20問‐乙4公式過去問解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 危険物取扱者 乙種4類(乙4)の公式過去問の、第20問目の解説。本問は、消火剤の問題です。文系は必ず点にしないといけません。難易度は「やさしい」です。公式の過去問には解説がないので選択肢ごとに解説を付与する。暗記や憶え方、まとめページへのリンクもある。

20問‐消火剤

 

 (クリックして拡大。)

難易度コメント+こたえ

 本問のレベルは「ふつう」です。

 文系なら、得意とする問題です。

 本問の答えは、「こちら(番号のみ)」です。

解説

 本問のテーマは、ド定番論点の「消火“剤”」です。それぞれの特徴を暗記すれば、100%取れる問題です。

選択肢1

 選択肢1の「泡消火剤は、微細な気泡の集合体で燃焼面を覆う窒息効果と、水分による冷却効果によって消火する。」ですが、正しい記述です。

 「泡消火剤」には、「窒息効果」と「冷却効果」があります。

 通常の「泡消火器」には「水」が入っており、だから、「冷却効果」があります。

 有事の際は、この「水」と「界面活性剤(洗剤)」とを混ぜてできあがる「泡」をぶっかける、ってな塩梅です。

 なお、「泡消火器」は、「電気火災」には使えません。水気があるからです。

 ところで、空母の火災では、当該泡消化剤が使われます。

 かつての日本海軍の空母(赤城・加賀など)は、消火設備が主に水だったため、ひとたび航空燃料に着火すると鎮火できず、火災によって大破・沈没しました。

 米海軍の空母も、当初は、主に水消火でしたが、後に改装され、泡消化設備に切り替わりました。

 また、航空燃料用の配管は、戦闘開始後、空にされ、炭酸ガスが注入されて、火災の延焼を防げるようになっているなど、火災に強い構造になっていました。

選択肢2

 選択肢2の「二酸化炭素消火剤は、主として酸素濃度を下げる窒息効果によって消火する」ですが、正しい記述です。

 ご存じのように、「二酸化炭素」は燃えないので、「窒息」の効果が期待できるわけです。

 ところで、よく出るのですが「二酸化炭素消化剤」に、「抑制効果(不触媒作用)」はありません。

 もし、「抑制効果がある」と仮定したら、わたしたちは、自分の吐く二酸化炭素で、くらくらすることになります。

選択肢3

 選択肢3の「水は、蒸発熱により燃焼物の温度を下げる冷却効果によって消火する。さらに気化により発生した水蒸気による窒息効果もある。」ですが、正しい記述です。

 「水」には、「冷却効果」と「窒息効果」があります。

 テキストで確認しておきましょう。

 太古から、火事に水が使われて来たのも、「水」の優れた消化作用のためです。

選択肢4

 選択肢4の「粉末消火剤は、燃焼の連鎖反応を中断させる負触媒(抑制)効果によって消火する。」ですが、正しい記述です。

 粉末消化剤には、「抑制効果(不触媒作用)」があり、そして、薬剤による「窒息効果」もあります。

 粉末消化剤は、おおむね「リン酸アンモニウム」が主成分です。そのほか、「炭酸水素ナトリウム(重曹)」などが入っていることもあります。

 粉末なのですから、冷たくありません。

 んなもんで、粉末消化剤には、「冷却効果」はありません。

選択肢5

 選択肢5の「ハロゲン化物消火剤は、主として燃焼物の温度を引火点以下に下げる冷却効果によって消火する。」ですが、誤った記述です。

 「ハロゲン化物消化剤」は、「抑制効果(不触媒作用)」と「窒息効果」です。「冷却効果」は、ありません。

 従って、当該選択肢は「×」で、これが答えとなります。

答え

 答え:5

 次の問題へ。

過去問その他の問題

 本問以外の問題は、以下のリンク先にあります。

 通勤・通学中にどうぞ。

法令

 1問:危険物の品名・・・基本中の基本問題。「やさしい」。

 2問:予防規定・・・迷彩あるも「普通」。

 3問:指定数量計算・・・「ふつう」。

 4問:保安距離・・・「ふつう」。語呂合わせ。

 5問:5種消火設備・・・「やや難」。捨て問でよい。

 6問:屋内タンク貯蔵所・・・「難」。解けなくはない。

 7問:市町村長への届出・・・「ふつう」。取れる問題。

 8問:使用停止命令・・・「ふつう」。基礎・基本レベル。

 9問:定期点検・・・「やさしい」。絶対レベル。

 10問:免状の書換・再交付・・・「ふつう」。

 11問:危険物保安監督者・・・「難」。ポイントのみ。

 12問:移動タンク貯蔵所・・・「ふつう」。取れる問題。

 13問:保安検査・・・「ふつう」。

 14問:運搬容器・・・「やさしい」。基本問題。

 15問:給油取扱所:顧客用固定注油設備の彩色・・・「難」。解けない。捨て問。

物化

 16問:可燃物・・・「やさしい」。文系でも解ける。

 17問:燃焼要素・・・「ふつう」。

 18問:mol計算・・・「ふつう」。ガンバレ文系。

 19問:自然発火・・・「ふつう」。文系でも取れる。

 20問:消火剤・・・「やさしい」。文系ガチ取り。

 21問:静電気・・・「やや難」。

 22問:燃焼熱計算・・・理系可。文系不可。

 23問:化学基礎用語・・・「ふつう」。文系OK。

 24問:金属のイオン化列・・・「やさしい」。文系100%。

 25問:状態変化・・・「やさしい」。文系OK。

性消

 26問:類ごとの共通性状・・・「やさしい」。

 27問:第4類の貯蔵・取扱・・・「やさしい」。

 28問:第1石油類・・・「やさしい」。

 29問:乙4の貯蔵・・・「ふつう」。解ける。

 30問:4類火災・・・「ふつう」。

 31問:自動車ガソリン・・・「ふつう」。

 32問:キシレン・・・「ふつう」。解ける。

 33問:灯油・・・「ふつう」。解ける。

 34問:アセトアルデヒド・・・「やや難」。だが解く。

 35問:アセトン・・・「難」。

アーカイブ(旧掲載問題)

 旧15問(R5)‐給油取扱所

 旧26問(R5)‐類別の特性

 旧8問(R4)‐許可の取消

 旧13問(R4)‐保安講習

 旧21問(R4)‐静電気

 旧31問(R4)‐4類性状

 旧4問(R2)‐保安距離

 旧12問(R2)‐危険物保安監督者

 旧20問(H29)‐静電気

 旧21問(H28)‐熱化学用語

 旧27問(H29)‐泡消火剤

 旧29問(H29)‐ガソリン

独学向け教材

 「教材レビュー」にて詳細に述べていますが、読むのがメンドウな人は…、

 テキストは、文系でも大丈夫な「 チャレンジライセンス 乙種4類危険物取扱者テキスト 新訂版 」を…、

 過去問は、最新問題が掲載される「 乙種4類危険物取扱者試験 令和6年版 」を利用します。

PDF過去問の閲覧

 

 PDFの閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“過去問演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないです。

 手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。他のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDF過去問の閲覧も可能で、費用対効果が秀逸です。

 受験が終わっても、ボイラーや冷凍機械等の試験で使えるし、サブ機としても使えます。2電工を機に「Fire HD」を検討するのも、損はないです。

乙4のこまごましたもの

 乙4に関するこまごましたことは、たとえば、「危険物取扱者や消防設備士を他府県受験するときの願書と封筒」などを、ブログにも投稿しています。

 興味のある方は、「危険物取扱者 乙種4類:ブログ記事」をばご参考ください。

 試験科目個々の勉強方法は、「乙4の独学」をお読みください。

みんなとシェアする