登録販売者の試験科目「主な医薬品とその作用(通称:医薬品)」の第1章「精神神経に作用する薬」の「解熱鎮痛薬」の「代表的な配合成分、主な副作用」を述べたページ。手引きの該当記述を挙げるほか、優先順位やポイントなどをコメント方式で説述する。独学者向けの内容。
復習用に、手引きの「代表的な配合成分、主な副作用」部分を抜粋すると…、
「(a) 解熱鎮痛成分」
「解熱鎮痛成分は、化学的に合成された成分と生薬成分とに大別される。」
【化学的に合成された成分】
「悪寒・発熱時の解熱のほか、頭痛、歯痛、抜歯後の疼痛、咽喉痛(喉の痛み)、耳痛、関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛、肩こり痛、打撲痛、骨折痛、捻挫痛、月経痛(生理痛)、外傷痛の鎮痛に用いられる。」
「解熱に関しては、中枢神経系におけるプロスタグランジンの産生抑制作用のほか、腎臓における水分の再吸収を促して循環血流量を増し、発汗を促進する作用も寄与している。」
「体の各部(末梢)での痛みや炎症反応に対しては、局所のプロスタグランジン産生を抑制する作用により、それらを鎮める効果を発揮する(アセトアミノフェンの場合を除く。)。」
「循環血流量の増加は心臓の負担を増大させるため、心臓に障害がある場合は、その症状を悪化させるおそれがある。」
「また、末梢におけるプロスタグランジンの産生抑制は、腎血流量を減少させるため、腎機能に障害があると、その症状を悪化させる可能性がある。」
「肝臓においては、解熱鎮痛成分が代謝されて生じる物質がアレルゲンとなってアレルギー性の肝機能障害を誘発することがある。」
「また、肝臓ではプロスタグランジンの産生抑制が逆に炎症を起こしやすくする可能性もあり、肝機能障害がある場合は、その症状を悪化させるおそれがある。」
「また、成分によっては、まれに重篤な副作用として肝機能障害や腎障害を生じることがある。」
「プロスタグランジンには胃酸分泌調節作用や胃腸粘膜保護作用もあるが、これらの作用が解熱鎮痛成分によって妨げられると、」
「胃酸分泌が増加するとともに胃壁の血流量が低下して、胃粘膜障害を起こしやすくなる。」
「そうした胃への悪影響を軽減するため、なるべく空腹時を避けて服用することとなっている場合が多い。」
「胃・十二指腸潰瘍があると、その症状を悪化させるおそれがある。」
「以上のことより、心臓病、腎臓病、肝臓病又は胃・十二指腸潰瘍のある人の場合は、使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談することが望ましい。」
「なお、これらの基礎疾患がない場合でも、長期間にわたって解熱鎮痛薬 を使用すると、自覚症状がないまま徐々に臓器の障害が進行するおそれがあるため、長期連用は避けるべきである。」
「また、アルコールが解熱鎮痛成分の吸収や代謝に影響を与え、肝機能障害等の副作用を起こしやすくするおそれがあるため、解熱鎮痛薬の服用期間中は、飲酒は避けることとされている。」
「化学的に合成された解熱鎮痛成分に共通して、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群や中毒性表皮壊死融解症、喘息を生じることがある。」
「喘息については「アスピリン喘息」としてよく知られているが、これはアスピリン特有の副作用ではなく、他の解熱鎮痛成分でも生じる可能性がある。」
「このほか、胎児への影響(※1)を考慮して、妊婦又は妊娠していると思われる女性に関して、使用上の注意「相談すること」の項で注意喚起がなされている。」
…となっています。
(※)の「胎児への影響」のところに、「注記」があります。
挙げると…、
「アスピリン、サザピリン、サリチルアミド、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン等を、妊娠末期のラットに投与した実験において、」
「胎児に弱い動脈管の収縮が見られたとの報告がある。」
「なお、アスピリンについては、動物実験(ラット)で催奇形性が現れたとの報告がある。」
「また、イソプロピルアンチピリンについては、化学構造が類似した他のピリン系解熱鎮痛成分において、動物実験(マウス)で催奇形性が報告されている。」
…となっています。
当該注記は、重要な注記で、よくよく試験に出ています。
「医薬品」のほか、「適正使用」でも、よく出るので、何度も目を通して憶えてしまいましょう。
ポイントがありまくりで、受験生泣かせのところです。
一口で言うと、全部大事です。
最初の方の…、
「解熱に関しては、中枢神経系におけるプロスタグランジンの産生抑制作用のほか、腎臓における水分の再吸収を促して循環血流量を増し、発汗を促進する作用も寄与している。」
…は、「ひっかけ」問題が出るので、意識して見ておきましょう。
「ひっかけ」の例としては、「中枢神経系におけるプロスタグランジンの産生“促進”作用のほか、腎臓における水分の再吸収を“抑制して”、循環血流量を“減らし”、発汗を“抑制”作用」などなどです。
「愛媛県 R5 午後第1問」といった出題例があります。個々の文言は、正確に見ておきましょう。
次に、「体の各部(末梢)での痛みや炎症反応に対しては、局所のプロスタグランジン産生を抑制する作用により、それらを鎮める効果を発揮する(アセトアミノフェンの場合を除く。)。」のところですが、「アセトアミノフェン」だけ、除外されているので、注意してください。
当該アセトアミノフェンですが、「主として中枢作用によって解熱・鎮痛をもたらすため、末梢における抗炎症作用は期待できない」です。
参考:アセトアミノフェン
さて、次に、兎にも角にも、禁忌と副作用は、そのすべてが出題対象と化しています。
最低でも…、
「心臓病、腎臓病、肝臓病又は胃・十二指腸潰瘍のある人の場合は、使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談することが望ましい。」
…は、押さえておくべきです。
余裕があれば、個々の詳細な記述も追っておきましょう。
次に、副作用は、まれ重篤副作用を含めて、そのすべてを憶えておくべきです。
「化学的に合成された解熱鎮痛成分に共通して、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群や中毒性表皮壊死融解症、喘息を生じることがある。」
…も、出題実績のある記述なので、押えておきましょう。
そのほか、「飲酒しない」、「長期連用しない」といった「使用上の注意」も、確実に押さえておきましょう。
兎に角、よく出ます。ということは、点数になるところです。このページを「お気に入り」に入れておいて、時間が空いたら目を通しましょう。
解熱鎮痛薬の配合成分は、以下のとおりです。
「解熱鎮痛薬」の生薬成分の記述は…、
「【生薬成分】」
「生薬成分が解熱又は鎮痛をもたらす仕組みは、化学的に合成された成分(プロスタグランジンの産生を抑える作用)と異なるものと考えられており、」
「アスピリン等の解熱鎮痛成分の使用を避けなければならない場合にも使用できる。」
…となっています。
こういう記述も出るようになってるので、丁寧に読んでおきましょう。
特に、「アスピリン等の解熱鎮痛成分の使用を避けなければならない場合にも使用できる。」のところは、試験に出しやすいと言えます。
なお、「解熱鎮痛薬」の生薬成分は、以下の通りです。
詳細な記述は、以下のリンク先を参考にしてください。
・ジリュウ
・ボウイ
・カンゾウ
・ケイヒ
…となっています。
そして、なぜか、当該生薬成分のところに、「コンドロイチン硫酸ナトリウム(コンドロイチン硫酸)」が登場しています。
当該コンドロイチン硫酸ナトリウムの記述は、「関節痛や肩こり痛等の改善を促す作用を期待」です。
マイナー成分でも、試験に出るようになってるので、押えておきましょう。
「解熱鎮痛薬」の漢方処方製剤の前文には…、
「鎮痛の目的で用いられる漢方処方製剤としては、芍薬甘草湯、桂枝加朮附湯、桂枝加苓朮附湯、薏苡仁湯、麻杏薏甘湯、疎経活血湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、釣藤散、呉茱萸湯等がある。」
「これらのうち、呉茱萸湯以外はいずれも構成生薬としてカンゾウを含んでいる。」
「略」
「また、これらのうち芍薬甘草湯以外は、比較的長期間(1ヶ月位)服用されることがある。」
…となっています。
こういう記述も出ることには出るのですが、余裕がないなら、パスでいいです。
次に、「解熱鎮痛薬」の漢方処方製剤は、以下の通りです。
・薏苡仁湯
・釣藤散
・呉茱萸湯
・相互作用
使用教材の詳細は「教材レビュー」に述べていますが、読むのが面倒な人は…、
テキストは、初心者向けでオマケ付きの「 らくらく完全攻略!登録販売者試験合格テキスト&問題集 第4版 」で…、
過去問は、掲載問題数が一番多い「 超重要!登録販売者過去問題集 '24年版 (2024年版) 」を使えば支障ありません。
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