第142回‐仕訳過去問(2016/2実施)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は『未収金』の仕訳。2016/2実施の第142回‐第1問の4問目。有価証券の売却の処理と、代金が後払いになるときの処理を問うている。仕訳の切り方の要領や手順、注意事項など。憶え方、まとめページへのリンクもある。

第4問‐未収金

 ◇問題◇

 4.当期に買い入れたX社の株式1,000株(取得原価\830,000)を1株\950ですべて売却した。なお、売買手数料\11,000を差し引いた手取り額は4日後に当座預金口座に振り込まれることになっている。

 

 ◇勘定科目群◇

 

解説

 結論から言うと、「答えの仕訳はこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

 仕訳問題は、まず第1に、「取引の大きな枠組み」を把握することから始めます。

 設問を見ていくと、「X社の株式1,000株(取得原価\830,000)を1株\950ですべて売却した。」うんぬんが、大枠ってな感じです。この時点で…、

 借方:??? ???

 貸方:有価証券 ???

 …的な仕訳が切れます。

 後は、決済の「売買手数料\11,000を差し引いた手取り額は4日後に当座預金口座に振り込まれる」うんぬんをチョイチョイしていくだけです。

 言うまでもありませんが…、

 「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。

 「貸方」は「右がわ」で、ナイフやお箸を持ったり、配偶者に油を塗るときの方です。

有価証券の売却

 普通の算数です。

 有価証券の購入金額は、「取得原価」の\830,000です。

 これを売ったのですから、資産の減少の仕訳を切ることになるので…、

 貸方:有価証券 830,000

 …となります。

 次いで、売却価額の計算です。

 株式1,000株を1株\950で売却なので、「1000*950」で「950000」となります。

 さて、本問のポイントですが、売買手数料は、当該売却額から引きます。

 売買手数料は\11,000です。んなもんで、「950000-11000」の「939,000」が手取りの売却額となります。

益?損?

 カンタンな算数です。

 「830,000」で買ったものを、「939,000」で売ったのですから、その差額「109,000」が「益」となります。

 使用する勘定科目は「有価証券売却益」なので…、

 貸方:有価証券売却益 109,000

 …と相なります。

決済

 設問は「手取り額は4日後に当座預金口座に振り込まれる」となっています。

 商品売買以外の“後日の受取”は、「未収金」を用います。手取り額は「939,000」です。資産の増加の仕訳なので…、

 借方:未収金 939,000

 …と相なります。

 なお、商品売買での“後日の受取”は、おなじみ「売掛金」です。

まとめとこたえ

 答えは…、

 

 …です。

 一口コメントです。

 「未収金」は、ときに、「未収入金」の勘定を使うときもあります。何度もいいますが、問題指定の勘定科目で解答するようにしてください。

 なお、本問の借方計上の「未収金 939,000」ですが、期限が到来したら…、

 『当座預金 939,000/未収金 939,000』の仕訳が切られます。


142回‐第1問:仕訳

 1問:減価償却費・・・「ふつう」。

 2問:預り金・・・「ふつう」。

 3問:貸付金・・・「ふつう」。

 4問:未収金・・・「ふつう」。

 5問:現金過不足・・・「ふつう」。

 index

独学向け教材-簿記3級独学の生命線

 簿記3級は格段に難化しているので、本格教材を使うのが一番、無難です。

 詳細は「教材レビュー」で述べてますが、読むのがメンドクサイ人は…、

 テキストは「合格テキスト 日商簿記3級」で…、

 問題集は「合格トレーニング 日商簿記3級」で…、

 過去問は「合格するための過去問題集 日商簿記3級」で揃えば、独学に支障ありません。どれも『ド定番教材』です。

 ところで、電卓です。

 100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。

 高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。

 簿記2級では必須の高品質電卓と避けるべきペラペラ計算機

 左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。

 高品質な計算機

 考えるのが面倒な人は、現在わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。全く支障ありません。

簿記3級のこまごましたもの

 簿記3級の中で異色のメンドクサさを誇るのが為替手形です。当該論点についてはブログの方にまとめているので、「ブログ:簿記3級-為替手形」を参考ください。

 仕訳問題は、「簿記3級の仕訳問題」を参考ください。

 そのほか、簿記3級に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「簿記3級:ブログ記事」をばご参考ください。

 また、電卓の打ち方についてを、「簿記のコツ-それは計算機」や「計算機打ち方例」で述べてます。お目汚しください

 「検算のコツ」を知っておくと、計算ミスを結構防げます。

 なお、お手持ちの電卓が、試験で使えるかどうか不安な方は、「簿記の電卓」を参考ください。

 また、簿記3級の求人数等を、「簿記3級独学資格ガイド」に挙げていますので、ご高覧をば。

みんなとシェアする