アセトアミノフェン‐解熱鎮痛薬の解熱鎮痛成分‐登録販売者「医薬品」

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 アセトアミノフェンは、「精神神経に作用する薬」の「解熱鎮痛薬」の「解熱鎮痛成分」として配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介しています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。

インデックス

  1. おさらい‐手引き抜粋
  2. 傾向と対策、優先順位
  3. 過去問○×問題
  4. 解説
  5. 試験ポイント
  6. 他のページ

おさらい‐手引き抜粋

 復習用に、手引きを抜粋すると…、

 「解熱鎮痛成分

 「アセトアミノフェン

 「主として中枢作用によって解熱・鎮痛をもたらすため、末梢における抗炎症作用は期待できない。」

 「その分、他の解熱鎮痛成分のような胃腸障害は少なく、空腹時に服用できる製品もあるが、食後の服用が推奨されている。」

 「まれに重篤な副作用として皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、急性汎発性発疹性膿庖症、間質性肺炎、腎障害、肝機能障害を生じることがあり、」

 「特に定められた用量を超えて使用した場合や、日頃から酒類(アルコール)をよく摂取する人で起こりやすい。」

 「内服薬のほか、専ら小児の解熱に用いる製品としてアセトアミノフェンが配合された坐薬もある。」

 「一般の生活者の中には、坐薬と内服薬とは影響し合わないとの誤った認識を持っている人がいるので、解熱鎮痛薬やかぜ薬を併用することがないよう注意を喚起する必要がある。」

 「また、誤って坐薬を服用することがないよう注意する必要もある。」

 …と、相なります。

 全部押さえておきましょう。

補足‐プロスタグランジン

 「解熱鎮痛成分」の説明のところに、当該アセトアミノフェンが登場しています。挙げると…、

 「解熱に関しては、中枢神経系におけるプロスタグランジンの産生抑制作用のほか、腎臓における水分の再吸収を促して循環血流量を増し、発汗を促進する作用も寄与している。」

 「体の各部(末梢)での痛みや炎症反応に対しては、“局所”のプロスタグランジン産生を抑制する作用により、それらを鎮める効果を発揮する(アセトアミノフェンの場合を除く。)。」

 …となっています。

 先の「(アセトアミノフェンは、)主として中枢作用によって解熱・鎮痛をもたらすため、“末梢”における抗炎症作用は期待できない。」と併せて押さえておきましょう。

 「局所と末梢ダメ」くらいに憶えておけばいいでしょう。

補足‐ACE処方

 「エテンザミド」のところに、当該アセトアミノフェンが登場します。挙げると…、

 「エテンザミドは、痛みの発生を抑える働きが作用の中心となっている他の解熱鎮痛成分に比べ、痛みが神経を伝わっていくのを抑える働きが強いため、作用の仕組みの違いによる相乗効果を期待して、他の解熱鎮痛成分と組み合わせて配合されることが多い。」

 「例えば、アセトアミノフェン、カフェイン、エテンザミドの組合せは、それぞれの頭文字から「ACE処方」と呼ばれる。」

 …となっています。

 当該ACE処方は、昔からよく出ているので、「ACE処方・・・アセトアミノフェン、カフェイン、エテンザミド」は、ガチで押えておきましょう。

補足‐相互作用:胃腸障害:肝機能障害

 「3)相互作用、受診勧奨」の【相互作用】に、当該アセトアミノフェンが登場しています。挙げると…、

 「解熱鎮痛成分と酒類(アルコール)との相互作用については、」

 「アルコールの作用による胃粘膜の荒れがアスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン等による胃腸障害を増強するという事実が報告されている。」

 「また、アルコールにより、アセトアミノフェンによる肝機能障害も起こりやすくなる。」

 …となっています。

 こういう使用上の注意は、よくよく出るようになっているので、「アセトアミノフェン・・・胃腸障害と肝機能障害」は、押さえておきましょう。

傾向と対策、優先順位

 ご存じのように、「アセトアミノフェン」は、「解熱鎮痛薬」の「解熱鎮痛成分」として登場します。

 市販薬には、「ノーシンホワイト錠」や「バファリンルナi 」、「小児用バファリン」などがあります。

 当該成分ですが、非常によく問われる成分です。

 「大阪府 H30 第8問」や「関西広域連合 R4 第27問」、「福岡県 H29 第62問」といった出題例があります。

 アルコールがらみの出題が近年目立ちます。

 「適正使用」の論点もあります。「適正使用」でも、よくよく問われる成分で、しっかり勉強しておいて、まったく損はありません。

 優先順位は、「とてもとても高い」です。

過去問○×問題

 アセトアミノフェンは…、

 ①アセトアミノフェンは、15歳未満の小児に対しては、いかなる場合も一般用医薬品として使用してはならない。

 ②アセトアミノフェンは、主として中枢作用によって解熱・鎮痛をもたらすため、末梢における抗炎症作用は期待できない分、他の解熱鎮痛成分のような胃腸障害は少なく、空腹時に服用できる製品もある。

 ③酒類をよく摂取する者では、一般的に肝臓の代謝機能が高まっていることが多いため、アセトアミノフェンが、通常よりも代謝されやすくなり、体内から速く消失して十分な薬効が得られなくなることがある。

 …といった感じで出題されます。

 ①の正誤はこちらです。

 ②の正誤はこちらです。

 ③の正誤はこちらです。

①解説

 先の○×問題の解説です。

 ①の「アセトアミノフェンは、15歳未満の小児に対しては、いかなる場合も一般用医薬品として使用してはならない」ですが、誤った記述です。

 当該アセトアミノフェンは、選択肢のような禁忌はありません。

 選択肢のような、「15歳未満の小児」の禁忌があるのは、「アスピリン」や「サザピリン」、「サリチル酸ナトリウム」などです。

 ごぞんじのように、アスピリンとサザピリンとサリチル酸ナトリウムは、一般用医薬品として、15歳未満の小児に使用してはいけないことになっています

 ライ症候群(急性脳症)の発症との関連性が示唆されているからです。

 対して、アセトアミノフェンには、そういう制限はありません。

 先に挙げた市販薬の「バファリンルナi」、「小児用バファリン」を調べてみてください。

 アセトアミノフェンは、小児向けの薬に、おもくそ含まれています。

 よって、①は、「×」となります。

②解説‐中枢OK・末梢ダメとか

 次に、②の「アセトアミノフェンは、主として中枢作用によって解熱・鎮痛をもたらすため、末梢における抗炎症作用は期待できない分、他の解熱鎮痛成分のような胃腸障害は少なく、空腹時に服用できる製品もある。」ですが、正しい記述です。

 前半部分・後半部分ともに、重要ポイントばかりです。

 前半の「中枢作用によって解熱・鎮痛をもたらす→末梢における抗炎症作用は期待できない」ですが、アセトアミノフェンの固有の特徴なので、実によく出ます。

 「中枢OK・末梢ダメ」ってな感じでいいので、しっかり憶えておきましょう。

 なお、「ひっかけ」問題で、先の文言がひっくり返っているときがあります。

 たとえば、「アセトアミノフェンは、主として、“末梢における抗炎症作用”で解熱・鎮痛をもたらすため、“中枢作用は期待できない”。」などです。

 (アレレ?)とならないようにしましょう。

 繰り返しますが、「アセトアミノフェンは、中枢OK・末梢ダメ」です。

 次に、後半の「他の解熱鎮痛成分のような胃腸障害は少なく、空腹時に服用できる」ですが、これも、直球の重要事項です。

 アセトアミノフェンは、胃腸障害が少ないです。空腹時に服用可能です。

 本試験では、「アセトアミノフェンは、アスピリンに比べ、胃腸障害が多い」などと出ます。んなーこたないです。

 後半部分も、アセトアミノフェンの特色なので、きっちり憶えておきましょう。

 よって、②は、「○」となります。

③解説‐人体の問題です

 最後の③の「酒類をよく摂取する者では、一般的に肝臓の代謝機能が高まっていることが多いため、アセトアミノフェンが、通常よりも代謝されやすくなり、体内から速く消失して十分な薬効が得られなくなることがある。」ですが、正しい記述です。

 当該アセトアミノフェンですが、アルコールがらみの出題が目立ちます。

 選択肢の記述は、「人体」のものです。よく出るので押えておきましょう。

 「酒類→肝臓の代謝機能が高まる→アセトアミノフェン代謝されやすい→速く消失して十分な薬効が得られない」と、論理から押さえると、頭に残ります。

 よって、③は、「○」となります。

 また、先に挙げた手引きの【相互作用】に、当該アセトアミノフェンが登場しています。再掲すると…、

 「解熱鎮痛成分と酒類(アルコール)との相互作用については、」

 「アルコールの作用による胃粘膜の荒れがアスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン等による胃腸障害を増強するという事実が報告されている。」

 「また、アルコールにより、アセトアミノフェンによる肝機能障害も起こりやすくなる。」

 …となっています。

 こういう使用上の注意は、よくよく出るようになっているので、「アセトアミノフェン・・・胃腸障害と肝機能障害」は、押さえておきましょう。

試験ポイント

 アセトアミノフェンの試験ポイントを、見ていきます。

 まずもって、当該アセトアミノフェンですが、そのすべての記述が試験に出ます。

 最低でも、以下の…、

 ・アセトアミノフェンは、主として中枢作用によって解熱・鎮痛をもたらします。

 ・末梢における抗炎症作用は期待できません。

 ・胃腸障害は少なく、空腹時に服用できる製品もあります。

 …は、押さえておきましょう。

 次に、頻出論点と化している「使用上の注意」にも、留意が必要です。

 「座薬と内服薬の併用に注意」と「座薬と内服薬は影響し合う」は、押さえておくべきです。

 口とお尻だからでしょうか、上と下だから、座薬と内服薬は影響し合わないと、誤って認識されています。

 アセトアミノフェンが配合された座薬と内服薬を併用しないよう注意喚起されています

 また、当たり前ですが、座薬を内服しないよう、注意喚起がなされています。皆さんも、気を付けてください。

「適正使用」対策

 先のポイントと被るものもありますが、「適正使用」用のまとめです。

 「アセトアミノフェン」ですが、「使用(服用)しない」の論点があります。

ぜんそく

 まず、「本剤又は他のかぜ薬、解熱鎮痛薬を使用(服用)してぜんそくを起こしたことがある人」は、「使用しない」です。

 「理由」は、「アスピリン喘息を誘発するおそれがあるため。」です。

 これは、頻出論点なので、ガチで押えておきましょう。

 参考:適正使用対策‐アレルギーの既往歴

相談すること

 「アセトアミノフェン」ですが、メジャー成分なので、「相談すること」まで問われる可能性が「大」です。

 数が結構あるので、できるところ・憶えられるところだけを押えておきましょう。

 挙げていくと…、

 「妊婦又は妊娠していると思われる人・・・妊娠末期のラットに投与した実験において、胎児に弱い動脈管の収縮がみられたとの報告があるため。なお、アスピリンについては、動物実験(ラット)で催奇形性が現れたとの報告があるため。

 「胃・十二指腸潰瘍・・・胃・十二指腸潰瘍を悪化させるおそれがあるため

 「肝臓病・・・肝機能障害を悪化させるおそれがあるため

 「心臓病・・・むくみ(浮腫)、循環体液量の増加が起こり、心臓の仕事量が増加し、心臓病を悪化させるおそれがあるため

 「腎臓病・・・むくみ(浮腫)、循環体液量の増加が起こり、腎臓病を悪化させるおそれがあるため。

 …となっています。

 「相談すること」は、費用対効果が低いので、時間があれば程度に見てお来ましょう。

 参考:相談すること‐妊婦等

 参考:相談すること‐基礎疾患1

 参考:相談すること‐基礎疾患2

コツ的なこと

 登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。

 次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。

 実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。

 先に挙げた、「ノーシンホワイト錠」や「バファリンルナi 」、「小児用バファリン」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。

 テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。


他のページ

 「解熱鎮痛薬」の他の「解熱鎮静成分」へのリンクです。

 アスピリン

 サザピリン

 サリチル酸ナトリウム

 サリチルアミド

 エテンザミド

 アセトアミノフェン

 イブプロフェン

 イソプロピルアンチピリン

独学向け教材

 使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、

 テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、

 過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。

こまごましたもの

 登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。

 そのほか、「登録販売者:医薬品」や「登録販売者:生薬」、「登録販売者:漢方処方製剤」で、ヒマな時間を潰してください。

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