第142回‐仕訳過去問(2016/2実施)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は『貸付金』の仕訳。2016/2実施の第142回‐第1問の3問目。貸付金の返済時の処理を問うている。一部、ブラフがあるが、そう気にすることなく、解答できると思われる。仕訳の切り方の要領や手順、注意事項など。憶え方、まとめページへのリンクもある。

第3問‐貸付金

 ◇問題◇

 3.得意先大阪商店に期間9ヶ月、年利率4.5%で\400,000を借用証書にて貸付けていたが、本日満期日のために利息とともに同店振り出しの小切手で返済を受けたので、直ちに当座預金に振り込んだ。

 

 ◇勘定科目群◇

 

解説

 結論から言うと、「答えの仕訳はこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

 仕訳問題は、まず第1に、「取引の大きな枠組み」を把握することから始めます。

 設問を見ていくと、「\400,000を借用証書にて貸付け…略…小切手で返済を受けたので、直ちに当座預金に振り込んだ」うんぬんが、大枠ってな感じです。この時点で…、

 借方:当座預金 ???

 貸方:貸付金 400,000

 …的な仕訳が切れます。

 後は、「期間9ヶ月、年利率4.5%」うんぬんをチョイチョイしていくだけです。

 言うまでもありませんが…、

 また、「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。

 対して、「貸方」は「右がわ」で、ナイフやお箸を持ったり、配偶者に打ち粉を振るときの方です。

ポイント

 大丈夫でしょうが、念のため。

 問題文には、『\400,000を借用証書にて貸付け』とあります。“借用証書”ですから、「貸付金」勘定で処理されたことがわかります。

 ときおり、手形で貸付をすることもあるので、注意してください。

 このあたりが???な人は、テキストを再読しましょう。

利息の計算

 貸付額は\400,000、期間は9ヶ月、年利率4.5%が本問の指示です。そのまま計算機を叩きます。

 「400000*9/12*0.045」なので「13,500」です。

 念のため、「使用勘定語群」をチェックしてみてください。

 「受取利息」があるので、これを使います。利益の増加ですから…、

 貸方:受取利息 13,500

 …と相なります。

 なお、先の計算の「年利率4.5%」の計算ですが、計算機のキー操作は、「4」「.」「5」「%」と押してもいいです。

 「4.5%」を打つときは、「0.045」より、「4」「.」「5」「%」のほうが早いと思います。

当座への入金

 当座預金に、受取利息\13,500と貸付金\400,000が振り込まれたので、額面は「13500+400000」の「413,500」が入金額となります。資産の増加ですから…、

 借方:当座預金 413,500

 …と相なります。

 問題文中の「同店振り出しの小切手で返済を受けた」は次に説明します。

小切手うんぬん

 「同店振り出しの小切手で返済を受けた」は、あまり意味はありません。

 「同店振り出しの小切手」は「現金」ですが、その後すぐに「当座預金」に入金しています。

 正確に事態を追えば、小切手を受け取ったときに…、

 借方:現金 413,500

 貸方:貸付金 400,000

 貸方:受取利息 13,500

 …と仕訳が切られたのです。

 ほいで次に、当座入金の仕訳が来るわけです。つまり…、

 借方:当座預金 413,500

 貸方:現金 413,500

 …てな塩梅です。

 で、借方と貸方で重複している「現金 413,500」を相殺すれば、答えの仕訳となる、ってな寸法です。

まとめとこたえ

 答えは…、

 

 …です。

 一口コメントです。

 落ち着いて考えれば、解ける問題です。未知の指示があっても、落ち着いて処理していってください。


142回‐第1問:仕訳

 1問:減価償却費・・・「ふつう」。

 2問:預り金・・・「ふつう」。

 3問:貸付金・・・「ふつう」。

 4問:未収金・・・「ふつう」。

 5問:現金過不足・・・「ふつう」。

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