宅地建物取引士(宅建・宅建士)と管理業務主任者(管業)の試験科目「民法」で、改正された「第471条:併存的債務引受における引受人の抗弁等」について解説したページ。最低限度のポイントと、チェック用の条文本文を説述する。法改正対策のページ。独学者向け。
「第471条:併存的債務引受における引受人の抗弁等」ですが、「明文化」の改正です。
問題にしやすい論点なので、押さえておくべき改正です。
主な改正内容は…、
・「引受人」は、負担した自己の債務について、その効力が生じた時に債務者が主張することができた抗弁をもって債権者に対抗することができる。
・「引受人」は、取消権や解除権は行使できない。この場合、債務者がその債務を免れるべき限度において、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。
…となっています。
まず、引受人は、債務者と「連帯債務」の関係に立ちます。
よって、債務者が主張できたことを、引受人も主張できます。
第一項には…、
『引受人は、併存的債務引受により負担した自己の債務について、その効力が生じた時に債務者が主張することができた抗弁をもって債権者に対抗することができる。』
…と、明記されました。
しかし、「併存的債務引受」は、契約上の地位の移転を受けるわけではありません。
よって、債務者の権利である取消権又は解除権は、行使できません。
引受人は、条文に…、
『債務者が債権者に対して取消権又は解除権を有するときは、引受人は、これらの権利の行使によって債務者がその債務を免れるべき限度において、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。』
…とあるように、引受人は、一定の限度で、履行が拒めるのみです。
なお、「契約上の地位の移転」ですが、これも、改正事項です。
「第539条の2:契約上の地位の移転」を、参考にしてみてください。
『引受人は、併存的債務引受により負担した自己の債務について、その効力が生じた時に債務者が主張することができた抗弁をもって債権者に対抗することができる。』
『債務者が債権者に対して取消権又は解除権を有するときは、引受人は、これらの権利の行使によって債務者がその債務を免れるべき限度において、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。』
試験勉強については、「宅地建物取引士(宅建)の独学」を、参考にしてください。
「宅建」という資格を、より知りたい方は、「資格ガイド Sランク資格:宅地建物取引士」を、一読願います。
ブログに試験勉強に関する記事を投稿しています。興味のある方は、「宅建タグの投稿記事」を、お目汚しください。
★みんなとシェアする