第458条:連帯保証人について生じた事由の効力

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

宅地建物取引士(宅建・宅建士)と管理業務主任者(管業)の試験科目「民法」で、改正された「第458条:連帯保証人について生じた事由の効力」について解説したページ。最低限度のポイントと、チェック用の条文本文を説述する。法改正対策のページ。独学者向け。

最低限のポイント

 「第458条:連帯保証人について生じた事由の効力」ですが、「変更」の改正です。

 改正によって、従来の取扱いに変化があります。

 見ておくべき改正事項です。

 主な改正内容は…、

 ・連帯保証人について生じた事由が整理された。

 …となっています。

 なお、条文本文は、本ページの下方にあります。

解説・コメント

 旧法では、「連帯保証人について生じた事由」は、原則として、主債務者に効力が及びませんでした。(相対的効力でした。)

 しかし、例外的に、「履行の請求」「更改」「相殺」「免除」「混同」については、主債務者に効力が及ぶ、とされていました。(絶対的効力でした。)

 今回の改正では…、

 「履行の請求」は、「相対的効力」となりました。

 んで、「更改」「相殺」「免除」「混同」は、「絶対的効力」のままです。

 …と、変更されました。

 「履行の請求」が、「相対的効力」になっているので、最低でも、ここだけは、押さえておきましょう。

 たとえば、「連帯保証人に対する履行の請求は、主たる債務者に効力が“及ぶ”」とあれば、「×」です。

 改正によって、「履行の請求」は「相対的効力」になったからです。

 これが、「更改」「相殺」「免除」「混同」とかなら、「○」です。

 これらは、以前の「絶対的効力」のままだからで、主たる債務者に効力は“及びます”。

 され、これらの規定は、強行規定ではありません。

 債権者及び主債務者が、「別段の意思表示」をした場合は、「連帯保証人について生じた事由」の主債務者に対する効力は、その意思に従うようになっています。

 んなもんで、当事者同士で、何が絶対効で、何が相対効なのかを、決めることができるってな次第です。

条文:連帯保証人について生じた事由の効力 第458条

 『第四百三十八条、第四百三十九条第一項、第四百四十条及び第四百四十一条の規定は、主たる債務者と連帯して債務を負担する保証人について生じた事由について準用する。』

参考‐第四百三十八条

 (連帯債務者の一人との間の更改)

 『連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する。』

参考‐第四百三十九条第一項

 (連帯債務者の一人による相殺等)

 『連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する。』

参考‐第四百四十条

 (連帯債務者の一人との間の混同)

 『連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときは、その連帯債務者は、弁済をしたものとみなす。』

参考‐第四百四十一条

 (相対的効力の原則)

 『第四百三十八条、第四百三十九条第一項及び前条に規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。ただし、債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従う。

宅建のこまごましたもの

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