宅地建物取引士(宅建)、管理業務主任者(管業)、マンション管理士(マン管)、これら3つの不動産資格の違いを述べていく。
代表的不動産資格の宅建、管業、マン管には受験資格がないので、独学で挑戦しやすい資格です。
とはいえ、一見だけでは、どの資格がどんな塩梅なのかよくわかりません。
そこで、当該3つの不動産資格の資格の価値や優先順位、求人数や難易度など、その違いを見ていきたいと思います。
結論から言うと、取得すべき優先順位は、『宅建→管業→(マン管)』です。
マン管を“括弧掛け”しているのは、別段、取らなくてもいいからです。
マン管はコンサルタント資格であるため、“腕に憶えのある人”以外は、取得しても、まあ活きません。
だから、『宅建→管業』と取って、腕なり力なりを蓄えてから、括弧掛けに挑戦するとよい、という寸法です。
かいつまんで言うと、マン管はコンサル資格であるため、一番「難しい」資格となっています。
次に難しいのは宅建ですが、きちんと勉強したら取れるので、「普通」といっていいでしょう。
管理業務主任者は、先の2資格と比べると「易しい」ですが、“運”で取れる資格ではないので、甘く見てはいけません。
難しい順で並べると、『(マン管)→宅建→管業』です。
マン管は、おおむね「8%」台です。
9割近くが落ちるので、難関資格といっていいでしょう。
宅建と管業はおおむね「20%」台と、マン管に比べると数倍の合格率ですが、それでも8割前後が落ちます。
楽して取れる資格ではありません。
マン管はおおむね「500~600時間」で…、
宅建は「300~400時間」くらいで…、
管業は「200~300時間」といったところです。
とはいえ、被っている試験科目が多いのが3資格の特徴です。
たとえば、民法は、上記3資格全てで出題されます。
民法以外にも、区分所有法は管業とマン管で多数が、宅建でも少数が出題されます。
出題形式も似たようなものが多く、業者規制などは、実質的にやる内容は同じです。
このように、試験科目の被りも多いので、3つのうち1つでも取っておくと、他の2つの勉強時間の短縮できます。
ですから、先の数字はあくまで目安、と相なります。
わたしの場合、管業の受験の際は、宅建を持っていたので、1.5ヶ月で合格できました。
宅建と管理業務主任者は、設置が義務付けられている必置資格であり、法的需要があります。
まず、筆頭の宅建ですが、宅建の取得者がいないと、不動産業を営業できないし、契約も締結できません。
町の不動産屋には、例外なく、宅建の有資格者がいます。
業者にとって死活に関わるので、有資格者はそれなりに評価されます。
次に、管業ですが、一定規模のマンション管理業者は、管理業務主任者の設置と、彼による業務遂行を義務付けられています。
このように、宅建と管業は、不動産業やマンション管理業で一定の法的需要があるので、資格の価値は高くなっています。
対して、マン管は、名乗るだけの名称独占資格でしかないので、これといった法的な需要もありません。
当該3つの不動産資格の求人数ですが、如実に資格の価値を反映しています。
求人がダントツに多いのは宅建で、「平均で1,200件前後」前後の求人が常にあります。
ちなみに、ハロワの登録資格のうち、2015年度7月期のTOP100中、54位に入っています。
次に求人数が多いのは管業で、「平均100件」という数字ながらも、資格の中では求人のある方です。
マン管の求人は、ハロワには「実質ない」と考えていいです。「平均15件」前後しかありません。
宅建、管業、マン管という不動産3資格は、資格の価値や難易度、勉強時間からして、「宅建→管業→(マン管)」という順番で取ればいいです。
ですが、法律的素養の全くない人は、手始めに、基本的な問題が多い管業から、手を付けるのも『1手』です。
というのも、宅建は難化傾向にあるので、ややもすると挫折しかねないためです。
比較的易しく、捻った問題の少ない管業で不動産関係の法知識を蓄え、その後で、つまり、来年に宅建に挑戦する、というのも、初心者向けの学習計画に挙げられるかと思います。
まあ、受からない試験じゃないので、やる気と時間のある人は、10月の宅建、12月の管業と受けるとよいでしょう。十分、合格できます。
マン管は、“お好きに”です。
2015年10月6日 10:23 AM
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