登録販売者の「主な医薬品とその作用(通称:医薬品)」の「漢方処方製剤」の「鎮痛」に登場する「桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)」の対策ページ。本ページでは、当該漢方処方製剤のポイントをまとめたり、「○×問題」を出したり、過去問を紹介したりしています。
基本問題です。
問2は、誤った記述です。
「桂枝加朮附湯」ですが、虚実は、「体力虚弱」です。
加えて、禁忌は、「のぼせが強く赤ら顔で体力が充実している人には不向き」となっています。
よって、いくら体力のある人でも、のぼせ・赤ら顔の人は、安心して服用できません。
まあ、そもそも、「医薬品は安心して使える」という記述が不適当なので、常識的に、「×」と判断できるかと思います。
「桂枝加朮附湯」ですが、あまり出ない漢方処方製剤です。
よって、「後回し」でもいいのですが、最近の傾向を見るにつけて、「聖域」がなくなってきています。
当該当該「桂枝加朮附湯」ですが、令和4年度に改正された漢方処方製剤です。
出題頻度は少ないとはいえ、念のため、押さえておくべきかと思います。
さて、「桂枝加朮附湯」は、市販されている漢方処方製剤があります。
テキストはもとより、ドラッグストア等で、実物を手にして、勉強しましょう。
amazon参考:桂枝加朮附湯
楽天参考:桂枝加朮附湯
以前の手引きでは、当該「桂枝加朮附湯」と、「桂枝加苓朮附湯」は、同じ説明がなされていました。
しかし、改正によって…、
「桂枝加朮附湯…体力虚弱で、汗が出、手足が冷えてこわばり、ときに尿量が少ないものの関節痛、神経痛に適すとされる。」
「桂枝加苓朮附湯…体力虚弱で、手足が冷えてこわばり、尿量が少なく、ときに動悸、めまい、筋肉のぴくつきがあるものの関節痛、神経痛に適すとされる。」
…と、個々に説明が付与されました。
違いですが…、
・桂枝加朮附湯…汗が出るものが対象。
・桂枝加苓朮附湯…ときに動悸、めまい、筋肉のぴくつきがあるものが対象。
…となっています。
ガチ暗記は無用ですが、違いは意識して押さえておきましょう。「入れ替え」問題の出題が予想されるからです。
たとえば、「桂枝加朮附湯は、体力虚弱で、手足が冷えてこわばり、尿量が少なく、ときに動悸、めまい、筋肉のぴくつきがあるものの関節痛、神経痛に適すとされる」などと出題されそうです。
「×」です。「筋肉のぴくつき」があるのは、桂枝加“苓”朮附湯ですね。
「桂枝加朮附湯」の体力規定ですが、「体力虚弱」となっています。
当該体力虚弱は、そう数がなく、選択肢判別の格好のキーとなっています。
いのいちに、押えておきましょう。
参考:体力虚弱
なお、「鎮痛」の薬にて、「体力虚弱」なのは、当該「桂枝加朮附湯」と「桂枝加苓朮附湯」のみとなっています。
くだらない語呂ですが、「虚弱な刑事課」くらいに把握するとよいでしょう。
語呂の詳細ですが…、
「虚弱」は、「体力“虚弱”」です。
「刑事課」は、「“桂枝加”朮附湯」と「“桂枝加”苓朮附湯」です。
「桂枝加朮附湯」ですが、先の例題で見たように…、
・のぼせが強く赤ら顔で体力が充実している人
…には、不向きとされています。
その理由は、「動悸、のぼせ、ほてり等の副作用が現れやすい等」からです。
先に見たように、「桂枝加朮附湯」は、「体力虚弱」の人向けなので、「体力が充実している人」には不向きと、憶えるとよいでしょう。
そして、お友達の漢方の「桂枝加苓朮附湯」も、赤ら顔・体力充実ダメ、となっています。
さて、ついでに言っておくと、同じ文言の禁忌(赤ら顔・体力充実ダメ)があるのは、「泌尿器用薬」の漢方の「牛車腎気丸」と「八味地黄丸」です。
「桂枝加朮附湯」のキーワードは、「手足が冷えてこわばり」です。
まあ、「桂枝加朮附湯」は、そう出ないので、余裕があれば、押えるくらいで結構です。
「桂枝加朮附湯」の構成生薬は、「カンゾウ」です。
基本的に、第1節の「精神神経に作用する薬」の漢方には、その大半にカンゾウが入っています。
よって、カンゾウ入りを個別で押えるのは、かなりの手間となります。
「逆」を言えば、「精神神経に作用する薬」の漢方で、カンゾウの入ってないものは、極めて少ないと言えます。
よって、「カンゾウの入ってない」ものを、語呂で押える方が効率的です。
んで、当該「カンゾウの入ってない」ですが、「構成生薬がない」ものと、「カンゾウがなく、ダイオウのみ入っている」ものの「2系統」があります。
まず、「構成生薬がない」の語呂ですが、呉茱萸湯と半夏厚朴湯には、構成生薬の「カンゾウ、マオウ、ダイオウ」が入っていません。
これを示す語呂は、「ご飯なし」です。
「ご」は、「“呉”茱萸湯」です。
「飯」は、「“半”夏厚朴湯」です。
「なし」は、「構成生薬がない」ことを意味します。
次に、「カンゾウがなく、ダイオウのみ入っている」ものですが、これは、「鎮静」と「疳の薬」の「柴胡加竜骨牡蛎湯」です。
語呂は、「大きなサイの骨」くらいに憶えましょう。
詳細ですが、「大きな」は「ダイオウ」の「大」で、「サイの骨」は、「“柴”胡加竜“骨”牡蛎湯」です。
このように、「精神神経に作用する薬」では、呉茱萸湯、半夏厚朴湯、柴胡加竜骨牡蛎湯は「カンゾウなし」で、これら3つ以外は、すべて「カンゾウ入り」と把握するってな塩梅です。
「桂枝加朮附湯」は、先の「カンゾウのない」語呂合わせに登場しないので、「逆算」で、「カンゾウ入り」となります。
「桂枝加朮附湯」の「稀な重篤な副作用」は、「ない」です。
ちなみに、「鎮痛」の漢方処方製剤で、「まれ重篤副作用」があるのは、「芍薬甘草湯(肝機能障害・間質性肺炎)」だけです。
よって、「鎮痛のまれ重篤・・・芍薬甘草湯のみで、他はない」と、全体から押えるのが賢明です。
「桂枝加朮附湯」ですが、手引きには…、
「比較的長期間(1ヶ月位)服用されることがある」と、記載されています。
「鎮痛」の薬は、当該「1ヶ月くらい服用」が、共通する数字となっています。
そして、「鎮痛」の薬にて、当該記載がないのは、「芍薬甘草湯」のみとなっています。
よって、「鎮痛は、ほとんどが1ヶ月くらい服用可能。しかし、芍薬甘草湯のみダメ(連用不可)。」と、憶えるとよいでしょう。
「桂枝加朮附湯」の過去問演習用として、東京都等の問題をピックアップしました。
こういう出題があったので、チェックしておきましょう。
・近年なし。
・近年なし。
・近年なし。
当該漢方の語呂をまとめておきます。チェック用に。
・虚弱な刑事課…体力虚弱。
・ご飯なし…カンゾウ・マオウ・ダイオウが入ってない。
・大きなサイの骨…ダイオウのみ。
なお、語呂合わせですが、「鎮痛 語呂 まとめ・解説」「鎮痛 語呂 逆引き」にまとめているので、こちらも活用してください。
『桂枝加朮附湯』
『体力虚弱で、汗が出、手足が冷えてこわばり、ときに尿量が少ないものの関節痛、神経痛に適すとされる。』
『しかし、動悸、のぼせ、ほてり等の副作用が現れやすい等の理由で、のぼせが強く赤ら顔で体力が充実している人には不向きとされる。』
『構成生薬として、カンゾウを含む。』
『比較的長期間(1ヶ月位)服用されることがある。』
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