危険物取扱者 甲種の合格体験記-試験じゃなくて試練

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 険物取扱者 甲種の合格体験記です。試験勉強は「物化」で困り果てたが、何とか合格。文系は「物化」突破を最優先する。試験勉強の5~6割は物化だった。そのほか思い出2点。

データ的なこと

・受験回数/1回。

・受験勉強期間/1.5ヶ月

・使用過去問/『甲種危険物取扱者試験』を利用。詳しくは「教材レビュー」を。(文系・理系の「別」によって使用教材は異なるので、必ず参照ください。当方文系。乙種の「4種類」受験。

・予算/教材費が2,700円、受験料が5,000円、雑費・交通費・弁当代が約1,000円、免状用の証紙が2,800円で、総計12,000円強の費えでした。

愕然とした物化‐試験じゃなくて試練

 点数の状況は下の画像。

 

 9割得点と余裕のようですが、実際は全くそうではなく、ガチ文系の私は、「物化」のあまりの化学臭に目を回した次第で、「物化」でほとほと苦労した、という寸法です。

 後述するように、「知識問題」は、乙4で被るものもあるし、辛抱して憶えてしまえばいいだけなので、問題じゃないのです。ならぬ堪忍するが堪忍、配偶者。

 しかし、下のような「問題」に遭遇したときは、愕然としました。

 

 いきなり、「ジエチルエーテル」や「アセトン」の文言を、文系の前に出して御覧なさい。脂汗が出て良い傷薬ができますよ。

 文字でさえ脂汗なのに、これらの問題には、「化学式」の表記がありません。そう、危険物の式なんて、頭に入っていて当然、の問題だったのです。

 初遭遇したときは、往来でタイガーⅠに遭遇したM4戦車のように、あわわのパニックです。

 正直、卒倒して数秒ぼんやりした後、気を取り直して、あーこれは「試練」だなーと思った次第です。ここを超えない限り、受からないんだろうなー、と。

 こうして、後述するような「物化受難」が始まるのでした。

 なお、理系の方は「物化」が問題ではないので、以下を読む必要はなく、「甲種の独学(理系向け)」を参考にしてください。

 ちなみに、先の画像の黄色の蛍光ペンの箇所は、「よく出る危険物」なので、まずはここから憶えようと苦闘した後です。

物化徹底

 ご存知と思いますが、危険物取扱者試験は、試験科目ごとに合格判定があり、それぞれで「6割」を正解しなくてはいけません。

 ですから、10問構成の物化は「6問」正解する必要があるわけですが、これが、文系にとっては、「越すに越されぬ田原坂」なのでごわす。

 「甲種の独学(文系向け)」でも述べていますが、「法令」「性消」は、問題じゃないのです。ただただ「物化」で「6問正解できるか否か」が文系戦線なのであります!

 反対に言うと、文系は「物化」で6割取れたら「終劇」で、後は残的掃討だけで、寄せ集めの民兵や州兵で十分なのであります!。

 文系が甲種を受験するに当たっては、「優先順位」を明確にしてください。言うまでもなく、「物化」を最優先です。法令・性消は何とでもなりますが、物化だけは、率先して手を付け、徹底しないと受かりません。

 わたしの試験勉強の「5~6割」は、物化に充てていました。

知識問題は「いのちづな」

 文系へのアドバイスですが、まず、物化の「知識問題」は完璧にしてください。

 当該「知識問題」は、貴重な得点源です。1点として、ゆめゆめ落としてはいけません。

 逆を言うと、「知識問題」を1問でも落とすと、落ちるよ、という寸法です。

 「覚えたら点が取れる」のですから、まず、ここを念入りに勉強します。たとえば、蒸発燃焼とか分解燃焼とかの、あの恒例の「燃焼区分」とか、「燃焼範囲」、「イオン化列」、「消化剤・消火器」です。

 こうした乙4でも出たところをまず仕上げていって、徐々に、あまり出ない論点を、たとえば、「電池の構造」「触媒」「静電気」などを消化します。

 しかし、あまり出ないとはいえ、100%やります。1問たりとも落とさない気概こそが、「歯が立たない計算問題が出たとき」の安全弁となります。「最悪、計算問題がゼロか1問くらいしか、取れない試験もある」と、危機意識を持って臨んでください。

 試験勉強の方針は、「まず失点するだろう計算問題を、知識問題でカバーする」ことを念頭に、知識問題を消化してください。

 知識問題こそ、文系の命綱です。

「どうにもならない」は、直前暗記する

 文系の物化突破は、先の「甲種の独学(文系向け)」で詳しく述べているので、参考までに。

 ここでは、「あーこれは、どうにもならんね」という、名古屋人が開店祝いの花を持って帰らないほどの絶望感に陥った際の対処です。

 「どうにもならない」論点は、過去問の「問題」「選択肢」「答え・解説」を暗記します。

 過去問には、食らいつける問題と、どうにもお手上げの問題があります。

 わたしの場合では、「酸化還元反応」が全くダメで、理屈を追う気力が微塵も出ませんでした。

 んなもんで、問題の要点だけ、直前にマルッと憶えて試験に臨んだ、という手合いです。たとえば、下の画像のように、問題のキーとなる部分だけ覚える、ってな次第です。(最初は、当該論点を捨てるつもりでした。)

 

 丸暗記・丸憶えの類は、ぶっちゃけ、ダメです。本試験では、過去問と同種・同類の問題が出るとはいえ、変えられる可能性は「大」であり、「理解」の勉強がゼッタイに安全です。

 しかし、お手上げの1~2問くらいなら、丸暗記も止むを得ません。逆に言うと、全くダメな論点でさえ丸暗記をして、1点の可能性を上げたい、という次第です。

 わたしは、文系は、このくらいの覚悟で臨むくらいで丁度いいかと思います。ホント、「物化」だけなんですよ、ヤバイの。

思い出など1

 甲種で一番印象的なのは、言うまでもなく「物化」の苦役だったのですが、ほかに「いろんな資格で勉強したことが、有象無象に活きた」です。

 たとえば、「消火器」の論点は、甲種の受験前に「消防設備士の乙6(消火器)」に受かっていたので、難なく消化できた、という次第です。

 また、「水素イオン指数(pH)」の計算では、常用対数の計算(log何たら)があるのですが、当該計算は、「1級陸上特殊無線技士」で、脳が腐るほどやったので、何とか点が取れた、という塩梅です。

 そのほか、間接的にですが、「第3種冷凍機械責任者」や、先の「消防設備士 乙6」の「機械の基礎知識」などで、うんざりしながら頭に入れたことが、「化学・物理」アレルギーをそこそこ和らげた感じがします。

 以前のわたしであれば、「有機化合物の基礎」で撤収したはずです。

思い出など2

 甲種受験で印象深いのは、「使用教材」の違いです。

 わたしは、文系で「4種類」の受験資格で受験したため、使ったのは過去問だけでした。

 しかし、やはり、甲種は、理系の方が多いのでしょう。ド定番のテキストと問題集を手にした人ばかりで、過去問を手にしているのは、「わたし」のほかおらず、(あれ?!テキストとか要るの?)的な不安に包まれました。

 が、まあ、過去問だけで合格できたという塩梅です。文系の方は、長々述べましたが、とにかく、物化を最優先してください。

 なお、受験生ですが、先述したように、甲種は、理系風の受験生が多く、男女とも砲兵将校という感じでした。

 また、明らかに「女性」が多かったです。こ汚い理系男子学生(ヘンなシャツ、異様にでかい運動靴、しみの付いたズボン、ぼさぼさの頭)が目立つ乙4と比べれば、格段に華やかでございました。

こまごましたもの

 なお、勉強方法は「甲種:文系の独学」と「甲種:理系の独学」に、使用教材は「教材レビュー」に、危険物取扱者全種の免状は「こちら」にUPしています。

 そのほか、甲種のこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 興味のある方は、「危険物・甲種の投稿記事 」で、ヒマな時間を潰してください。

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