宅地建物取引士(宅建・宅建士)と管理業務主任者(管業)の試験科目「民法」で、改正された「第147条:裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新」について解説したページ。最低限度のポイントと、チェック用の条文本文を説述する。法改正対策のページ。独学者向け。
「第147条:裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新」ですが、「変更」の改正です。
以前とは、大きく変わったところなので、必ず押えねばならない改正です。
主な改正内容は…、
・裁判上の請求等に、時効の「更新」が新設された。
・裁判上の請求等に、時効の「完成猶予」が新設された。
…となっています。
旧法では、時効の「中断」や「停止」という文言が使われていました。
しかし、それでは、いまいち分かり難いので、改正により文言が変更されました。
時効の「中断」は、時効の「更新」になりました。
んで、時効の「停止」は、時効の「完成猶予」となりました。
かつての、時効の「中断」ですが、「時効の進行が振り出しに戻る」意味でした。
今後は、「時効の進行が振り出しに戻る」は、「更新」で、表記されます。
「停止」ですが、「一定期間、時効の完成が猶予される」意味でした。
今後は、「完成猶予」で、表記されます。
条文そのまんまですが…、
『一 裁判上の請求』
『二 支払督促』
『三 裁判上の和解又は調停』
『四 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加』
…が、なされている場合は、時効の完成が猶予されます。(完成しません。)
このあたり、過去問では頻出だったので、今後も出題される可能性が大です。
改めて押えておきましょう。
条文には、『(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)』とあります。
当該括弧書きは、判例の明文化です。
確定判決等がない、つまりは、裁判したが物別れになった場合、その終了のときから、六箇月を経過するまで、時効の完成が猶予されます。(完成しません。)
第二項には…、
『前項の場合において、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。』
…とあります。
裁判等で権利が確定した場合、先に挙げた事由が終了した時から、新たに、時効が進行します。
要は、「振出に戻る」わけで、新設された「更新」がなされる、ってな次第です。
『次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。』
『一 裁判上の請求』
『二 支払督促』
『三 民事訴訟法第二百七十五条第一項の和解又は民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)若しくは家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)による調停』
『四 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加』
『前項の場合において、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。』
試験勉強については、「宅地建物取引士(宅建)の独学」を、参考にしてください。
「宅建」という資格を、より知りたい方は、「資格ガイド Sランク資格:宅地建物取引士」を、一読願います。
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