宅地建物取引士(宅建・宅建士)と管理業務主任者(管業)の試験科目「民法」で、改正された「第470条:併存的債務引受の要件及び効果」について解説したページ。最低限度のポイントと、チェック用の条文本文を説述する。法改正対策のページ。独学者向け。
「第470条:併存的債務引受の要件及び効果」ですが、「明文化」の改正です。
定番の「判例理論」と「通説」なので、改正を機に問われる可能性が高いです。押さえておきましょう。
主な改正内容は…、
・「併存的債務引受」の要件と効果が明文化された。
…となっています。
「債務引受」とは、債権譲渡の「債務者」版です。
債務者が負う債務と、同一性のある債務を、他の人に引き受けてもらう(債務者からすれば、債務を譲渡する)ことです。
当該「債務引受」は、判例では認められていましたが、条文に明記がなかったので、今回の改正で、明文化されました。
さて、「債務引受」には、「併存的債務引受」と「免責的債務引受」の2つがあります。
本条(第470条)では、「併存的債務引受」の要件と効果が明文化されています。
「併存的債務引受」の要件は、第二項と第三項に定められており…、
第二項・・・『併存的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる。』
第三項・・・『併存的債務引受は、債務者と引受人となる者との契約によってもすることができる。この場合において、併存的債務引受は、債権者が引受人となる者に対して承諾をした時に、その効力を生ずる。』
…といった塩梅です。
簡単に言うと、「債権者と引受人の契約」と、「債務者と引受人の契約+債権者の承諾」といった次第です。
注意すべきは、後者です。
「債権者と引受人の契約」は、それだけで、効力が生じます。
しかし、「債務者と引受人の契約」では、効力が生じず、「債権者の承諾」があってはじめて、効力が生じます。
逆を言えば、「債務者と引受人」のケースの場合、「効力は生じないけれども、契約はできる」といった塩梅です。
この当たり、「ひっかけ」で出そうなので、念入りにチェックしておきましょう。
「併存的債務引受」が効力を生じた場合、債務者と引受人は、「連帯債務」の関係となります。
条文まんまですが、第一項に…、
『併存的債務引受の引受人は、債務者と連帯して、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担する。』
…と、明記されています。
本試験では、「連帯債務」と絡めて出題されそうなので、たとえば、「債務の履行」の相対的効力などと併せて出題されそうです。
一緒に勉強しておきましょう。
『併存的債務引受の引受人は、債務者と連帯して、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担する。』
『併存的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる。』
『併存的債務引受は、債務者と引受人となる者との契約によってもすることができる。この場合において、併存的債務引受は、債権者が引受人となる者に対して承諾をした時に、その効力を生ずる。』
『前項の規定によってする併存的債務引受は、第三者のためにする契約に関する規定に従う。』
試験勉強については、「宅地建物取引士(宅建)の独学」を、参考にしてください。
「宅建」という資格を、より知りたい方は、「資格ガイド Sランク資格:宅地建物取引士」を、一読願います。
ブログに試験勉強に関する記事を投稿しています。興味のある方は、「宅建タグの投稿記事」を、お目汚しください。
★みんなとシェアする