宅地建物取引士(宅建・宅建士)と管理業務主任者(管業)の試験科目「民法」で、改正された「第465条の10:契約締結時の情報の提供義務」について解説したページ。最低限度のポイントと、チェック用の条文本文を説述する。法改正対策のページ。独学者向け。
「第465条の10:契約締結時の情報の提供義務」ですが、「新設規定」の改正です。
試験問題にしやすい論点なので、念入りに見ておきましょう。
主な改正内容は…、
・事業用の個人の保証契約や、個人の根保証契約を委託した場合、「主たる債務者」に、情報提供義務が課せられました。
・「主たる債務者」が情報提供義務を怠った場合で、または、誤情報を提供した場合に、この債務者の行為を債権者が知り、または、知ることができた場合、保証人は保証契約を取り消すことができます。
…となっています。
「主たる債務者」に、情報提供義務が課せられました。
条文まんまですが…、
『主たる債務者は、
『事業のために負担する債務を主たる債務とする保証又は主たる債務の範囲に事業のために負担する債務が含まれる根保証の委託をするときは、
『委託を受ける者に対し、次に掲げる事項に関する情報を提供しなければならない。
…と、規定されています。
義務者は、「主たる債務者」です。
報告対象は、「委託を受ける者」です。
義務が発生するのは、「事業のために負担する債務を主たる債務とする保証又は主たる債務の範囲に事業のために負担する債務が含まれる根保証の“委託をするとき”」です。
「ひっかけ」で、この辺りがいじられそうなので、チェックしておきましょう。
くれぐれも、「委託」のときなので、注意です。
また、上記の規定は、保証人にが「個人」のときのみです。
第三項には…、
『前二項の規定は、保証をする者が法人である場合には、適用しない。』
…と、規定されています。
よって、保証人が「法人」なら、主たる債務者に情報提供義務は生じません。
試験問題に出しやすいところなので、チェックしておきましょう。
残る第一号・二号・三号の、提供すべき情報は、ざっくり、目を通しておいてください。
「主たる債務者」が情報提供義務を怠った場合のペナルティが新設されています。
「主たる債務者」が情報提供を怠ると、「保証人」は保証契約を取り消すことができるようになりました。
ただ、要件がややこしくて…、
『主たる債務者が情報を提供せず、又は事実と異なる情報を提供した』
『委託を受けた者がその事項について誤認をし、誤認によって保証契約の申込み又はその承諾の意思表示をした』
『債権者が、主たる債務者の無提供・誤情報提供を、知り又は知ることができたとき』
…に、『保証人は、保証契約を取り消すことができる。』と、規定されています。
単に、債務者が提供を怠っただけでは、保証契約は取り消すことができないので、注意してください。
『主たる債務者は、事業のために負担する債務を主たる債務とする保証又は主たる債務の範囲に事業のために負担する債務が含まれる根保証の委託をするときは、委託を受ける者に対し、次に掲げる事項に関する情報を提供しなければならない。
『一 財産及び収支の状況』
『二 主たる債務以外に負担している債務の有無並びにその額及び履行状況』
『三 主たる債務の担保として他に提供し、又は提供しようとするものがあるときは、その旨及びその内容』
『主たる債務者が前項各号に掲げる事項に関して情報を提供せず、又は事実と異なる情報を提供したために委託を受けた者がその事項について誤認をし、それによって保証契約の申込み又はその承諾の意思表示をした場合において、主たる債務者がその事項に関して情報を提供せず又は事実と異なる情報を提供したことを債権者が知り又は知ることができたときは、保証人は、保証契約を取り消すことができる。』
『前二項の規定は、保証をする者が法人である場合には、適用しない。』
試験勉強については、「宅地建物取引士(宅建)の独学」を、参考にしてください。
「宅建」という資格を、より知りたい方は、「資格ガイド Sランク資格:宅地建物取引士」を、一読願います。
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