宅地建物取引士(宅建・宅建士)と管理業務主任者(管業)の試験科目「民法」で、改正された「第1031条:配偶者居住権の登記等」について解説したページ。最低限度のポイントと、チェック用の条文本文を説述する。法改正対策のページ。独学者向け。
「第1031条:配偶者居住権の登記等」ですが、大きな「新設規定」の1つです。
知識問題で出そうなので、確実に押えておきましょう。
主な改正内容は…、
・配偶者居住権は、登記をすることができる。
・建物の所有者は、配偶者居住権が発生した場合、それを登記する義務を負う。
…となっています。
配偶者居住権は、登記のできる権利です。
そして、この登記をしなくてはいけないのは、「建物の所有者」となっています。
条文には…、
『居住建物の所有者は、配偶者に対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負う。』
…と、明記されています。
「ひっかけ」で、登記義務者が「“配偶者”」に、変えられそうなので注意してください。
たとえば、「配偶者居住権が発生した場合、“配偶者”は、配偶者居住権の登記をしなくてはいけない」などと、出題されそうです。
言うまでもなく、「×」です。
登記義務が課せられるのは、「建物の所有者」です。
出そうな感がバンバンするので、押えておきましょう。
なお、「配偶者“短期”居住権」は、登記ができませんし、登記義務もありません。
例題を挙げると…、
「居住建物の所有者は、配偶者に対し、配偶者居住権および“配偶者短期居住権の設定の登記を備えさせなくてはいけない。』
…などと、出そうです。
もちろん、「×」です。
第二項には、賃借人の妨害排除の準用が明記されています。
要は、配偶者居住権の登記を備えた配偶者は、不動産の賃借人のように…、
『一 その不動産の占有を第三者が妨害しているとき・・・その第三者に対する妨害の停止の請求』
『二 その不動産を第三者が占有しているとき・・・その第三者に対する返還の請求』
…を、することができるようになります。
当然といえば当然ですが、念のため、条文を押えておきましょう。
『居住建物の所有者は、配偶者(配偶者居住権を取得した配偶者に限る。以下この節において同じ。)に対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負う。』
『第六百五条の規定は配偶者居住権について、第六百五条の四の規定は配偶者居住権の設定の登記を備えた場合について準用する。』
参考:第六百五条の規定
(不動産賃貸借の対抗力)
『不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる。』
参考:第六百五条の四の規定
(不動産の賃借人による妨害の停止の請求等)
『不動産の賃借人は、第六百五条の二第一項に規定する対抗要件を備えた場合において、次の各号に掲げるときは、それぞれ当該各号に定める請求をすることができる。』
『一 その不動産の占有を第三者が妨害しているとき その第三者に対する妨害の停止の請求』
『二 その不動産を第三者が占有しているとき その第三者に対する返還の請求』
試験勉強については、「宅地建物取引士(宅建)の独学」を、参考にしてください。
「宅建」という資格を、より知りたい方は、「資格ガイド Sランク資格:宅地建物取引士」を、一読願います。
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