イソプロピルアンチピリンは、「精神神経に作用する薬」の「解熱鎮痛薬」の「解熱鎮痛成分」として配合されています。試験のポイントをまとめたり、出題傾向を「○×」形式の過去問で紹介しています。通勤・通学時のおさらい用にどうぞ。
復習用に、手引きを抜粋すると…、
「解熱鎮痛成分」
「イソプロピルアンチピリン」
「解熱及び鎮痛の作用は比較的強いが、抗炎症作用は弱いため、他の解熱鎮痛成分と組み合わせて配合される。」
「ピリン系(※1)と呼ばれる解熱鎮痛成分である。」
「1960年代半ばまでは、イソプロピルアンチピリン以外のピリン系解熱鎮痛成分も、一般用医薬品のかぜ薬や解熱鎮痛薬に配合されていたが、ショック等の重篤な副作用が頻発したため用いられなくなり、」
「現在では、イソプロピルアンチピリンが一般用医薬品で唯一のピリン系解熱鎮痛成分となっている。」
「なお、医療用医薬品においては、現在でもイソプロピルアンチピリン以外のピリン系解熱鎮痛成分を有効成分とするものがある。」
「ピリン系解熱鎮痛成分によって薬疹(ピリン疹と呼ばれる。)等のアレルギー症状を起こしたことがある人は使用しない(※2)。」
…と、相なります。
※1のところに、「注記」があります。挙げると…、
「これに対して他の解熱鎮痛成分を「非ピリン系」と呼ぶことがある。」
「アスピリンやサザピリンは、成分名が「~ピリン」であっても非ピリン系の解熱鎮痛成分であるが、一般の生活者では誤ってピリン系として認識していることも多い。」
…となっています。
ピリン系・非ピリン系は、ド定番論点なので…、
「イソプロピルアンチピリン‐ピリン系」
「アスピリンやサザピリン‐非ピリン系」
…は、ガチで押えておきましょう。
※2のところに、「注記」があります。挙げると…、
「ただし、イソプロピルアンチピリン以外の解熱鎮痛成分でも薬疹等のアレルギー症状が生じることはある。」
「一般の生活者では、「非ピリン系解熱鎮痛成分では薬疹のおそれがない」等と誤って認識している場合がある。」
…となっています。
つまりは、非ピリン系でも、薬疹等アレルギーが生じるので、注意ってな塩梅です。
「2)代表的な配合成分等、主な副作用」の「(a) 解熱鎮痛成分」のところに、当該イソプロピルアンチピリンが登場します。挙げると…、
「このほか、胎児への影響(※)を考慮して、妊婦又は妊娠していると思われる女性に関して、使用上の注意「相談すること」の項で注意喚起がなされている。」
…となっています。
「胎児への影響(※)」のところに、「注記」があります。
「アスピリン、サザピリン、サリチルアミド、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン等を、妊娠末期のラットに投与した実験において、胎児に弱い動脈管の収縮が見られたとの報告がある。」
「なお、アスピリンについては、動物実験(ラット)で催奇形性が現れたとの報告がある。」
「また、イソプロピルアンチピリンについては、化学構造が類似した他のピリン系解熱鎮痛成分において、動物実験(マウス)で催奇形性が報告されている。」
…となっています。
禁忌は、どんなものでも出るようになっています。
「妊婦又は妊娠していると思われる女性」は、「胎児に弱い動脈管の収縮が見られた」と「催奇形性」のため、「相談すること」と、押さえておくべきです。
ご存じのように、「イソプロピルアンチピリン」は、「解熱鎮痛薬」の「解熱鎮痛成分」として登場します。
市販薬には、「セデス・ハイ」や「サリドンWi」などが、イソプロピルアンチピリンを含んだ医薬品です。
当該イソプロピルアンチピリンですが、よく出る成分です。
出題例としては、「福岡県 R4 第65問」や「福岡県 R3 第66問」などがあります。
「適正使用」の「使用(服用)しない」等の論点もあります。
これまでは、問われるところは、「一般用医薬品では、唯一のピリン系」だけだったのですが、これ以外の記述も問われるようになっています。
テキストを精読しておきましょう。
優先順位は、「とても高い」です。
イソプロピルアンチピリンは…、
①イソプロピルアンチピリンは、一般用医薬品で唯一のピリン系解熱鎮痛成分である。
②イソプロピルアンチピリンは、一般用医薬品で唯一の非ピリン系解熱鎮痛成分である。
…といった感じで出題されます。
先の○×問題の解説です。
①の「イソプロピルアンチピリンは、一般用医薬品で唯一のピリン系解熱鎮痛成分である」ですが、正しい記述です。
そのまんまですが、「イソプロピルアンチピリンは、一般用医薬品で唯一のピリン系解熱鎮痛成分」です。
よって、①は、「○」となります。
当該論点には、『唯一の』という、強い限定があります。
このため、問題演習に慣れると、こういう限定表現に、引っかかってしまうことが“よく”あります。
ここは、序盤や中盤なら正解できるのに、後半になると、「唯一の」が気になって落とす傾向があります。
「唯一」のところを意識して、「イソプロピルアンチピリンは、一般用医薬品で“唯一の”ピリン系解熱鎮痛成分」と憶えましょう。
このページを「お気に入り」に入れておいて、試験直前で、再チェックしてください。
②の「イソプロピルアンチピリンは、一般用医薬品で唯一の非ピリン系解熱鎮痛成分である」ですが、誤った記述です。
先の手引きでも見たように…、
「(イソプロピルアンチピリンは、)ピリン系と呼ばれる解熱鎮痛成分である。」
「現在では、イソプロピルアンチピリンが一般用医薬品で唯一のピリン系解熱鎮痛成分となっている。」
…となっています。
“アンチ”ピリンなのに、ピリン系なので、注意してください。
よって、②は、「×」となります。
イソプロピルアンチピリンの頻出事項を、ざっくり見ていきます。復習用にどうぞ。
当該イソプロピルアンチピリンで、最低でも押さえておかねばならないのは、「ピリン系」のところです。
大阪府の28年度の問題です。本当に、ピリン系うんぬんだけの問題です。
答えは、いうまでもなく、「5」の「イソプロピルアンチピリン」です。
かつては、こんな問題ばっかりだったのですが、他の論点もぽつぽつと問われるようになっています。
まず、「解熱作用・鎮痛作用は強いが、抗炎症作用は弱い。他の成分と組み合わされて配合」です。試験に出ました。
「東京都 R2 第63問」です。油断せず、押えておきましょう。
次に、禁忌です。
「ピリン系の解熱鎮痛成分によって、薬疹(ピリン疹)などのアレルギーを起こした人は、使用しない。」は、押えておきましょう。
最後に、「注記」からの出題もあります。
「非ピリン系」でも、薬疹は起きます。「非ピリン系の解熱鎮痛成分では、薬疹のおそれはない」は、誤った認識です。
このあたりを押さえておけば、だいたいの選択肢は、判別できるはずです。
イソプロピルアンチピリンですが、「適正使用」でも出ます。
まず、「使用しない」ですが…、
「アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン等の解熱鎮痛成分」
「本剤又は他のかぜ薬、解熱鎮痛薬を使用(服用)してぜんそくを起こしたことがある人」
「アスピリン喘息を誘発するおそれがあるため」
「使用しない(服用しない)」
…となっています。
次に、「相談すること」ですが、「医薬品」のところに記述があるので、押さえておきたいところです。
「妊婦又は妊娠していると思われる人」
「アスピリン、アスピリンアルミニウム、サザピリン、エテンザミド、サリチルアミド、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン、アセトアミノフェンが配合されたかぜ薬、解熱鎮痛薬」
「妊娠末期のラットに投与した実験において、胎児に弱い動脈管の収縮がみ られたとの報告があるため。」
「なお、アスピリンについては、動物実験(ラット)で催奇形性が現れたとの報告があるため。」
「また、イソプロピルアンチピリンについては、化学構造が類似した他のピリン系解熱鎮痛成分において、動物実験(マウス)で催奇形性が報告されているため」
上記の「相談すること」は、押えておきましょう。
当該イソプロピルアンチピリンですが、他に「相談すること」の論点がありますが、これらは、余裕があれば、見ておくくらいでいいと思います。
登録販売者の勉強方法等は、「登録販売者の独学」に述べています。独学の概要・注意事項などはこちらで。
次いで、医薬品の成分の暗記が苦手な人へのアドバイスです。
実地が一番頭に入ります。成分・効能が頭に入らない方は、机の前の勉強を止めて、ドラッグストア等で、実際の医薬品を手にしてみてください。
先に挙げた、「セデス・ハイ」や「サリドンWi」などのページを見ながら、テキストと突き合わせるだけでも、記憶に残ります。
テキストの字面だけでは、記憶の残りは悪いので、実物を目で見て触って確かめて、憶えていきましょう。
「解熱鎮痛薬」の他の「解熱鎮静成分」へのリンクです。
使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、
テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、
過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。
登録販売者のこまごましたことは、ブログに投稿しています。
興味のある方は、「登録販売者の投稿記事 」の「登録販売者:語呂合わせ」や「登録販売者:まとめ」、「登録販売者:憶え方」などをお目汚しください。
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