本問は『現金過不足』の仕訳。2016/2実施の第142回‐第1問の5問目。「現金」扱いするものを問うているので、正確な知識がいる。テキストの熟読が必須。仕訳の切り方の要領や手順、注意事項など。憶え方、まとめページへのリンクもある。
◇問題◇
5.月末に金庫を実査したところ、紙幣\100,000、硬貨\5,800、得意先振り出しの小切手\10,000、約束手形\20,000、郵便切手\1,000が保管されていたが、現金出納帳の残高は\116,000であった。不一致の原因を調べたが判明しなかったので、現金過不足勘定で処理することにした。
◇勘定科目群◇
結論から言うと、「答えの仕訳はこちら」です。
本問のレベルは「ふつう」です。
本問のポイントは、「現金扱いをするのはどれか?」です。
ここがわかっていないと、正確な仕訳が切れません。
紙幣\100,000と硬貨\5,800は、「現金扱い」です。
得意先振り出し小切手\10,000は、「現金扱い」です。
本問の約束手形\20,000は、「現金」ではなく、「受取手形」です。
ですから、本問のテーマ「現金過不足」とは、関係がありません。
本問の郵便切手\1,000は、「現金」ではありません。
切手の処理はいくつかあります。買った時点で「通信費」で計上するところもあれば、「消耗品」などで処理することもあります。
まあ、兎にも角にも、「切手」は現金じゃないので、本問のテーマ「現金過不足」とは、関係がありません。
現金に相当するのは、紙幣\100,000と硬貨\5,800と得意先振り出し小切手\10,000です。
合計額は、「100000+5800+10000」の「115800」で、これが実際有高です。
現金出納帳の残高は「\116,000」です。つまり、帳簿残高は「116,000」です。
帳簿残高を、実際有高に合わせるので、「116000-115800」の「200」が現金過不足となります。
帳簿残高を減らすことになるので、仕訳は…、
借方:現金過不足 200
貸方:現金 200
…となります。
このような仕訳を切れば、帳簿残高は、「116000-200」で「158000」となり、実際有高と合致します。
答えは…、
…です。
一口コメントです。
先に述べたように、現金過不足の処理では、「帳簿残高を、実際有高に合わせる」ので、注意してください。時に、反対の処理をする人がいます。
で、現金過不足ですが、期末等で処理する場合、「雑益」か「雑損」で処理することになります。
処理は、現金過不足勘定を、そっくり「雑益」か「雑損」に振り替えるだけです。
1問:減価償却費・・・「ふつう」。
2問:預り金・・・「ふつう」。
3問:貸付金・・・「ふつう」。
4問:未収金・・・「ふつう」。
5問:現金過不足・・・「ふつう」。
簿記3級は格段に難化しているので、本格教材を使うのが一番、無難です。
詳細は「教材レビュー」で述べてますが、読むのがメンドクサイ人は…、
テキストは「合格テキスト 日商簿記3級」で…、
問題集は「合格トレーニング 日商簿記3級」で…、
過去問は「合格するための過去問題集 日商簿記3級」で揃えば、独学に支障ありません。どれも『ド定番教材』です。
ところで、電卓です。
100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。
高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。
左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。
考えるのが面倒な人は、現在わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。全く支障ありません。
簿記3級の中で異色のメンドクサさを誇るのが為替手形です。当該論点についてはブログの方にまとめているので、「ブログ:簿記3級-為替手形」を参考ください。
仕訳問題は、「簿記3級の仕訳問題」を参考ください。
そのほか、簿記3級に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「簿記3級:ブログ記事」をばご参考ください。
また、電卓の打ち方についてを、「簿記のコツ-それは計算機」や「計算機打ち方例」で述べてます。お目汚しください
「検算のコツ」を知っておくと、計算ミスを結構防げます。
なお、お手持ちの電卓が、試験で使えるかどうか不安な方は、「簿記の電卓」を参考ください。
また、簿記3級の求人数等を、「簿記3級独学資格ガイド」に挙げていますので、ご高覧をば。
★みんなとシェアする