宅地建物取引士(宅建・宅建士)と管理業務主任者(管業)の試験科目「民法」で、改正された「第466条の6:将来債権の譲渡性」について解説したページ。最低限度のポイントと、チェック用の条文本文を説述する。法改正対策のページ。独学者向け。
「第466条の6:将来債権の譲渡性」ですが、「明文化」と「新設規定」の改正です。
今後、問われる公算が大の論点です。
必ず、条文とテキストとを読み込んでおきましょう。
主な改正内容は…、
・将来債権の譲渡は可能。
・将来債権の譲渡制限特約についての規定が新設された。
…となっています。
旧法では、将来発生する債権である「将来債権」の譲渡の可否について、明確ではありませんでした。
んなもんで、改正によって、第466条の6の第一項に…、
『債権の譲渡は、その意思表示の時に債権が現に発生していることを要しない。』
…と、将来債権でも、譲渡ができると明文化されました。
将来債権の「譲渡制限特約」の規定が新設されました。
簡単に言うと…、
譲渡人が、対抗要件を“備える前まで”に、譲渡制限の意思表示がなされたときは、譲受人その他の第三者が、そのことを知っていたものとみなして、第466条の三項を適用します。
第466条の三項とは…、
『前項に規定する場合には、譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由をもってその第三者に対抗することができる。』
…です。
要は…、
将来債権の譲渡人が、
対抗要件を“備える前まで”に、
譲渡制限の意思表示がなされたときは、
譲受人その他の第三者は、「悪意」とみなされ、
債務者は、履行を拒んだり等ができる。
…と、相なります。
ややこしいので、条文を読み込んでおきましょう。
先の、「悪意」とみなされる譲受人等に、債務者は履行を拒める等ができるのは、対抗要件を“備える前まで”のケースです。
次に見るのは、対抗要件を“備えた後”に、譲渡制限の意思表示がなされたときの話です。
この場合、債務者は、譲渡制限の意思表示を譲受人に対抗できません。
まあ、改正したばかりで、法の運用が固まっていないので、突っ込んだ出題はないと思われます。
ただ、条文知識を問う知識問題で出そうなので、何度も読み込んでおきましょう。
『債権の譲渡は、その意思表示の時に債権が現に発生していることを要しない。』
『債権が譲渡された場合において、その意思表示の時に債権が現に発生していないときは、譲受人は、発生した債権を当然に取得する。』
『前項に規定する場合において、譲渡人が次条の規定(債権の譲渡の対抗要件)による通知をし、又は債務者が同条の規定による承諾をした時(以下「対抗要件具備時」という。)までに譲渡制限の意思表示がされたときは、譲受人その他の第三者がそのことを知っていたものとみなして、第四百六十六条第三項(譲渡制限の意思表示がされた債権が預貯金債権の場合にあっては、前条第一項)の規定を適用する。』
『前項に規定する場合には、譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由をもってその第三者に対抗することができる。』
(預金債権又は貯金債権に係る譲渡制限の意思表示の効力)
『預金口座又は貯金口座に係る預金又は貯金に係る債権(以下「預貯金債権」という。)について当事者がした譲渡制限の意思表示は、第四百六十六条第二項の規定にかかわらず、その譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対抗することができる。』
『前項の規定は、債務者が債務を履行しない場合において、同項に規定する第三者が相当の期間を定めて譲渡人への履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、その債務者については、適用しない。』
試験勉強については、「宅地建物取引士(宅建)の独学」を、参考にしてください。
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