強方法」を参考にしてください。
こんな勉強をしても、全く意味がないのですが、試験だけは何とかパスしたいなら、悪用してください。そして、合格後に、再勉強してください。
学科の本試験についてのアドバイスです。
学科試験では、1~2問くらいの「難問」が出題されています。
応用問題であったり、複合的な問題であったり、突拍子のない問題だったりと、手に終えません。
そういう「難問」に遭遇したら、(あ、難問が来たな)と思って、深追いせず、潔く捨ててください。
「難問」ですが、中には、何度も繰り返される「難問」もありますし、過去問に出たことは、甘く見てはいけないので、「2電工学科の要チェックの難問・奇問・珍問・ひっかけ問題リスト」を参考にして、押えられるものは、押えておきましょう。
そして、試験が近づいたら、「最低限の暗記リスト」で、必須の暗記事項をチェックして、見落としたものがあれば、ガチ暗記してください。
先の暗記リストで、「2~3点」は、確保できるはずです。
次に、本試験問題の効率的な解き方を、「本試験の学科を解く順番」に挙げているので、参考にしてください。
最後に、勉強ブログなどを、「学科 記事一覧」に、まとめています。
勉強したくないときなどに、ツラツラ、眺めてみてください。
「第2種電気工事士:独学資格ガイド」でも述べていますが、2電工は圧倒的な求人数を誇る優良資格で、人生の保証・保険になる資格です。わたし個人、とって本当に損がなかったと、ひしひし感じています。何か資格でも、とお考えの方は、いの一番に2電工を推薦します。
先述したように、文系・電気ド素人でも、試験に巨大なハンデはないので、食わず嫌いをせず、挑戦してみてください。
第2種電気工事士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「第2種電気工事士:ブログ記事」をばご参考ください。
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