6問‐乙4公式過去問解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 危険物取扱者 乙種4類(乙4)の公式過去問の、第6問目の解説。第6問は、屋内タンク貯蔵所の問題です。ただし、本問は、「平屋建て以外の屋内タンク貯蔵所」となっており、難易度は高くなっています。公式の過去問には解説がないので選択肢ごとに解説を付与する。暗記や憶え方、まとめページへのリンクもある。

6問‐屋内タンク貯蔵所

 

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難易度コメント+こたえ

 本問のレベルは「難」です。

 本問は、ほとんどの受験生が落とすはずです。

 「捨て問」対応の練習くらいに見ておけばいいです。

 また、無理に復習しなくてもいいです。選択肢4の太文字部分だけ、チェックしておきましょう。

 個人的な感想を言うと、(こんなクソ問題、よく出すな)です。

 本問の答えは、「こちら(番号のみ)」です。

解説

 注意すべきは、本問の対象が「平家建“以外”の建築物に設ける屋内タンク貯蔵所」となっているところです。

 多くのテキストの「屋内タンク貯蔵所」は、「平屋建て」の中に設けられるものが対象となっています。

 テキストには、「屋内貯蔵タンクは、平屋建てのタンク専用室に設置します」ウンヌンという記述があるかと思います。

 しかし、本問では、「平家建“以外”の建築物に設ける屋内タンク貯蔵所」となっています。

 当該「平屋建て“以外”の屋内タンク貯蔵所」を記載しているテキストは少ないため、受験生の中には“全く知らない”ことが予想されます。

 ですから、本問は「消去法」で選択肢を絞り込んで、後は「運を天に任す」のみです。

 こういう、まったく未知の「難問」が、本試験では出ることがあります。傾向把握の一環として、見ておきましょう。

選択肢1

 選択肢1の「貯蔵し、または取り扱うことのできる危険物は、引火点が40度以上の第4類危険物のみに限られている」ですが、これは、よくわからないため「?」とします。

 なお、通常の「屋内タンク貯蔵所」では、こうした規定はありません。

選択肢2

 選択肢2の「タンク専用室に窓を設ける場合は、特定防火設備にしなくてはいけない」ですが、怪しさを感じます。

 テキストの「屋内タンク貯蔵所」の規定を、思い出してください。

 「屋内タンク貯蔵所」でのタンク専用室の窓は、「網入りガラス」としなくてはいけませんでした。

 「平屋建以外の屋内タンク貯蔵所」でも、窓の規制は同じような感じがします。んなもんで、とりあえずは、「×」としておきます。

選択肢3

 選択肢3の「屋内貯蔵タンクの外面には、さびどめのための塗装をしなくてはいけない」ですが、これは、常識的に判断できそうです。

 「平屋建」だろうが「平屋建以外」だろうが、タンクにさび止めをするのが穏当といえます。

 よって、「○」としておきましょう。

選択肢4

 選択肢4の「屋内貯蔵タンクには、容量制限が定められている」ですが、「屋内タンク貯蔵所」の規定から類推できます。

 「タンクの容量制限の語呂と憶え方」でも述べているのように、「屋内タンク貯蔵所」のタンクには、容量制限があります。

 念のため、述べておくと…、

 ・指定数量の40倍以下。

 ・乙4危険物のうち、「特殊引火物、第1石油類、アルコール類、第2石油類、第3石油類は、「20,000リットル」以下。

 …となっています。

 「平屋建以外の屋内タンク貯蔵所」も、同じ屋内のタンクですから、“何かしらの”容量制限があっておかしくありません。

 んなもんで、「○」としましょう。

選択肢5

 選択肢5の「タンク専用室は、壁、柱、床、及びはりを耐火構造とし、上階のない場合にあっては、屋根を不燃材料で作り、かつ、天井を設けてはいけない」ですが、これは不明で、「?」です。

 「屋内タンク貯蔵所」では、壁・柱・床は耐火構造で、屋根・はりは不燃材料でした。

 しかし、本問は、「平屋建以外」のため、はりも耐火構造であっておかしくありません。

 ですから、選択肢5は「?」とします。

答えを絞り込む

 まずは、「○」っぽい、選択肢3と選択肢4を消去します。

 残るのは、選択肢1の「?」、選択肢2のとりあえず「×」、そして、選択肢5の「?」となります。

 これら3つは、どれも正しそうだし、間違ってそうでもあります。

 んなもんで、もう、3分の1の「33%」で当たるので、好きな番号をマークしましょう。

 「知らない」んだから、「答えようがない」です。

解答のコツ

 危険物取扱者試験では、難しい問題、新しい問題、意味不明な問題が出た場合、おおむね「基礎・基本」的なものが「解答のキー」となっていることが多いです。

 本問のように、選択肢の中では基本レベルの「窓ガラスには網要りガラス」を知っていて、そこから類推して答えることができたら、正解という寸法です。

 新問題・難問・珍問に当たったら、難しい選択肢に拘泥せず、「基礎・基本レベル」の選択肢に狙いをつけて選択肢を絞り込んでください。

答え

 正解:2

 次の問題へ。

参考リンク

 本問のおさらいには、以下のブログ記事が役に立ちます。

 ブログ:タンクの容量制限の語呂と憶え方

過去問その他の問題

 本問以外の問題は、以下のリンク先にあります。

 通勤・通学中にどうぞ。

法令

 1問:危険物の品名・・・基本中の基本問題。「やさしい」。

 2問:予防規定・・・迷彩あるも「普通」。

 3問:指定数量計算・・・「ふつう」。

 4問:保安距離・・・「ふつう」。語呂合わせ。

 5問:5種消火設備・・・「やや難」。捨て問でよい。

 6問:屋内タンク貯蔵所・・・「難」。解けなくはない。

 7問:市町村長への届出・・・「ふつう」。取れる問題。

 8問:使用停止命令・・・「ふつう」。基礎・基本レベル。

 9問:定期点検・・・「やさしい」。絶対レベル。

 10問:免状の書換・再交付・・・「ふつう」。

 11問:危険物保安監督者・・・「難」。ポイントのみ。

 12問:移動タンク貯蔵所・・・「ふつう」。取れる問題。

 13問:保安検査・・・「ふつう」。

 14問:運搬容器・・・「やさしい」。基本問題。

 15問:給油取扱所:顧客用固定注油設備の彩色・・・「難」。解けない。捨て問。

物化

 16問:可燃物・・・「やさしい」。文系でも解ける。

 17問:燃焼要素・・・「ふつう」。

 18問:mol計算・・・「ふつう」。ガンバレ文系。

 19問:自然発火・・・「ふつう」。文系でも取れる。

 20問:消火剤・・・「やさしい」。文系ガチ取り。

 21問:静電気・・・「やや難」。

 22問:燃焼熱計算・・・理系可。文系不可。

 23問:化学基礎用語・・・「ふつう」。文系OK。

 24問:金属のイオン化列・・・「やさしい」。文系100%。

 25問:状態変化・・・「やさしい」。文系OK。

性消

 26問:類ごとの共通性状・・・「やさしい」。

 27問:第4類の貯蔵・取扱・・・「やさしい」。

 28問:第1石油類・・・「やさしい」。

 29問:乙4の貯蔵・・・「ふつう」。解ける。

 30問:4類火災・・・「ふつう」。

 31問:自動車ガソリン・・・「ふつう」。

 32問:キシレン・・・「ふつう」。解ける。

 33問:灯油・・・「ふつう」。解ける。

 34問:アセトアルデヒド・・・「やや難」。だが解く。

 35問:アセトン・・・「難」。

アーカイブ(旧掲載問題)

 旧15問(R5)‐給油取扱所

 旧26問(R5)‐類別の特性

 旧8問(R4)‐許可の取消

 旧13問(R4)‐保安講習

 旧21問(R4)‐静電気

 旧31問(R4)‐4類性状

 旧4問(R2)‐保安距離

 旧12問(R2)‐危険物保安監督者

 旧20問(H29)‐静電気

 旧21問(H28)‐熱化学用語

 旧27問(H29)‐泡消火剤

 旧29問(H29)‐ガソリン

独学向け教材

 「教材レビュー」にて詳細に述べていますが、読むのがメンドウな人は…、

 テキストは、文系でも大丈夫な「 チャレンジライセンス 乙種4類危険物取扱者テキスト 新訂版 」を…、

 過去問は、最新問題が掲載される「 乙種4類危険物取扱者試験 令和6年版 」を利用します。

PDF過去問の閲覧

 

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乙4のこまごましたもの

 乙4に関するこまごましたことは、たとえば、「危険物取扱者や消防設備士を他府県受験するときの願書と封筒」などを、ブログにも投稿しています。

 興味のある方は、「危険物取扱者 乙種4類:ブログ記事」をばご参考ください。

 試験科目個々の勉強方法は、「乙4の独学」をお読みください。

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