21問‐H30下期筆記の過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第21問は、筆記の定番論点の「施工場所と電気工事」の問題です。複合的な問題で、基礎・基本的なものばかりですが、選択肢の「ロ」だけは、要注意です。今までにない出題なので、押さえておくべき問題です。

21問‐施工場所

 

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 本問のレベルは「ふつう」です。

 いろんな論点が詰め込まれた、複合的な問題です。

 2電工も、こういう「横断的な問題」が出るようになっているので、傾向把握の一環として、押えておきましょう。

 また、これまで問われたことのない選択肢が「ロ」です。これは、注意してください。

 本問の答えは、「こちら(記号のみ)」です。

解説

 おなじみ、施工場所と電気工事の問題です。

 施工場所のポイントは、「金属管工事とケーブル工事は、どこでもOK」です。

 当該2つの工事が最も出るので、ここだけは押さえておきます。

 次のポイントは、「“CD管を除く”合成樹脂管工事と2種金属可とう電線管工事も、どこでもOK」です。

 施工場所について、テキストには細々書かれているでしょうが、まずは、先の2点だけ、押さえておけば点は取れます。

選択肢イ

 選択肢イの「同じ径の硬質塩化ビニル管(VE)2本を、TSカップリングで接続した」ですが、正しい記述です。

 選択肢のいうように、「VE」管の接続には、「TSカップリング」を用います。

 よって、「適切」となります。

 なお、異なる管同士の接続には、「コンビネーションカップリング」を使います。

 んで、PF管の接続には、「PF管用カップリング」を使用します。

 これらカップリングは、写真鑑別でも頻出なので、テキストで確認しておきましょう。

選択肢ロ

 選択肢ロの「合成樹脂可とう電線管(CD管)を、木造の床下や壁の内部及び天井裏に配管した」ですが、誤った記述です。

 先に見たように、“CD管をのぞく”合成樹脂可とう電線管なら、どこでもOKなのです。

 しかし、本選択肢では、CD管なので、選択肢のいう「点検できない隠ぺい場所」に配管ができません。

 よって、「不適切」となります。

 なお、これまでの試験では、当該CD管についての出題は、ほとんどありませんでした。

 例年の試験問題は、「合成樹脂可とう電線管(CD管を除く)は、風呂場や床下に配管できる」くらいが関の山だったのです。

 しかし、今回、CD管が問われています。

 今後も、問われる可能性が高いので、「CD管を除く合成樹脂可とう電線管は、どこでもOK」だが「CD管には制限がある」と、正確に暗記しましょう。

選択肢ハ

 選択肢ハの「金属管を点検できない隠ぺい場所で使用した」ですが、正しい記述です。

 先に見たように、「金属管はどこでもOK」です。

 よって、「適切」となります。

選択肢ニ

 選択肢ニの「合成樹脂可とう電線管(PF管)内に通線し、支持点間の距離を1.0mで造営材に固定した」ですが、正しい記述です。

 本選択肢は、合成樹脂管工事の規制について問うています。

 合成樹脂管工事では、「支持点間の距離は、1.5m以下」となっています。

 選択肢では、「1.0m」にしたとあるので、正しいです。

 よって、「適切」となります。

答え

 本問は「不適切な工事はどれか?」なので…、

 正解:ロ

 …と相なります。

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筆記過去問リスト

 第1問から第30問までは、「一般問題」です。

 第31問から第50問までは、「配線図」です。

一般問題

 1問:合成抵抗・・・「ふつう」。文系可。

 2問:交流回路・・・「ふつう」。

 3問:抵抗値・・・「ふつう」。

 4問:熱量・・・「ふつう」。文系可

 5問:スター(Y)結線・・・「難」。

 6問:電圧降下・・・「ふつう」。文系可。

 7問:三線電圧・・・「ふつう」。取れる問題。

 8問:許容電流計算・・・「ふつう」。取れる。

 9問:許容電流・・・「ふつう」。文系取れる。

 10問:分岐回路設計・・・「ふつう」。ド定番。

 11問:漏電遮断器・・・「やや難」。

 12問:地中配線・・・「ふつう」。

 13問:回転速度Ns・・・「ふつう」。

 14問:工具・・・「ふつう」。絶対レベル。

 15問:太陽電池発電・・・「やや難」。

 16問:ケーブル写真・・・「やさしい」。

 17問:器具写真・・・「ふつう」。取れる問題。

 18問:工具写真・・・「やさしい」。基礎。

 19問:電線接続・・・「ふつう」。

 20問:貫通工事・・・「ふつう」。

 21問:施工場所・・・「ふつう」。

 22問:D種接地工事・・・「ふつう」。取れる問題。

 23問:電流減少係数・・・「やさしい」。絶対レベル。

 24問:回路計操作・・・「やや難」。

 25問:対地電圧・・・「やや難」。

 26問:接地抵抗計・・・「ふつう」。取れる。

 27問:開閉器・・・「やや難」。取れる問題。

 28問:電気工事士法・・・「ふつう」。取る。

 29問:電気用品安全法・・・「ふつう」。取る。

 30問:電気設備技術基準・・・「ふつう」。取る。

配線図

 31問:自動点滅器・・・「やさしい」。

 32問:図記号・・・「ふつう」。

 33問:図記号2・・・「ふつう」。基本問題。

 34問:コンセント・・・「ふつう」。

 35問:電線管図記号・・・「やや難」。

 36問:接地抵抗許容値・・・「ふつう」。絶対レベル。

 37問:図記号・・・「ふつう」。

 38問:絶縁抵抗・・・「ふつう」。

 39問:図記号目的・・・「難」。

 40問:最少電線本数・・・「難」。

 41問:スリーブ当て・・・「難」。

 42問:電線管接続・・・「ふつう」。

 43問:器具写真・・・「ふつう」。

 44問:計測器・・・「やさしい」。

 45問:図記号・・・「難」。

 46問:圧着工具・・・「ふつう」。

 47問:スイッチ・・・「ふつう」。

 48問:リングスリーブ・・・「難」。

 49問:差込形コネクタ・・・「難」。

 50問:未使用コンセント・・・「ふつう」。1点取れる。

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